非定型抗精神病薬と肥満
抗精神病薬の副作用
van Kammen DP, 日本神経精神薬理学会, 仙台, 2000
'Aftar Casey D, 1996; 'Hägg S et al., 2000; Wirshing DA et al., 1998
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精神障害と肥満
■1920年代
□クレッチマー・双極性障害と肥満体系との親和性を指摘
■1950年代
□薬物療法が導入された頃より肥満の報告
■近年(海外研究*)
□統合失調症の40-60%に肥満が認められる
□女性に多い
*Allison DB, et al: The dietribution of body mass index among individuals with and without schizophrenia. J Clin Psychiatry 60:215-220,1999
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肥満が注目されなかったのはなぜか
■他の重篤な副作用と比較すると、緊急性が低い
■そもそも副作用なのか?
■体重増加は精神症状の改善と相関がある
↓
■非定型抗精神病薬が従来薬に比べ体重増加や肥満を高度に誘発しやすい
■かつ、耐糖能異常や高脂血症を引き起こしやすい
向精神薬と肥満
■患者の25〜50%に出現
■投与開始後約6ヶ月以内に始まる
■多くは一過性でおおよそ1年後にはプラトーに達する
■減少するものもある
■精神障害者の中には生活習慣の乱れとあいまって著しい肥満に発展することがある
今日の精神障害において肥満は重要なケアの課題
■服薬に対するコンプライアンスを減じ、治療中断を招きやすい
■2型糖尿病、高脂血症、高血圧、心臓病などの生活習慣病のリスクを高める
分裂病治療で考えられる重篤な身体合併症のリスクファクター
Kawachi I, J Clin Psychiatry, 60(Suppl.21):5-9, 1999
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向精神薬による肥満の発生機序
■鎮静および口渇
□活動性の低下と消費カロリー減少
□抗コリン作用による口渇
■食欲亢進作用
□症状改善による食欲亢進
□向精神が摂食中枢と満腹中枢に作用
■モノアミン・ニューロン系(β受容体、5HT1A受容体、5HT2A受容体、5HT受容体2C)
■ヒスタミン・ニューロン系(H1受容体)
■内分泌系(D2遮断による高プロラクチン血症)
■神経ペプチドとサイトカイン
ソフトドリンクケトーシスの成因分類上の位置付け
各薬剤の主な違い
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リスバダール |
ルーラン |
セロクエル |
ジプレキサ |
適応症 |
統合失調症 |
統合失調症 |
統合失調症 |
統合失調症 |
用量 |
2-8mg:12mg |
12-48mg |
150-600mg:750mg |
5-10mg:20mg |
用法 |
一日2回 |
一日3回 |
一日2回〜3回 |
一日1回 |
主要な副作用 |
錐体外路系副作用 |
錐体外路系副作用 |
錐体外路系副作用 |
錐体外路系副作用 |
添付文書 |
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糖尿病禁忌 |
糖尿病禁忌 |
製剤 |
1、2mg錠、細粒
内用液剤 |
4、8mg錠 |
25、100mg錠 |
2.5、5、10mg錠
細粒 |
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体重および糖尿病に対する治療アプローチ、 脂質モニタリング、 ならびに介入・・・Henderson |
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Henderson DC, Curent Diabetes Reports; 2:135-140, 2002.
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