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●スタンプあそび
 大きな紙にスタンプをあちこち押してあそぶのは楽しいものです。スタンプはどんなものでも構いませんが、柄は子どもが握りやすいように工夫してあげましょう。紙の上に道を描いてあげて、そこをポンポンと続けて子どもにスタンプを押させれば、目で物を追ったり、目と手を協調させて使う練習にもなることでしょう。
●絵を描く
 家の中で絵の具を使わせるのはとても勇気がいることです。しかし、絵の具は色も鮮やかで、筆を使えば太い線になるので子どもの注意を手元へと向かわせてくれます。
 始めはふでをたたきつけるようにして点を描くだけかもしれません。そして左右を往ったり来たりするようななぐり描きをするようになるでしょう。そして、こういった経験の中でも手の機能は発達し、目による手の運動のコントロールも進みます。そして丸や線を描いたりするようになり、ゆっくりと筆を動かすことができるようになります。
 できるだけ経験させてあげたいあそびですが、とりかかる前に準備が必要です。例えば、
・床にビニールカーペットを敷きつめる
・子どもには汚れてもいいようなスモック等を着せる
・雑布を多めに用意する
・筆は子どもが握りやすい太さのものを選ぶ
といったことです。
 筆を持つことが難しい場合には、スポンジに絵の具をしみこませて描かせてあげてもよいでしょう。握る力が弱く筆が手の中で安定しにくい場合は、柄に薄いスポンジをまいてビニールテープでとめておくなど、柄を太くする工夫が有効です。これはフェルトペンや鉛筆等で描く場合でも同様です。もし、手の機能に障害があって、ギュッと握りこんでしまうために手元がよくみえないといった場合には、身近にいる作業療法士に相談してみて下さい。きっと子どもに合った自助具を考えてくれるでしょう。
<せんせいボード>(写真2-21)
 磁石の作用で繰り返し、描いたり、消したりできる市販のお絵描きボードです。下のレバーを左右に動かすと描いたものがすぐ消えます。まわりを汚す心配もなく、手軽にくり返し使えて便利です。丸・三角・四角のスタンプもついています。
 
写真2-21 せんせいボード
 
簡単に作れるおもちゃ
図2-7 踊り出る人形
 
踊り出る人形
(準備する物)
 トイレットペーパーの芯・布地(適宜)・のり・竹ひご・綿・マジック・針と糸
(作り方)
(1)人形の頭を作ります。綿を芯にして布をかぶせ、顔を描きます。頭に竹ヒゴを固定します。
(2)トイレットペーパーの芯に布をまきつけるように貼り、裾は糸でぬい絞っておきます。
(3)人形の頭に洋服を着せます。
(4)人形のついた竹ヒゴを(2)にさしこみ、洋服の裾を(2)の上端に内側で貼りつけます。のりがかわいたらできあがり。
 竹ひごを上下すると、洋服の長さの分だけ人形は筒の中を出たり入ったりします。
 
リング
 簡単に作れて応用しやすいものなのでいくつか作っておくと便利です。セロハンテープの芯などをとっておき、それにカラフルなビニールテープを巻けばできあがりです。芯の大きさによって大小様々なリングができます。
・あそび方の例として・・・ロープウェイごっこ
 1m程度の紐を2本とリングを5個用意します。1個のリングに2本の紐を通し紐の両端に各々リングを縛りつけます。お母さんが2本の紐の端のリングを左右の手に1個ずつ持ちます。紐のもう一端のリングを子どもに持たせます。お母さんが両手を広げると紐にかかったリングが子どもに向かって動きます。リングが子どもの手元についたら今度は子どもが両手を広げる番です。こうしてリングは行ったり来たりし、子どもはそのリングを目で追って楽しむことができます。
 
魚つり
 磁石のついたつり竿で魚をつり上げるゲームです。同種の魚を2個ずつ作っておけば形や色の弁別としてあそべます。つり竿を使いこなすには協調した目と手の動きが必要ですから、初めはお母さんが一緒につり竿を持ってやってあげるとよいでしょう。
(必要なもの)
つり竿
棒(30cm程度で握りやすい物)
たこ糸
磁石
ボール紙又は画用紙
クレヨン(色や模様をつける)
ゼムクリップ


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