バリアフリー化のねらい |
標準仕様 |
目的 |
部位 |
方策 |
2005年以降標準仕様 |
乗降し易さに対する配慮 |
乗降口 |
段差の明示 |
(1)乗降口の端部は路面と明確に識別する。
(2)乗降口にステップ照射灯などの足下照明を設置し、夜間の視認性を向上させる。
|
広い開口幅 |
(1)車いすを乗降させる乗降口の有効幅は900mm以上(小型は800mm以上)とする。
(2)大量乗降を想定する車両の場合には、乗降口の有効幅は1000mm以上とする。
|
低いステップ高さ |
(1)乗降時のステップ高さは270mm以下とする。
(2)傾斜は極力少なくする。
|
手すりの設置 |
(1)乗降口の両側(小型では片側)に握り易くかつ姿勢保持し易い握り手を設置する。
(2)乗降口に設置する握り手の太さは25mm程度とする。
(3)握り手の表面は滑りにくい素材や仕上げとする。
|
移動しやすさに対する配慮 |
低床部通路 |
フラットかつ広い通路幅を確保 |
(1)乗降口付近を除く低床部分の通路には段差やスロープを設けない。
(2)車いすが移動する部分の通路幅は800mm以上とする。
(3)小型バスを除き、低床部の全ての通路幅を600mm以上とする。(ただし、全幅が2.3m級以下のバスであって、構造上、基準を満たすことが困難なものについてはやむを得ない。)
|
床 |
滑りにくい表面 |
(1)床は滑りにくい材質または仕上げとする。
|
後部段差 |
安全に配慮 |
(1)段差の端部は周囲の床と明確に識別する。
(2)低床部と高床部の間の通路に段差を設ける場合には、その高さは1段あたり200mm以下とする。
(3)低床部と高床部の間の通路にスロープを設ける場合には、その角度は5度(約9%勾配)以下とする。
(4)スロープと階段の間には300mm程度の水平部分を設ける。
(5)段差部に手すり等をつける。
|
手すり |
伝い歩きできる間隔 |
(1)高齢者、障害者などの伝い歩きを考慮した握り棒や手すりなどを設置する。
(2)車いすスペースについては、車いすの移動に支障をきたさないように握り棒や手すりなどを配置する。
(3)縦握り棒は、座席2列(横向きの場合は2席)ごとに1本配置する。
(4)車いすスペースについては、吊り革などを併用する。
(5)タイヤハウスから優先席周辺まで高さ800mm程度の位置に水平手すりを設置する。
|
握りやすい形状 |
(1)握り棒や手すりは、乗客が握り易い形状とする。
(2)握り棒や手すりの太さは30mm程度とする。
|
わかりやすさへの配慮 |
車内表記 |
わかりやすい表記 |
(1)車内表記は、わかり易い表記とする。
(2)車内表記は可能な限りピクトグラムによる表記とする。
(3)ピクトグラムおよびその大きさは添付図を参照する。
(4)余り浸透していないピクトグラムについては、当面最小限の文字表記を併用する。
|
降車ボタン |
位置の統一 |
(1)降車ボタンはわかり易く押し間違えにくい位置に設置する。
(2)視覚障害者に配慮し、押しボタンの高さを統一する。ただし、優先席および車いすスペースに設置する押しボタンはこの限りではない。
(3)縦握り棒に配置する押しボタンは、床面より1400mmの高さとする。
(4)座席付近の壁面に配置する押しボタンは、床面より1200mmの高さとする。
|
車いす使用者への配慮 |
スロープ板 |
容易に乗降できるスロープ角度 |
(1)車いすを乗降させるためのスローブ板の幅は800mm以上とする。
(2)地上高150mmのバスベイより車いすを乗降車させる際のスロープ板の角度は7度(約12%勾配)以下とし、長さは1050mm以下とする。
(3)スロープ板の表面は滑りにくい材質もしくは仕上げとする。
(4)スロープ板は、容易に取り出せる場所に格納する。
|
車いすスペース |
2脚分確保 |
(1)バスには2脚分以上の車いすスペースを確保する。
(2)車いすを取り回すためのスペースが少ない小型バスなどの場合は1脚分でもやむを得ない。
(3)ただし、車いすでの利用者の頻度が少ない路線にあっては1脚分でもやむを得ない。
|
乗降口近くに設置 |
(1)車いす使用者がバスを利用し易い位置に車いすスペースを設置する。
(2)乗降口から3000mm以内に設置する。
|
取り回しできる広さ |
