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 また、インドネシアでは民間の輸入者に対しては登録制度があり、登録者には輸入ライセンスを与えている。この手続きがしてあれば、輸入代金の決済は外為銀行を通じて事務的に処理されるので、輸入資金の調達、決済は容易に行われ、なんら困難な問題はない。

  (D)契約条件

 インドネシアの新造船契約は従来、その殆とが借款による現金払いであり、延払い条件とするケースは少ないが、その場合でも国際慣習による60〜70%、7年の程度である。
 インドネシアは、船舶の必要性からして、海運強化に積極的であり、1隻でも多くの船舶を確保するという考えからして、低船価で高性能な経済船であることを最も重要な条件としている。

  (E)取引ルート

 インドネシア政府は従来、商取引に対する買収行為に対しては特に厳しい態度で臨み、そうした慣習の是正に努力している。
 従って、取引には可能な限り介在者を設けず、直接に当事者と接触することが肝要である。そのためには、現地の海運事情、関係当局の意向を十分に理解し、それに適合した近代船の紹介、PRを行うことによって、正常かつ安全な成約への取引きルートとすることができる。

(7)競争相手国との競争条件の比較

  (A)延払い、船価、品質等条件の比較

 インドネシアには、歴史的に欧州造船国からの船舶輸入が長い期間にわたって行われているが、わが国からも大量の船舶が輸出されている。
 オランダはインドネシアをその支配下においていたので別として、欧州ではドイツ、フランス、英国、また最近では韓国や台湾の進出が目立っており、わが国の強力な競争相手国となっている。
 ドイツおよびフランスは長年にわたって、インドネシアを中心とする東南アジア地域における海洋、内水路、気象、資源などに関する各種の精密な研究・調査を行っているので、これが船舶の設計に貴重な資料となっている。
 わが国は、韓国の低船価は別として、建造技術、船価、支払条件、納期などについては、これら競争相手国との間に特に優劣はない。

  (B)輸出対策

 インドネシアにとって日本は、輸出入とも最大の貿易国であり、また経済援助の面でも、インドネシアは日本の最大の援助対象国となっている。
 日本の対インドネシア経済協力は、円借款、無償資金協力および技術協力を実施しており、

 

 

 

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