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すなわち、延性材料にたいしては、最大せん断応力が基準になる。これにたいして、鋳鉄やガラスのような脆い材料では、塑性変形をほとんど伴わずに破壊に至る。この場合は、最大主応力が材料固有の強度、すなわち、抗張力に達すれば、最大主応力面で破断することが知られている。このように、脆性破壊においては最大主応力が基準になる。脆性破壊において破壊に費やされるエネルギーは、延性破壊のそれにくらべてはるかに小さい。以上より、延性材料および脆性材料の丸棒が引張りを受ける場合の破断の様式は補・45図に示すようになることがわかる。同様に、それらが振りモーメントを受ける場合の破断の様式を補・46図に示す。
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現実の機器には、多くの場合、孔、キー溝、フィレット、切り欠きといった形状的な不均一性が存在する。このように形状が不連続的に、あるいは急激に変化する所では応力集中が起こる。たとえば、無限遠方で一様な応力σを一方向に受けている無限平板中に、引張り方向に垂直に長径2αを持つ楕円孔が存在する場合、楕円の長軸を延長した線上の応力の分布は補・47図に示すようになり、その最大応力σmaxは次式で与えられる。

 

 

 

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