| (6)加熱試験結果の判定  絶縁抵抗試験、加熱試験の結果、絶縁抵抗の低下はなく、電線内部の目視でも特に異常は見られなかった。電線の許容温度として、「日本電線工業会規格(JCS168E)電力ケーブルの許容電流」には下記のように決められている。 (1)連続許容温度(連続的にその温度に曝される場合) ビニル 60℃ ポリエチレン(同軸ケーブルの絶縁体) 75℃ エチレンプロピレンゴム(EPゴム) 80℃ (2)短時間許容温度(頻度が年に数回、継続時間が数時間の場合) ビニル 70℃〜75℃ ポリエチレン(同軸ケーブルの絶縁体) 85℃〜90℃ エチレンプロピレンゴム(EPゴム) 90℃〜95℃ (3)短絡許容温度(数秒以内) ビニル 120℃ ポリエチレン(同軸ケーブルの絶縁体) 140℃ エチレンプロピレンゴム(EPゴム) 230℃  今回の加熱試験で各々の最高温度を取り出してみると次の表7.5.2(6)の通りとなる。   表7.5.2.(6) 加熱試験時の最高到達温度(℃) 防食層なし電線   防食層付き電線    今回の加熱試験の加熱時間は最大40秒、また、80℃以上になっている時間も最大5分程度なので、上記(1)(2)(3)の内では(2)と(3)の(3)寄り位で見てもよいと思われる。  上記(1)(2)(3)については電気的な規定で、機械的な規定はない。したがって、ビニルシースは許容温度の規定はない。    以上の事から、総合的に判断すると、絶縁抵抗も良く、温度的にも、目視的にも悪いところはなく、加熱試験的には問題ないと判断される。   7.6.1 防水試験  結果を表7.6.1に示す。  防食層付き電線は全数とも浸水は見られなかった。  防食層無し電線は浸水したものがあり、特にSGP-40パイプを使用したものは浸水の度合いも多いものであった。  また、防食層無し電線にブチルゴムを塗布したものを試験したが、微量の浸水があったものが見られた。  浸水の状況を写真7.6.1a〜写真7.6.1cに示す。   写真7.6.1a 浸水状況(微量の浸水)   写真7.6.1b 浸水状況(中位の浸水)   写真7.6.1c 浸水状況(多量の浸水) |