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NIDSと陰性症状
Neuroleptic-Induced Deficit Syndrome(NIDS)
NIDS 陰性症状
覚醒レベル 眠気 注意障害
認知機能 考えの遅れ
注意の集中困難
無論理
会話の貧困
意欲 活力減退 意欲減退
感情 平板化
無関心
鈍麻
情動 感受性低下 減退
動機づけ 快感喪失
欲動の減退
意志発動の減退
快感喪失
社会的欲動の喪失
興味の消失
(Schooler NR 1994を改変)
NIDS: 定型抗精神病薬で生じる不注意、無関心、過度の鎮静といった認知障害を言う
 
統合失調症の認知障害と服薬管理
一度にたくさんの課題に直面すると混乱する
指示はそのつど、ひとつひとつ具体的に
 
→注意・処理容量の狭さ
 
あいまいな状況が苦手
話や行動に接穂がなく唐突
 
→情報の文脈的処理の障害
 
自分中心にものごとを考えがち
全体の把握が苦手で、自分で段取りをつけられない
 
→セルフ・モニタリングや行動の枠組み作りが下手
 
●精神病の症状論←診断学・疾病学の見地から
陽性症状
陰性症状
 
●精神障害の障害論←治療学・リハビリテーションの見地から
機能障害
生活障害
社会的不利
 
Tulvingによる記憶の階層システム
 
統合失調症と記憶システム
1. 手続記憶
 他の記憶システムが障害されている場合でも、手続記憶の学習は保たれている。
2. 知覚表象システム(PRS)
 知覚的プライミング効果は健常被験者と比べ同程度か、より増強している。
3. 意味記憶
 障害されている。新しい知識を意味ネットワークに組み込む際に、効果的に体制化することが出来ず、このため検索時に長期記憶からうまく情報を取り出せない。
4. 一次記憶
 障害されている。特徴的な症状である弛緩した連想や思考の不統合は、作働記憶が障害されているためと考えることも出来る。
5. エピソード記憶
 障害されている。生活史の時間的順序づけが混乱。経験していないことを経験したと誤認。
 
ワーキングメモリーの模式図
 
 


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