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表4.2.3-2(1)廃プラスチックの固形燃料(RPF)化
項目 内容
技術内容に関する事項 技術の名称 廃プラスチックの固形燃料(RPF)化
処理対象物等 一般廃棄物及び産業廃棄物の廃プラスチック、紙くず、木くず、厨芥等
リサイクル方法 サーマルリサイクル(固形燃料化)
再生製品 固形燃料(RPF; Refuse Paper & Plastic Fuel)
技術レベル 実用段階
技術概要  廃プラスチックや古紙等を原料として、高カロリーの固形燃料を製造する。
 原料として受け入れた廃プラスチックや古紙等を選別→破砕→減容固化(成形)というプロセスによりRPFとして製品化している。
 雑多な廃棄物はそのままでは利用できないため、まず手選別により不適物を取り除き、次いで、一次破砕機でこれを破砕、さらに、機械選別により塩素系プラスチック及び金属の除去を行った後、二次破砕機で再度細かく破砕する。こうして得られた良質な原料のみを最終的に造粒機にかけ、減容固化(成形)している。
 (処理フローは別紙を参照)
問い合わせ先 (株)市川環境エンジニアリング 経営企画室
 Tel. 047-376-1715 Fax. 047-370-3749
 〒272-0014 千葉県市川市田尻2-11-25
技術の有効性に関する事項 特長
 一般に、RPFの特徴(利用メリット)として、以下の点が挙げられる。
■性状及び品質が安定
■高カロリーで発熱量の調整も可能
■ハンドリング性に優れ、高い利便性を有している
■燃焼炉における排ガス対策が容易
■他の燃料に比べて経済的(石炭価格の1/4〜1/3程度)
■化石燃料の代替として使用することで、CO2排出量を削減でき、地球温暖化の防止に貢献できる
処理コスト
(イニシャル・ランニングコスト)
 
表4.2.3-2(2)廃プラスチックの固形燃料(RPF)化
項目 内容
技術の有効性に関する事項 事業採算性  「即効的・革新的エネルギー環境技術研究開発/可燃ごみ再資源燃料化技術開発」事後評価報告書(案)(平成14年12月、新エネルギー・産業技術総合開発機構 技術評価委員会)によれば、RPFの製造コストは、搬入ごみあたり20円/kg(産業廃棄物)〜75円/kg(一般廃棄物)と推定されている。
再生製品の性能等
■製造しているRPFは長さ約50mm、直径約30mmで、発熱量6,000kcal/kgと7,000〜7,500kcal/kgの2種類がある。含水率は5%以下。
<RPFの塩素濃度と主な用途>
塩素濃度  主な用途
0.2%以下 発電ボイラー
0.8%以下 セメント原燃料
2%以下  セメント原燃料
■使用先でのダイオキシンの発生は確認されていない 
■RPFの灰化率は2%あまり 
環境・安全面
適用条件等
<今後の課題> 
■塩ビ選別能力の向上
 全ての塩化ビニルを現在導入している塩ビ自動選別機だけで除去するのは困難
<コスト面の課題>
■RPFは比重が小さいため、輸送コストが高い(RPF 1m3あたりの重量は約300kgと軽く、このため、10t車でも6〜7tしか運ぶことができない)
その他 <開発履歴>
 1986年に通産省(現.経済産業省)の国庫補助を受け、一般廃棄物及び産業廃棄物から可燃物を抽出して固形燃料(RDF: Refuse Derived Fuel)を製造する実証プラントとして建設し、稼働を開始した。
 建設当初は紙類を中心とした固形燃料を製造していたが、産業構造等の変化に伴って廃棄物の性状も変化してきたため、2003年5月、施設の全面的なリニューアルを行った(塩ビ自動選別機の導入)。
 
表4.2.3-2(3)廃プラスチックの固形燃料(RPF)化
項目 内容
その他の事項 文献発表等
評価・表彰実績
特許の取得
<評価・表彰実績>
■昭和60年3月、通商産業省立地公害局長賞受賞
■平成2年10月、(社)ニュービジネス協議会よりアントレプレナー大賞優秀賞受賞
■平成5年10月、リサイクル推進協議会より平成5年度リサイクル推進功労者等表彰事業において表彰受賞
■平成7年10月、米国環境保護庁オゾン層保護賞受賞
■平成8年6月、兵庫県フロン回収処理推進協議会感謝状受賞
■平成8年10月、日本経済新聞地域環境技術賞受賞
■平成9年11月、千葉県知事表彰(環境功労者)受賞
■平成10年11月、(社)地域経済研究所第4回ちいき経済賞エコロジー賞受賞
■平成12年6月、厚生大臣表彰(生活環境改善事業功労者)受賞
■平成12年11月、ウエステック大賞2000審査委員長特別賞受賞
■平成14年2月、市川市創造技術振興賞受賞
環境への取り組み <環境マネジメント>
 株式会社市川環境エンジニアリングでは、かねてより事業活動における環境負荷の低減や資源の有効活用の推進に取組んできており、2003年11月23日には、本社及び習志野リサイクルセンターで、環境に関する国際規格ISO14001の認証を取得。
添付資料 RPF処理化プラント・処理フロー
 
廃プラスチックの固形燃料(RPF)化
〔別紙 RPF処理化プラント・処理フロー〕

●処理量:15t/hr
・・・従来より大幅に処理能力がアップしました。
●塩ビ自動選別
・・・廃プラ中の塩素を機械選別し高品質のRPFを生産します。
●安定した運転
・・・実績のある選別機、造粒機に加え、予備機の設置、直接投入装置などにより稼働率が大幅に向上します。
 
●設計・施工:三菱レイヨン・エンジニアリング株式会社
 
出典)「RPF化処理プラント 行徳工場」(株)市川環境エンジニアリング広報資料


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