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(7) 競争相手国との競争条件の比較

 (A) 延払い、船価、品質等条件の比較

 ペルーには、最大25,000DWT級のオイル・タンカー、乾貨物船などの建造能力のある造船所(SIMAPeru)があり、国内で建造の不可能な特殊船を除き、自国建造を原則としている。
 従って、現在稼働中のペルー商船隊には、国内で建造されたものが多数ある。
 ペルーの輸入船舶は従来、ドイツ、英国、イタリア、スペイン、フィンランドなど欧州造船国をはじめ、わが国や新興造船国の台湾、ブラジルなどからも輸入している。
 これらの船舶は、性能、品質などの点を比較すると、わが国および欧州各造船国が多年に亘り多数の建造実績をもち、技術や研究を積んでいるので、ペルー国内製や新興造船国製よりも遥かに優位にある。
 しかし、契約船価の点であ、わが国は円高の急激な高騰で不利な立場にある。納期については、わが国が優位にある。

 (B) 輸出対策

 米国をはじめ競争相手国は、将来における経済活動の足場とするため、ペルーの鉱業、製造業、商業など各分野に投資しており、現フジモリ政権も経済、産業発展のために内外投資家による新規投資が不可欠との認識の下に、外国からの投資を誘致するための条件整備に努力している。
 ペルーの外貨導入政策は、アンデス共通外貨規則決議の枠内にあり、現政権はこの枠内で積極的に外貨誘致政策を推進する方針を明らかにしている。
 現在、ペルーの製造業、鉱業、商業などの部門に投資している主要先進国は、米国、日本、英国、ドイツ、オランダ、ベルギー、イタリアなどであり、いずれも内容的には技術輸出であり、これの定着が将来の輸出拡大に大きく貢献することを期待している。
 従って、わが国は今後とも積極的に技術輸出を行うことが必要である。

 (C) 歴史的、経済的なつながり

 15世紀にはインカ帝国が、北は現在のエクアドルから南はボリビア、チリに

 

 

 

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