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本制度のポイント
・対象者の処遇を裁判所が決定
→医療者は裁判官をはじめとする第三者に対して明解な説明を行うことを要求される
 
・標準的な治療計画による医療の実施
→全国統一基準で比較されることにより、指定医療機関の医療の質の向上が促される
 
・地域処遇は現行の精神保健福祉と医療観察法による処遇を併用
→対象者の地域処遇には一般精神医療と障害者福祉の充足が必須である
 
対象者の病名
 
 心神喪失等の状態で重大な他害行為(殺人、放火、傷害致死、強盗等)を行った者の傷害別内訳
 
統合失調症(旧精神分裂症) 64.0%
気分障害(そううつ病など) 8.0%
アルコール中毒 6.2%
覚せい剤中毒 3.1%
(平成9〜13年)
 
審判のイメージ
 
審判の結果
・医療を受けさせるために入院をさせる旨の決定(入院処遇)
・入院によらない医療を受けさせる旨の決定(通院処遇)
・この法律による医療を行わない旨の決定(不処遇)
 
例外:裁判官による、申立ての却下(対象行為の不在・完全責任能力・不適法な申立て)または心神耗弱認定
 
審判におけるポイント
・対象者の性質
→本法の対象者は「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者」であり、いわゆる処遇困難者と言われている患者のイメージとは無関係
 
・目標は社会復帰
→「再犯のおそれ」や「漠とした危険性」を評価することは行わない
 行った他害行為の内容ではなく、医療の必要性について評価し処遇を決定
 
対象者の病状に応じた治療プログラムに基づく医療提供
 
入院処遇のポイント
(1)適切かつ効率的な専門医療を提供する
 薬物療法は多剤併用を避け、精神療法は認知行動療法を中心とするなど、現在入手できる最良のエビデンスに準拠するとともに、クリティカルパスの視点を導入
 
(2)多職種チームによる手厚い医療を行う
 医師、看護師をはじめ、作業療法士、精神保健福祉士、臨床心理技術者がそれぞれの職能を発揮し、多職種チームによる治療計画を策定
 
(3)再発予防も含め、対象者が様々な問題を前向きに解決する意欲や社会で安定して生活する力を高める
 ICFと互換性を有する共通評価項目を策定し、社会復帰要因を様々な角度から評価、「怒りのマネジメント」といった自立支援的視点による医療をも提供
 
(4)医療の質を確保する組織形態を整備する
 外部要因を含めた倫理会議、外部評価会議、地域連絡会議を設置
 
通院処遇のポイント
(1)通院医療は地域における処遇の一部である
 指定通院医療機関による医療は、保護観察所がとりまとめる処遇の実施計画に基づき行われるもの
 
(2)対象者の病状に応じた専門的な医療を提供する
 訪問看護やデイケア、集団療法等の組み合わせによる医療提供と、多職種による継続的な病状評価を実施
 
(3)対象者の一時的な症状悪化に対し、入院医療を提供することも想定する
 精神保健福祉法と医療観察法の双方の円滑な活用による危機介入
 
(4)他の医療・保健・福祉の社会資源との連携を図る
 居住地の社会復帰調整官をコーディネーターとして、地域の社会復帰施設や保健所・精神保健福祉センター等の行政機関との有機的な連携を確保
 
各種ガイドラインについて
(1)地域社会における処遇のガイドライン
 対象者の社会復帰を支援すべき関係機関の役割分担等について記載したもの。
作成:法務省保健局及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部
 
(2)入院処遇ガイドライン
 指定入院医療機関において提供すべき医療内容等について記載したもの。
作成:厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神保健福祉課
 
(3)指定入院医療機関運営ガイドライン
 指定通院医療機関を運営するに当たり必要な事項等について記載したもの。
作成:厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神保健福祉課
 
(4)通院処遇ガイドライン
 指定通院医療機関において提供すべき医療内容等について記載したもの。
作成:厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神保健福祉課
 
(5)指定通院医療機関運営ガイドライン
 指定通院医療機関を運営するに当たり必要な事項等について記載したもの。
作成:厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神保健福祉課
 
医療観察法と精神保健福祉法との関係
 
制度の抜本的改革と医療観察法
〜精神障害者の社会復帰・地域生活確保に向けた相互作用〜
 制度の抜本改革を着実に実施する中で、精神障害者の社会復帰を目指す医療観察法の適切な運用を図り、精神障害者の地域生活を確保


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