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IBD九州大会in熊本
〜越すに越されぬIBD〜
主旨:IBDとは炎症性腸疾患患者(クローン病、潰瘍性大腸炎など)の事で特定疾患の一つである。九州では特に熊本に患者が多く、発症の低年齢化も進んでいる。
 これまで全国的な統一組織がなく、それぞれの県で活動を行ってきた当事者団体が一同に会し、国の難病政策と福祉との関わり、最新の医療技術、患者会の役割の三つの視点で理解を深め、九州内のネットワークを構築する機会とします。
 
主催:熊本IBD(九州IBDフォーラム)
 
共催:NPO法人 熊本県難病支援ネットワーク、熊本県難病団体連絡協議会
 
後援:厚生労働省、熊本県、熊本市、熊本県医師会、熊本市医師会、熊本県看護協会、熊本県薬剤師会、熊本県栄養士会、熊本県社会福祉士会、熊本県MSW協会、日本製薬工業協会、IBDネットワーク、熊本アイ・ビー・デイ研究会、NHK熊本放送局、RKK、TKU、KKT、KAB、FMK、FM791、熊本日日新聞社
 
助成:日本財団、熊本県社会福祉協議会
 
ご来賓:
熊本県知事 潮谷義子様
代理 熊本県健康づくり推進課 課長 東 正明 様
熊本県議会厚生常任委員会 副委員長 池田和貴 様
衆議院議員 議員 木原 稔 様
熊本県保健所長会会長(八代保健所所長) 会長 児玉 修 様
 
ご協力:熊本県健康づくり推進課、熊本県難病相談・支援センター、味の素ファルマー、熊本保健科学大学看護学科の学生さん、九州看護福祉大学看護学科の学生さん、松原久美子さん、松原尚子さん、豊田夏希さん
心より感謝申し上げます。
 
<ご挨拶>
熊本IBD会長 中山泰男
(九州IBDフォーラム 代表)
 
 今回、九州IBD大会は初めての開催となります。これを企画するにはいくつかの理由(条件)がありました。一つは、平成17年に宮崎県で開催された勉強会で社会保険中央総合病院の高添先生との出会でありました。お話をするなか冗談半分本気半分で申し上げましたところ快くお引き受けして頂き、このイベントの副題もその時に命名して頂きました。
 次に、日ごろ患者さんからご相談を受ける中、結婚・就職・就学等において引越し先に関する問合せにまったく回答できなかった苦い経験があったからです。患者会があることは知ってはいるがどれ程のことをされているのかチンプンカンプン。となればネットワークを広げるしかありません。また、どの患者会も運営には四苦八苦しています。得意分野をくっ付けあってお互いに支え会えれば、大都市の患者会みたいになれるかも知れないなんて夢を描いたからです。その内、道州制が実施されれば九州は一つ。他の患者団体の先駈け的なことができれば素晴らしいことではないでしょうか。
 最後に、私たちが常日頃勉強してきた難病政策に関することや、患者でありながら他県で先駆的に活動をされている団体・個人さんを是非とも紹介したかったこと。また、患者会の運営自体に疑問をもって居られる皆さんにご案内できたらとの思いもあったからです。
 午前中のシンポジウムでは、現在の難病制度とNPOでできることを中心に話して頂き、午後からは高添先生による最新の話題、最後に各九州県のそれぞれの患者会の代表さん集まっていただいての座談会という3部構成になっています。
 私がこのIBD患者会を立ち上げましたのは、患者さんらが就労問題や入退院繰り返しで自信がもてないし、どうにかみんなで元気になれないかということからでした。それから6年。これほどの大会を開催できましたのも難病関係者スタッフの皆さん、そしてご理解ある皆様のご支援の賜物だと心より感謝しています。今回の有意義な時間を皆さんと共有できますことを幸せに思いつつ御礼の言葉と致します。
 
