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出し、これが承認されると、民間部門対外取引委員会が見積りに従って、外貨割当てを行う。
 輸入者は、この割当てに従ってペルー中央準備銀行で、輸入代金および利子、手数料などの支払いのための外貨を調達することができる。公共部門による輸入の場合は、公共部門対外取引委員会の承認と、経済財務省(Ministry of Economy & Finance)の決定を取得すれば、ペルー中央準備銀(Banco Central de Reserva del Peru)で、輸入決済に必要な外貨を調達することができる。

 (D) 契約条件

 ペルーの輸入管理制度は、1件の契約価格が1万米ドル以上の資本財を輸入する場合には、支払い決済は延払いによることを義務づけている。
 また、この延払いの期間をFOB価格によって、最短期間を規定している。FOB価格40万米ドル以上の場合は、1年据置きで最短期間を5年としている。
 更に、ペルーは外貨節約と国内造船所助成のため、自国で建造可能な船舶の輸入は、入手時期その他特別の事情がない限り、輸入承認を得ることは難しい。
 従って、性能、品質、船価、納期、高度技術などの面で、国内造船所と比較し遥かに優れており、有利であることが、契約を成功に導く重要な条件である。

 (E) 取り引きルート

 ペルー政府は、自国船優先主義を確立するため、船舶増強による商船隊の強化に努力しており、商船隊の維持・育成には各種の援助政策を講じているが、長期に亘る経済不況による政府の資金不足から、商船隊の増強は計画どおり実施されていない。
 従って、わが国としては、ペルー国営船社を中心に民間の有力海運会社と接触する機会を得るよう努力し、ペルー海運に適合するよな各種船舶について、わが国の造船事情を技術的にPRし、関心を一段と高めることが、将来における取引へのルートになる。

 

 

 

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