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北方四島関連年表(つづき)
年号
西暦
月日
出来事
備考
昭和二〇 一九四五 二月一一日 「ヤルタ協定」署名 ソ連の参戦と引き換えに千島列島をソ連に渡すことを定める。
七月二六日 「ポツダム宣言」署名。 カイロ宣言の領土不拡大の原則を継承することを定める。
八月八日 ソ連が「日ソ中立条約」を破棄し、対日宣戦布告。
八月九日 ソ連軍が満州・樺太方面に進撃開始
八月一四日 日本、ポツダム宣言を受諾。
八月一五日 太平洋戦争終結。
八月一八日 ソ連軍が占守島に上陸、日本軍は応戦
八月二三日 局地停戦協定締結
八月二八日 ソ連軍、択捉島に上陸
九月一日 ソ連軍、色丹島に上陸
九月二日 ソ連軍、国後島、多楽島、志発島に上陸
九月三日 勇留島、水晶島に上陸
九月五日 北方領土占領完了
昭和二一 一九四六 ソ連、南樺太、千島列島(北方領土を含む)をソ連領に編入。 効力発生を昭和二〇年九月二〇日に遡及。
二月一一日 「ヤルタ協定」発表。
昭和二六 一九五一 「サンフランシスコ平和条約」調印(ソ連は調印を拒否)。
南樺太及び千島列島を放棄。
日本が放棄した千島列島には、我が国固有の領土である北方領土は含まれていない。
昭和三一 一九五六 「日ソ共同宣言」調印(鳩山総理・ブルガーニン最高会議幹部会議長)。 日ソの国交回復後、平和条約締結交渉を継続すること及び歯舞群島、色丹島を平和条約締結後に日本に引き渡すことに合意。
昭和四八 一九七三 「日ソ共同声明」書名(田中総理・ブレジネフ書記長)。 戦後の未解決の問題を解決し、平和条約締結のための交渉を継続することを確認。
昭和五六 一九八一 北方領土の日(二月七日)設定。
平成三 一九九一 「日ソ共同声明」に署名(海部総理・ゴルバチョフ大統領)。 北方四島の名前を列挙して、四島の帰属が平和条約において解決されるべき領土問題の対象であることを初めて文書により確認。
平成五 一九九三 「東京宣言」に署名(細川総理・エリツィン大統領) 北方四島の名前を列挙して、四島の帰属問題を歴史的・法的事実に立脚し、両国間で作成された諸文書及び法と正義の原則を基礎として解決することにより、平和条約を締結するための交渉を継続することを確認。
平成九 一九九七 「クラスノヤルスク合意」(橋本総理・エリツィン大統領)。 東京宣言に基づき、二〇〇〇年までに平和条約締結に全力を尽くすことを確認。
平成一〇 一九九八 「川奈合意」(橋本総理・エリツィン大統領)。 東京宣言に基づき北方四島の帰属問題を解決し、二十一世紀に向けての日露の友好協力に関する原則等を平和条約に盛り込むことを合意。
「モスクワ宣言」に署名。(小渕総理・エリツィン大統領)。 東京宣言、クラスノヤルスク合意、川奈合意に基づき平和条約の締結に関する交渉を加速することを確認。
平成一三 二〇〇一 「イルクーツク声明」暑名。(森総理・プーチン大統領)。 一九五六年の日ソ共同宣言が平和条約交渉の出発点を設定した基本的な法的文書であることを確認し、その上で、東京宣言に基づき北方四島の帰属問題を解決することにより平和条約を締結するための交渉を促進することを確認。
平成一五 二〇〇三 「日ロ行動計画」著名(小泉首相・プーチン大統領)。 日ソ共同宣言、東京宣言、イルクーツク声明等を特記し、北方四島の帰属問題を解決することにより平和条約を締結するための交渉を加速することを確認。
平成一七 二〇〇五 「日露修好百五十周年・戦後六十年の記念事業」実施。
参考資料 社団法人千島歯舞諸島居住者連盟発行「思い出のわが故郷 北方領土(返還運動編)」
 
編集後記
 北方四島元島民の方々のお話を聴いていると、ある共通点に気付きます。それは、豊かな地域コミュニティ。
 お互い協力し支え合い、収穫を共にする。時代背景もあるでしょうが、北方四島での暮らしにおいてはとくに濃密であると思いました。私たちは全国の高齢者から話を聴いてきましたが、これだけ豊かなコミュニティには遭遇したことがありません。これはきっとこの地の厳しい自然と漁業という生死を賭けた生業という側面がもたらしたのだろうと、聴き取りをまとめながら気付きました。
 また、北方の島々へは内地からの移住者がほとんどで、気概を持った若い人がパイオニアとなって島に移ってきました。今回インタビューした方はその二代目、三代目にあたる方がいます。彼らは自らの目で父祖の労苦を見ていたわけです。その苦労の結晶が一夜にして侵攻軍の手に落ち、先祖伝来の地を追われたのです。
 北方四島元島民の方々の言葉から、今私たちが失いつつある価値観を見出すことができます。
 それは、先祖から子孫への「継承」。日本人の使命とも言うべき「継承」が自分の代で為し得なかった人たちの慟哭を私たちは汲み取ることはできるでしょうか?
 北方領土問題に対する姿勢は、私たち日本人に突きつけられた踏み絵なのです。
(今井孝)
 
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