 
<ご挨拶>
熊本県知事 潮谷義子
 
 本日、「IBD九州大会」が、ここ熊本県で、初めて開催されますことを心からお祝い申し上げます。
 また、九州各県から御出席いただきました皆様方に対し、心より歓迎申し上げますとともに、IBD九州大会の開催に御尽力いただきました関係者の皆様方に深く敬意を表します。
 さて、IBDは、原因も不明であり、治療方法も確立していないため、多くの方々が、今後の生活に不安を感じていらっしゃると思います。また、若年期や働き盛りの方に患者さんが多く、日常生活においても症状が頻繁に起きる方もおられ、患者さん及び御家族の皆様方におかれましては、大変ご苦労されておられる方も多いと承知しております。
 本県においては、患者さん及び御家族の皆様方を支援するため、「特定疾患治療研究事業」による医療費の負担軽減、「難病相談・支援センター」による患者支援等、さまざまな事業を行っております。このセンターにおける活動については、IBDの患者会の皆様方にも、大変御協力をいただいております。このことは、本県の県政運営の基本理念の一つである「パートナーシップ」に合致したものであり、この場をお借りして深く感謝申し上げます。
 患者会の皆様方におかれましては、患者相互の親睦・交流や、知識の向上を目的に、さまざまな活動をされており、患者さん及びその御家族の不安を解消し、社会参加を高めることに大きく貢献されていらっしゃることに対して、深く敬意を表しますとともに、今後県と連携し、その活動を広げていかれることを期待しています。
 また、今回の大会は、九州各県に組織されております患者会相互のネットワークを築くことも目的の一つとされていますが、九州は共通の生活圏であり、互いに交流を深め、連携できる体制が整えられていくことは、患者さん及びその御家族にとって大変有意義なことであり、このような取り組みが、ここ熊本で行われますことは素晴らしいことだと考えます。
 本日の大会では、「シンポジウム」「医療講演会」「座談会」と盛りだくさんの内容が予定されており、関係者の皆様方が一堂に会し、炎症性腸疾患にとどまらず難病に関するさまざまな御意見を交わされると思いますが、本日の議論をきっかけに、難病患者さんやその御家族の皆様方への支援の輪がますます広がるとともに、難病問題に対する取組がさらに発展することを期待しております。
 最後になりましたが、本日の大会の御盛会、並びに皆様方の御多幸を祈念いたしまして御挨拶といたします。
平成18年8月19日
 
<ご挨拶>
熊本県議会議長 松村 昭
 
 「IBD九州大会in熊本」が熊本県で開催されるに当り、九州各県からお越しいただきました皆様方を心から歓迎申し上げ、地元熊本県議会を代表して、一言お祝いを申し上げます。
 皆様方には、かねてより、難病患者の方々やそのご家族に対して、献身的な支援活動を行っておられますことに対し、衷心より経緯を表し、感謝申し上げます。
 さて、今日、難病を患っておられる方々は、精度の高い医療技術の開発や、治療費の負担軽減などを願いながら、日々、苦しい闘病生活を送っておられることと存じます。
 とりわけ、「IBD」の場合、患者の方々がお互いに悩みを相談しあい、共に連携を図るための全国組織が、これまで結成されていないと伺っております。
 そのような中で、本日は、九州各県のIBDの当事者団体の皆様方が一堂に会され、相互の理解を深め、九州内のネットワークの構築をめざして、本大会を開催されますことは、誠に意義深いことでございます。
 更に、本大会を契機として、九州のIBD患者の方々の連携の輪が広がっていくことを、切に願っております。
 本日は、この後、シンポジウムや講演等が予定されておりますが、どうか、実り多い大会となりますよう、心から期待いたしております。
 終わりに、皆様方の活動の更なる充実を祈念申し上げまして、祝辞といたします。
 
