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(3)宇部樹脂加工株式会社
■宇部樹脂加工(株)について
・宇部興産のグループ会社で、ABS樹脂では国内No.2のシェアを占めている
・昭和40年3月設立、資本金2億8,000万円、年商17億円(平成17年度)
・従業員数は80人、他にパートタイマー40人
・製品の6割を自動車内装部品が占め、フロート製品は全体の2割程度となっている(残りの2割は、各種ローラー製品、その他の製品がそれぞれ1割となっている)。
■技術の概要について
・宇部樹脂加工は、UBEフロートリサイクルシステムにおける窓口を担当。使用済みフロートの粉砕・再生樹脂化(再生ペレット化)は、金井産業が実施している
・宇部樹脂加工では、再生ペレットとバージン原料を混合(調合)し、エコフロートを生産している。
・再生ペレットの混合割合は、全体の40%以上(エコマーク認証取得の条件)
・上記条件で、所定の製品強度が得られない場合、当該再生ペレットはエコフロート原料として不適と判断される
・エコフロート原料として不適とされたものは、農業資材などにリサイクルしている
■特長について
・自社製フロートの自社内リサイクル
・フロートメーカーとして初のマテリアルリサイクルシステム
a. 破損フロートを処理する場合には、販売店もしくは宇部樹脂加工(株)に処理したいフロートの数量及び規格を連絡
b. 破損したフロートを宇部樹脂加工(株)山口工場へ発送
c. マテリアルリサイクルシステムに基づき、宇部樹脂加工(株)が再生処理を実施
・リサイクル処理量の確保に課題(リサイクル料金(輸送費:漁業者負担)よりも産廃処理料金の方が安価であり、手軽なため、現状は、リサイクルシステムにのらず、産廃処理されているものが多い)
■処理コストについて
・前記の通り、使用済みフロートの粉砕・再ペレット化は他社で実施
・輸送費さえ支払えば、フロートの処理は無料(ただし、宇部樹脂加工製のフロートのみ)。なお、フロートの切断、圧縮には重機が必要とのこと
・営業エリアは全国であるが、処理実績は、過去5年間で8トン程度。また、ここ1〜2年はほとんど集まっていない状況であるとのこと
■事業採算性等について
・再生ペレットがバージン原料に比べ安価なうちは採算がとれるが、ここ数年、再生ペレットの価格も上昇気味(再生原料150円/kg、バージン原料230円/kg)
■再生製品の性能等について
・エコマーク商品としての再生ペレットの使用比率(40%以上)を維持しつつも、フロートとして所定の品質(強度)が得られるようバージン原料を調合し、リサイクルを行っている
・バージン原料と混ぜても所定の強度が得られない時は、杭などの農業用資材としてリサイクルしている
■環境・安全面について
・一時保管(天日干しにして付着した貝殻などを落とす、一定量を確保するため)中に多少の臭いがあるが、特別な対策はとっていない
■適用条件等について
・自社製フロートのみ受け入れ(下取りに限らず)
・貝殻等が付着したままのものは不可
■評価・表彰実績、特許の取得について
・“UBEエコフロート”は、(財)日本環境協会からエコマーク商品としての認定を受けている(認証番号第03118063号)
■他社製フロートの受け入れについて
・他社製品は、素材(混ぜもの)がはっきりしないため受け入れしていない。マテリアルリサイクルでは、他の素材が混ざると、リサイクルが困難になる(マテリアルリサイクルの課題)
 
<現地写真等>
 
宇部樹脂加工(株)本社 山口工場 山口営業所
 
エコフロート事業(UBEフロートリサイクル事業)の仕組み
 
エコフロート製品他
 
 
 
 エコフロート製品(再生製品)は、新品に比べ、幾分黒さが足りない。
直上の写真は、強度不足により農業用資材として再生された杭。
 
使用済みエコフロートの破砕機〔金井産集(株)〕
 
 破砕機は2段階式となっており、2段目部分は地下に隠れている。
 
 
 再生プラスチック樹脂は、糸状に押し出されながら冷却水槽を通って、ペレタイザーへ


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