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?ピストンを抜き出して、清掃点検、リング溝、ピストンピン及びピン穴、リング等の点検
?連接棒小端軸受け、クランクピン軸受けの点検及び連接棒ボルト傷、当たり等の点検
?機関台、据付ボルトの点検とデフレクション計測と調整
?油冷却器、空気冷却器の点検と清掃
?空気始動弁の分解点検

(5)2ヶ年又は3ヶ年ごとの点検と保守整備(約4000〜15000時間)

?船舶安全法の中間又は定期検査に準じて分解点検整備を実施する。
以上の内(1)及び(2)項は機関の運転者が日常実施すべき項目であるので、機関取扱者に対し、よく理解させて、実施するよう指導することが大切である。

2)整備インターバルの決め方
整備のインターバルは、使用環境条件や取扱方などの諸条件を考慮して、各機種ごとに設定されるが、中低速機関の場合を例として、主要部品ごとの汚損状況と整備に関する基本的な考え方を次に示す。

(1)燃料弁

燃料の前処理、すなわちフィルタ、清浄機、加熱温度の適否が燃料弁の寿命に大きな影響を与える。整備時期は、噴霧テストや開弁圧等のチェック結果と機関性能の低下状態、例えば排気温度の上昇、燃料消費の増加及び排気色の悪化等を勘案して決められる。

(2)排気弁

シート部の吹き抜けを基準として、整備時期を決めることは適当でない。実例では、シート部のかみ込み深さが急激に増し、その修正寸法が大きくなって弁の寿命が短くなる場合が多い。また、使用開始後、500から1500時間程度でシートを摺り合わせ又は研削することは、初期の熱歪みをとることで好結果が期待できる。

(3)排気タービン過給機

ころがり軸受け方式のものは、軸受の耐用時間から整備インターバルが決められる場合があるが、しかし、低質油を使用する機関の場合は、燃料油中のNa(ナトリウム)とV(バナジウム)成分等による堆積物がタービンノズルとブレードに急速に付着し、その影響でサージングや、ローター軸のアンバランスを発生し、軸受けの寿命を短くすることから、適切なインターバルで解放し、堆積物を除去する必要がある。

(4)ピストン

ピストンリングの摩耗及びリング溝や油落とし穴へのカーボン堆積は、潤滑油消費の増加をもたらす。また、ピストン爆発面と冷却面の堆積物は、ピストン頭部の熱応力を増大させる。

 

 

 

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