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(a) 充気装置の不具合のものは原則として新しい部品と交換する。ただし蓋・ネジ・座金等の異常のない部品は活用してもよい。

(b)充気装置、不道弁、補助空気弁、作動索、安全弁、その他金属部品の僅かを発錆は次の手順で手入をする。

(イ)ガソリン、中性洗剤、清水で順次洗滌、清拭、乾燥する。

(ロ)#80〜100の細目サンドハーパーで研磨する。研磨機を使用する場合は切り屑が付着せぬよう留意すること。
 メッキをし直す場合はメーカー送りとする。

(ハ)給油脂は所定のものを用い、少量を薄く塗布する。寒さで硬化したり、他物を汚損するような油脂は使用しないこと。。

(ニ)防錆塗料は促乾性透明防錆塗料を用い、余分のところへ塗らぬよう注意すること。腐食、発錆の甚しいものは交摸する。特にボンベの塗装は十分に行う。

(c) ボンベの傷痕、腐食痕等は次により判定し、不合格のものはメーカーに返送する。

(イ)表面の錆を落した時、サメハダ状又はアバタ状の腐食痕で、くるみ大のものが3個以上あるもの。

(ロ)ボンベの胴部及び底部に0.4mm以上の深さの打痕又は凹痕が3個以上あるもの。

(ハ)頭部ねじの腐食が甚しいもの。

(d)高圧ガス容器保安規則は、もともと陸上が中心で、防錆については海上ほど使用条件がきびしくなく、技術基準もいくつかの防錆処理の内いずれかを実施すれば容器検査に合格するようになっている。
 気室布の変質原因の中に錆による劣化が指摘されているが、この現象はいかだにとって好ましくない。従って現状ではS・Sは点検整備時にボンベの防錆処理を施さなければならない。防錆処理で最も大事なことは、ボンベの地肌塗料の密着力である。
 S.Sでボンベの防錆処理する場合には、ボンベにはガスが充損されているため、経済性のほか作業性。安全性等を考えあわせる必要がある。燐酸鉄の水溶液よる処理は最も適した方法と云える。
 この方法の利点として次のことがあげられる。

○常温で作業が出来ること。

○錆を除去すると同時に塗装下地に適した燐酸皮膜を作り、また、地肌を痛めないこと。

○毒性がないこと。

○経済的であること。

その防錆処理の手順は下記の通りである。

(1)充填ボンベは危険防止のため必ず安全キャップをすること。

(2)錆のひどいところは布ヤスリ、ワイヤーブラシ等で予め除去する。

(3)燐酸鉄の水溶液を、ティッシュベーパーに含ませて、錆の部分にしわの入らぬよう貼りつける。

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