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国をおもう〜世界の中の日本
鳥井
「歴史というのは本来、稽古照今、古に学んで今に照らすことと言われます。過去を踏まえて、理事長の今後への抱負はいかがですか。また、若い人たちへのメッセージを含めて・・・。」
笹川
「40年前に、日本という島国から世界に飛び出して、グローバルなスタンスでものを考え、行動しようという発想で組織が生まれました。今に至るも、これを単にユニークという言葉で表現していいのか、私はもっと重みがある存在だと思うのです。これは稀有の例だと思います。組織は日本にありますが、目は常に地球的レベルでものを見ており、そして考え行動するという組織であり続けなければいけないのです。
 そのためには、例えば、国際協力などは国が百あれば百の常識があるのです。継続と忍耐なくしてできません。やはり一つの仕事を10年続けませんと、正しい評価ができにくい。我々のアフリカのプロジェクト一つとりましても、10年過ぎてから国際的評価が急速に上がった。中国の医学生への支援は、15年もやってきましたから、中国の有識者で知らない方はないと言われるところまできました。反省と評価を繰り返しながら、頑張り抜くことが大変重要です。
 そういう意味で、職員には、常に日本を客体視して、もっと大きなグローバルな立場から世界を見、その中で日本はどういう存在なのか、何をしなくてはいけないのかということを考えていただきたい。そういう思考回路に切りかえてもらいたいと私は願っています。
 世界があって日本が存在するのであり、日本があって世界が存在するわけではないのです。そこのところを我々は間違えてはいけない。
 もう一つは、我々には様々な関係団体があります。国際交流を例にとっただけでも、日本財団あり、東京財団あり、笹川平和財団あり、笹川記念保健協力財団あり、音楽財団あり、シップ・アンド・オーシャン財団あり、様々な組織があります。こういう組織をどのように相互協力、相互連携、相互補完を強化させて、1+1=3にも4にもしていくための方法論をきちっと確立していくか、今後の大きなテーマです。我々の行動指針自体は、先ほど申し上げた「七つの鍵」の中に明示されています。職員の数も100人前後の組織です。官僚主義に陥らないように、そしてコスト意識をしっかり持ち、その上で、常に世の中の流れを敏感に汲み取れる、そういう鋭い感覚を若い職員に身につけてほしいのです。常に行動はタイミングが重要なので、大胆かつ柔軟な対応を望んでおります。私自身は、そのための目配りが重要と考えております。
 財団の40年の歴史の中で、この10年、正確に言えば7年、曽野会長を中心に関係者の努力で、大いに飛躍した時期と言えます。私は常に若い人に期待をしています。私たちの組織がそういう若い人達にどれだけ勇気と希望と力を与えられるかがポイントです。」
鳥井
「若い人に課せられた責任も大きい、ということですね。」
笹川
「責任というよりは当然の義務です。それを彼らがどう感じ取るか、です。私は十分やっていけると思います。いつの時代も、時代そのものが生き物ですし、地球そのものが生き物です。生き物の上に生き物が乗っかっているわけです。宇宙単位の年限でいけば、我々の生きている期間は、ほんのまばたきの一瞬にすぎません。
 今はスピードの時代になってきたので、極端に言えば、毎日毎日、1カ月単位、どうしても短い期間で全体を見るような感じになりがちです。もう少し長く10年、20年、30年の単位で世の中の変化を先取りし行動してもらいたいものです。」



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