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ここで、ρは楕円孔先端の曲率半径である。また、次式で与えられる係数αを応力集中係数という。

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円孔の場合には、α=ρ〔mm〕であるから、応力集中係数は3となる。

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2)疲労およびクリープによる破壊

静的な応力としては降伏応力以下の値であっても、その応力を長期にわたって繰り返し受ける事により機器が破壊に至る事がある。これを疲労破壊という。平均応力σmの両側に応力振幅σ、で繰り返して負荷を与える疲労試験を行い、試験片が破壊したときの繰り返し数を横軸に、応力振幅を縦軸にとってプロットした線をS−N線図という。鋼材にたいしては補・48図に示すように、右下がりの傾いた線と水平線とからなる場合が多い。この水平線より下の応力ではいくら繰り返しても破壊は起こらないのであって、この水平線にあたる応力σwを疲労限度という。傾いた線が水平線に移る限界の繰り返し数はおよそ10回といわれている。しかし、材料によって、また、環境によっては疲労限界が存在しない場合がある。金属材料が高温で長時間一定の引張り荷重をうけると、補・49図に示すように、ひずみは、時間とともに始めは急速に、次に一定のひずみ速度で、最後に再び急速に増加にて、ついには破断にいたる。このように一定の荷重のもとで時間と共にひずみが増加する現象をクリープという。

 

 

 

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