熊本県議会議員
厚生常任副委員長 池田和貴
 
 IBD九州大会がこのように開かれますことを心からお喜び申し上げます。中山会長を始めとするこの大会に携わられた皆様方のご苦労に対しまして深甚なる経緯を表します。この大会に参加されました皆様方から不勉強とお叱りを受けるかもしれませんが、正直申し上げまして、私もIBDという言葉すら知りませんでした。しかし、今回議長代理で挨拶することになり、私なりに資料を集め調査を行い、色々な方々からお話を聞いて、ようやく難病患者の方々のことやIBD患者の皆様のおかれている現状がわかりました。このような大きな大会が開催される事は大きな苦労を伴いますが、大会を開き、より多くの方々にIBDという病気の事や、患者の皆様方の持つ苦しみや悩みを知ってもらうことが意義あることではないかと思います。皆様方は難病と闘いながら、このような活動を行う事は大変であろうと思いますが、ぜひ継続してIBDという病気に対しての理解を広めていっていただきたいと願っております。私達県議会も、皆様方のご意見を十分に拝聴しながら、県議会での議論に生かしていきたいと考えております。本日は、九州大会が、この熊本の地で開催されるにあたり私たちにもご案内をいただきました事に感謝を申し上げご挨拶とさせていただきます。
 
<ご挨拶>
衆議院議員 木原 稔
 
 本日は、お足元が悪い中、IBDの「九州大会」が九州各地からお集まりいただいて開催される事を心からお慶び申し上げます。
 中山会長はじめ、関係者各位の皆様方、ご協賛ご協力を頂いている団体または企業の方々に、本当に敬意を表します。先程池田県会議員が言われたとおり、難病という問題、特にクローン病や潰瘍性大腸炎という病気は、まだまだ世間に認知されておりません。私も議員になるかならないかの時期にようやく勉強し始めたという始末であります。
 しかしながら、現実に多くの患者さんがいらっしゃいます。皆さんのように会員に登録されている患者さん方はまだマシなほうです。少なくとも社会にコンタクトを取る意思があります。ところが、声なき声といいますか、まだまだ世間一般に出て来られない方々も多数いらっしゃると伺いました。それはやはり、難病患者に対する社会的な認知がないからです。健常者の理解が伴っていないのです。ひょっとすると、自分の病気を公表する事で今働いている雇用を失うかもしれない、就職先を解雇されるかも知れない、そういう仕事に対する不安。または近所の人や地域の仲間に差別的な目で見られるかもしれない、そういう社会に対する不安。そのようなものがあって、なかなか手を上げて自ら名乗り出る方が少ないのかも知れません。
 5万人といわれるIBD患者がおります。多いか少ないかと言いますと、単体の病気としては間違いなく少ないといえます。ですから、多くの会員の方々が声を合わせなければならないと思います。私が政治家になって思うのは、限られた財源の中で一定の予算を確保するには、やはり声が大きい人が勝つ場合があるということです。残念なことではあるのですけども、「選択と集中」という言葉が頻繁に使用されている通り、財源を均等に割り振るといったことをせず、場合によっては、患者数が少ない病気は切り捨てられて損をするということです。
 ということは、すなわち皆さんの声を合わせないといけないのです。そういった意味でも、本日ここにIBDの「九州大会」が開かれる事は、とても大きな意義があるのです。それともう一つ付け加えるならば、言い方が少々悪いかもしれませんが、政治家を使わなければいけないなと思います。今日は県議会議員の池田先生も来ておられますし行政の担当者も来ています。私も同様に参加させていただいております。要望や陳情を、行政や政権与党議員にどんどん出してください。そして、今の皆さんの現状を真っ直ぐに訴えて頂きたい。そうすることによって、必ず政治家が動きます。政治家が動くと行政も動くし中央官僚も動きやすくなるのです。
 九州には、中央や地方行政にしっかりとしたパイプを持つ議員が数多く存在し、皆様方の幸福に直接つながっていくための良い環境があります。冒頭で申し上げましたように、「雇用の確保」が皆様方にとって一番に注目されると同時に、不安な面ではないかと思います。今後、私はそのような「環境作り」というものを、皆さんと一緒にやっていきたいと思います。また、先程申し上げた声なき声を一人一人拾っていく事が私の役目であると確信しております。本日の当会を基点に、ますますこの会が多くの方々に理解を得て発展していく事を心から祈念いたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。本日はお招きいただきまして誠にありがとうございました。


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