島根学生災害(しまねがくせいさいがい)ボランティアネットワーク
島根県松江市
島根県内の大学生がボランティアネットワークを組織して新潟中越地震被災地を支援し、その後も内外被災地の支援活動や災害支援の啓蒙活動を継続して行い、同地域の災害時対策連絡会の発足や防災マニュアルの作成などのきっかけとなった。
推薦者:松江市 市民部市民活動推進課
Shimane Gakusei Saigai Volunteer Network Matsue City, Shimane Prefecture
The Shimane Gakusei Saigai Volunteer Network was started when university students in Shimane Prefecture organized a volunteer network to provide assistance in areas affected by the Niigata Chuestu Earthquake. The network continues to engage in support activities in disaster-affected areas both inside and outside Japan and to provide education on disaster support. Its activities caused the launching of a regional coordinating committee to handle countermeasures during times of emergency and the preparation of a disaster-prevention manual.
Recommended by: Citizens' Activities Promotion Office, City Residents' Department, Matsue City
島根学生災害ボランティアネットワークは、2003年10月に発生した新潟中越地震の被災地支援活動のために、島根大学と島根県立大学の学生が自発的に組織した任意団体である。両大学の教員と中間支援組織スタッフを世話人として、執行部学生数名を中心に運営され、街頭での活動費カンパや義援金募金、広報、ボランティアコーディネートなどを実施し、約40名の学生と数名の社会人が2班に分かれて新潟県川口町でのボランティアセンター運営や現場活動に携わった。この学生達の支援活動は、街頭カンパが市民の被災地への関心をつなぎ止め、学生は労力を県民は資金を出して事業を行うという市民活動のモデルケースを実現させた。また活動報告会をきっかけに県の消防防災課、NPO活動推進室、日本赤十字社などが連携して緊急時の対応を協議する連絡会を発足させ、出雲市での防災ボランティアによるパネルディスカッションや防災マニュアルの見直しなど、様々な呼び水効果をもたらした。また、これまで、災害支援や海外でのNGO活動などは、関心はあったが遠い場所での話、困難な話として諦めていた学生達にとって、このネットワーク発足が自己実現の機会となった意義も大きい。
当初は新潟での一過性の活動を行うことを目的に作られた組織であったが、2004年1月の総会で活動の継続実施が確認され、以後、スマトラ沖大地震、ジャワ島中部地震、福岡西方沖地震に際しての募金活動、タイ王国ピピ島での被災地支援、新潟やスマトラ沖地震の写真展や映画上映会・講演会等の開催、県内小中学校の児童・生徒を対象にした震災やボランティアについての講演などを実施してきた。街頭募金や映画上映会等は、被災地から離れた地域で風化しやすい災害を記憶に留める効果をもたらした。また特に学校からの講演依頼が急激に増え、災害支援の普及啓発活動に発展している。同ネットワークでは、今後日本赤十字社島根支部や県内企業と連携して防災ボランティアリーダー養成や防災マニュアルの作成を行うことなどを計画しており、また資金カンパ活動を継続して今後の有事に備えるとしている。
受賞の言葉
まずはじめに、これまで支援してくださった全ての皆様に心から感謝申し上げます。
私たちは、「自分たちにできること」を、ただ単純に実行してきたに過ぎません。また経験もお金もなく、至らない点が多々あったことと思います。
今後も被災者(地)への活動を続け、「21世紀若者賞」の名に恥じぬよう努力してまいります。
被災地に向けての募金活動
各地でのボランティア活動
各地でのボランティア活動
被災地に向けての募金活動
吉田 浩美(よしだ ひろみ)
(昭56.7.22生)大阪府大阪市
戦争で飢餓や食料問題を抱えている国や地域への支援に、自らの専門を生かしてデザインしたTシャツの購入即支援になるというユニークなシステムを考案・実施して、普段は無関心な若者の目を世界の戦争と飢餓の問題に向けさせている。
推薦者:井上 雅人
Ms. Hiromi Yoshida (born July 22, 1981) Osaka City, Osaka Prefecture
Ms. Yoshida devised and implemented a unique system that supports the immediate sales of T-shirts she designed using her own talents as a way of supporting countries and regions that are gripped with war-caused hunger and food problems. Through these activities, she is drawing the attention of young people who ordinarily have no interest in such matters to the problem of war and hunger.
Recommended by: Mr. Masato Inoue
吉田さんは、京都造形芸術大学空間演出デザイン学科ファッションデザインコースの卒業制作で自分が表現すべきものを模索していた。当時、日本ではイラクに自衛隊を派遣する準備が進められ、毎日TVで戦争の激化により住む家を失ったイラク人家族や明日食べるものさえままならぬ子供達の姿が報道されていた。それを見た吉田さんは、同じ時代と時間を共に生きる仲間として、家族や友達を助けるように遠くの国で苦しんでいる人達に何かできないかと考えた。そこで思いついたのが、自分が学んできた「ファッションデザイン」の手法を使って、同世代の若者がおしゃれに、手軽に献金出来るシステム『プチボラ』であった。
プチボラとは、吉田さんが制作したTシャツを買うことが同時に募金に応じることになるシステムである。Tシャツには、飢餓や食糧問題を抱える5つの国や地域(インド、インドネシア、バングラディシュ等)で採れる5種類の穀物や果物(リンゴ、マンゴスチン、マンゴー等)がデザインされている。吉田さんはこのプロジェクトを実現すべく、国連世界食糧計画(WFP)の事務所を訪ね、WFPが70カ国を対象に実施している学校給食プログラムを通して寄付する体制への協力を取り付けた。また、その間に自費でインドを視察し、関西一円の大学から仲間を募り、販売するTシャツのデザインを共に考え、全てを手刷りで製作し「国連世界防災会議 総合防災展」、「大阪ビジネスパークフリーマーケット」、「京都造形芸術大学卒業制作展」で販売した。その売上は、戦争で家を失った家族や明日食べるものもない子供達に贈られた。
吉田さんのプチボラプロジェクトは、寄付活動を楽しく気軽にできる買い物と組み合わせ、購入者がお気に入りのTシャツを着用することで多くの人に食糧問題を理解してもらい宣伝もできるというユニークなものである。堅苦しくなりがちな深刻な問題をファッショナブルに仕上げることで、普段このような問題に無関心な多くの若い人々に世界が抱える問題を訴え、関心を拡げようとする点において、これまでにない国際協力・支援の形といえる。
受賞の言葉
この度は、賞に選出して頂き誠にありがとうございました。
社会情勢に対して、「私に何ができるか」という気持を大切に活動を行って参りました。
そして様々な方と出合い、ご協力して頂いた事で、考案から実行に至りました。
これからも発足した時の気持を持ち続けて、取り組んで参りたいと思います。
国連防災世界会議総合防災展でのPR
京都造形芸術大学卒業制作展にて
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