(1)車いすスペースは、車いすが取り回しできる広さとする。
(2)車いすを固定する場合のスペースは1300(長さ)×750(幅)×1300(高さ)mm以上とする。ただし2脚の車いすを前向きに縦列に設ける場合には2脚目の長さは1100mm以上で良い。
(3)後向きに車いすを固定する場合には、車いすスペース以外に車いすの回転スペースを確保する。
|
迅速な固定装置 |
(1)車いす固定装置は、短時間で確実に車いすが固定できる構造とする。
(2)前向きの場合は3点ベルトにより床に固定する。
(3)後向きの場合は背もたれ板を設置し、横ベルトで固定する。
|
安全ベルトの着用 |
(1)前向きの場合には3点ベルト式固定装置付属の人ベルトを装着する。
(2)後向きの場合には、車いす用姿勢保持ベルトを用意しておき、希望によりこれを装着する。
|
手すりの設置 |
(1)車いす使用者がバス乗車中に利用できる握り手または手すりを設置する。
|
専用降車ボタン |
(1)車いす使用者が容易に使用できる押しボタンを設置する。
(2)押しボタンは手の不自由な乗客でも使用できるものとすること。
|
聴覚障害者への配慮 |
車内表示装置 |
文字による次停留所案内 |
(1)乗客が次停留所名等を容易に確認できるよう次停留所名表示装置を車内の見やすい位置に設置にする。
(2)表示装置は大きな文字で表示し、ひらがなおよび英語を併記または連続表示する。
(3)次停留所名だけは、可能なかぎり前部以外の場所にも表示する。
|
車外表示装置 |
文字による行先案内 |
(1)行先、経路、系統、車いすマーク等は、車外の乗客から容易に確認できるようにする。
(2)表示機は夜間でも視認可能なものとする。
(3)寸法は300×1400(前方)、400×700(側方)、200×900(後方)mm以上(ただし、2m幅の車両の場合は125×900(前方および後方)、180×500(側方)mm以上)とする。
(4)LED表示機の場合は直射日光のもとでも視認可能なものとする。
(5)大きな文字で表示し、ひらがなおよび英語を併記または連続表示する。
|
視覚障害者への配慮 |
車内放送装置 |
次停留所等の案内放送 |
(1)視覚障害者などでも容易に次停留所、乗り換え案内などの情報が車内で得られるようにする。
(2)バスに備えられている車内放送設備により次停留所、乗り換え案内などを繰り返しおこなえるようにする。
|
車外放送装置 |
行先、経路等の放送 |
(1)車外の乗客とバス乗務員とが容易に情報交換できるようにする。
(2)バスに備えられている車外放送設備により、行き先、経路等の案内を繰り返し行えるようにする。
|
車内誘導 |
点字表記 |
(1)車内の誘導を行うため、握り棒等に点字の表記を行うことが望ましい。(将来の開発普及目標仕様)
|
高齢者への配慮 |
優先席 |
乗降口近くに配置 |
(1)優先席は乗降口に近い位置に3席以上(中型では2席以上、小型では1席以上)設置する。
|
立ち座り易さを向上 |
(1)優先席は対象乗客が安全に着座でき、かつ立ち座りに配慮した構造とする。
(2)乗客の入れ替わりが頻繁な路線では、優先席は少し高め(400〜430mm)の座面とする。
|
操作しやすい押しボタン |
(1)優先席には、乗客が利用し易い位置にわかり易い押しボタンを設置する。
(2)押しボタンは手の不自由な乗客でも使用できるものとする。
(3)乗客が体を大きく捻ったり、曲げたりするような位置への降車ボタンの配置は避ける。
|
運賃箱 |
わかりやすく使いやすく |
(1)運賃箱は、乗客に利用し易い形状とし、乗客の通行に影響を与えない位置に設置する。
(2)釣銭受け皿等、低い位置に設置する場合は床から600mm以上の位置に設置する。
(3)運賃箱は、投入口、釣銭受け皿、両替機、カード挿入口等がわかりやすい案内表示をつける。
|
室内色彩 |
白内障や色覚障害者に配慮 |
(1)座席、握り棒、通路および注意箇所などは高齢者や視覚障害者にもわかり易い配色とする。
(2)高齢者および色覚障害者でも見えるよう、握り棒、押しボタンなど、明示させたい部分には朱色または黄赤を用いる。
(3)天井、床、壁面など、これらの背景となる部分は座席、縦握り棒、通路及び注意箇所などに対して十分な明度差をつける。
|