わたしたちと環境
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人間もふくめ地球上のあらゆる生物は、太陽、空気、水、土などの自然と深いつながりをもって生きています。きれいな空気や海・川をとりもどし、緑を守り、育てるなど、自然と生物のバランスのとれた環境をつくりだしていくことが大切です。
地球に人類が誕生して数百万年。この長い時間、人間は地球の自然とともに生きてきました。豊かな自然があったからこそ人間は生きてこられたのです。しかし、人間が資源やエネルギーをたくさん使う生活をするようになった、わずかこの200年の間に、地球の環境は悪くなってきています。今、かけがえのない地球を守り、よりよい環境を未来に残すために何ができるか、考えてみましよう。
●地球温暖化
資源やエネルギーの大量消費によって、大気中に二酸化炭素など温室効果ガスが増え、地球の熱が宇宙に逃げにくくなり、気温が上昇する温暖化が心配されています。このままでは21世紀末までに平均気温が今より約3℃上がり、生物や農作物への影響や海水の膨張、氷の融解による海面の上昇で陸地の水没などの被害が予測されています。
●海洋汚染
海難事故による油の流出、ブラスチックや発泡スチロールなどのゴミ、そして有害化物質による海洋汚染が進んでいます。北海で死んだアザラシから、PCBや水銀、カドミウムなど150種類もの有害物質が検出されたこともあります。雨は大気の汚れを、川は陸の汚れを海にもたらし、海に住む生物の命と漁業を通じて人間の食生活をもおびやかしています。
●熱帯林の減少
二酸化炭素を吸収して、酸素を作る重要な働きをし、気候を安定させる役目を果たしている熱帯林が開発、焼き畑、木材の伐採などで、どんどん減っています。世界の野生生物種の約半数が生息している熱帯林の減少はそのまま野生生物の減少にもつながり、1981年から90年では、毎年約1540万ha、日本の約4割の広さの熱帯林がなくなってしまいました。
●世界各地の公害
急激な工業化に対する公害防止対策の遅れ、都市への人口集中などが深刻な大気汚染、水質汚濁などを引きおこし、開発途上国を中心に多くの国で、人々の生活をおびやかしています。
●オゾン層の破壊
太陽からの有害な紫外線を吸収して生物を守ってくれるオゾン層が地球をおおっています。これを人間の作ったフロン、ハロンなどの化学物質が壊しており、このためオゾン層が薄くなって、地上に届く紫外線が増えると皮膚ガンや白内障の増加、また農作物への悪影響など、さまざまな被害が予想されています。
●酸性雨
工場からのばい煙や車の排気ガスに含まれている硫黄酸化物や窒素酸化物が原因で、強い酸性の雨が降っています。これによって森林が枯れ、湖沼の生物が死滅、建物や遺跡の腐食などの被害が出ており、これらの汚染物質は気流に乗って遠くまで運ばれるため、被害は広範囲に及びます。
●砂漠化
気候の変化や過剰な家畜の放牧、樹木の伐採などが原因で、士地が砂漠のようにやせた状態になる砂漠化が、地球上の全陸地の約4分の1(約36億ha)の地域で進んでいます。
●野生生物種の減少
人間による開発や環境汚染からの生息環境の破壊、乱獲などによって、このままでは2000年までに毎年約4万種の生物が絶滅の危機に瀕しています。
●有害廃棄物の越境移動
工場などから出る有害な廃棄物は責任を持ってきちんと処理するのが当然なのですが、量が多すぎる、費用が高いなどの理由で、国内で処理しきれず、国外へ移動することがあります。ところが移動先での処理不十分や不法投棄によって深刻な環境汚染を引きおこすことがたびたびあります。
海を汚す原因としては、油によるもの、油以外のもの、赤潮などがあります。油による汚染は船舶からの油廃棄物が多いのですが、最近では減少しつつあります。また、漂流や漂着物の70%が発泡スチロールやビニールなどの石油化学製品です。油以外の汚染や赤潮などの原因の大半が陸上にあって、川から海へ流れ込んでいるのです。
今、川や海で問題になっているのは有機物による汚れです。有機物は炭水化物や脂肪、蛋白質など生物の栄養源となるものですが、たくさん流れ込むと川は汚れて黒く濁り、悪臭を放つようになります。川には川自身がきれいにする自浄作用がありますが、汚れが多くなって水の中の酸素がなくなると、汚れを食べてくれる好気性微生物も生きられなくなって自浄作用が働らかなくなります。これにかわって酸素がなくても生きる嫌気性微生物が増えて汚れを食べるようになるのですが、この時、硫化水素やメタンガスなどを発生し、魚の住めない汚れた川となって、そして海も汚します。
では、川や海を汚しているのは何なのでしょうか。工場などの排水が汚していると思われがちですが、実は、わたしたちの生活から出る生活排水が汚れの大きな原因なのです。
生活排水とは、台所、トイレ、風呂、洗たくなどの日常生活からの排水のことで、この中からトイレの排水を除いたものを生活雑排水といいます。トイレからの排水は処理されないで川や海に流れ込むことはまずありませんが、生活雑排水は下水道が普及していない地域では、処理されないで川や海に流れ込みます。
もし、これだけのものを水に流したら
魚が住める水質(BOD 5mg/ )にするために必要な水の量は
・・・風呂おけ(300 )何杯分?
(国立環境研究所調べ)
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BOD: 生物化学的酸素要求量、微生物が有機物を食べるときに必要な酸素の量で汚れの度合いを表わす。数字が大きいほど汚れていることを示し、魚が生息できるBOD濃度は5mg/ 以下、悪臭が発生し始める濃度は10mg/ といわれている。
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