日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 教育 > 成果物情報

マンガフォーラム「知識教育とイメージ教育の両立」?第6回“NHK子どもがつくるキャラクター・課外授業ようこそ先輩より”?

 事業名 基盤整備
 団体名 東京財団政策研究所 注目度注目度5


質疑応答
 
 谷川――フロアの方々から、本日のゲストの方々にご意見、ご質問があれば伺いたいと思います。
 
 参加者2――矢口さんのお話は面白かったんですが、今インターネットが盛んになってきて、コンピュータのモニターの中でマンガを見る状況が生まれてきています。そこで、モニターの中でのマンガのフォーマットはどういうものが理想かと、よく考えるのです。絵の構図とは別に、言葉は横書きにするか縦書きにするか。インターネットは基本的に横書きなんですが、日本のマンガは縦書きです。その壁をどうクリアしてマンガの形式をインターネットにはめ込むのがいいのかということです。できるならそれをグローバルなもの、世界で通用するスタイルにすべきだと思いますが、そうすると言葉に関しては少なくとも縦書きはありえません。印刷物とは違う形式を作らなければいけないですね。
 
 谷川――デジタル化の問題に関しては、次回のフォーラムで取り上げる予定です。矢口先生、いかがですか。
 
 矢口――日本のマンガは、セリフが縦書きで右から左に進むためにS形に読んでいくんですが、欧米のような横書きのマンガはZ形に進むと言われます。ただ、古今東西で先ほど言ったようなことが良いとされてきたわけだし、映画やテレビでも同じ約束事で見ているわけだから、マンガが逆行するのはあまり良い方法ではないように思います。日本のマンガが世界に翻訳されていますが、最近は日本と同じように右から左に向かっていくようになっていて、セリフだけを外国語に替えています。
 アメリカで「子連れ狼」を逆プリントで発売したことがあるけれど、拝一刀はいつも左手でチャンバラをやる。それで、逆プリントで絶対にできないマンガが、野球マンガです。ヒットを打てばいつも3塁に向かって走っていくからね。
 
 参加者2――右から左のスタイルが外国で受け入れられるんですか。
 
 矢口――韓国あたりだと、これが日本のマンガだと納得して読まれています。
 
 ちば――僕の本もいくつか外国で翻訳されていて、逆版にされていますから、キャラクターが字を書くのもみんな左利きなんですね。しかし、日本のマンガはいろいろな発達をして世界中に広まっています。アニメーションも世界で見られているものの60%は日本のものであって、その元になったマンガも翻訳されていますから、たぶんこれから世界中で日本式の右から左に読むようになっていくのではないかと思います。
 
 矢口――「あしたのジョー」を逆プリントでやられたことがあるの。
 
 ちば――あります。左パンチが右パンチになってしまうので、そういうセリフを直してもらったりしましたが。
 
 矢口――(アメリカ版「コミックバンチ」を手渡されて)アメリカで発売された「コミックバンチ」は日本と同じに右から左に進むようになっていますね。絵の流れを見れば、絶対にこの方が世界の人にスムーズに受け入れられると思うな。
 
 ちば――吹き出しの文字は、日本は縦書きですが、英語でも韓国語でも横書きですから、そこのところがちょっと混乱するかも。
 
 参加者2――日本の子供は、算数の教科書は左に開いて、国語の教科書は右に開きますよね。複雑なことをやっているわけで、けっこう負担があるんじゃないかと。
 
 ちば――負担もあるかもしれないけれど、人間の頭脳改革にはいいかもしれませんね。
 
 矢口――中国は問題ないはずだよね。漢詩などは縦書きであったわけですから。
 
 谷川――ちば先生に伺いたいのですが、番組の中で、キャラクターの長所と短所を挙げるようにおっしゃっていました。敢えて短所を挙げさせたのはどういう理由がありますか。
 
 ちば――僕はいろいろな少年マンガ、少女マンガを描いてきましたが、最初の頃は、二枚目で、優等生で、スポーツ万能で、正義感が強いという主人公ばかりでした。例えば、「ちかいの魔球」の二宮光という主人公は、ピッチャーで4番を打ち、ハンサムで背も高く、正義感が強いんですが、僕はそういう人間を描いていても何か面白くないんですね。一方、その相手のキャッチャーをしている久保田吾作は、デブでおっちょこちょいで、ときどき主人公の足を引っ張るような、いわゆる三枚目ですが、そういう脇役を描いている方がとても心が和むし楽しいんです。二宮光にはどうしても自分の気持ちが入り込めないんですが、自分にないものを描いているからそうなるんでしょう。
 そこで思い切って編集者に、欠点だらけの人間を主人公にしたいと言ったんです。それが「ハリスの旋風」です。編集の人は反対しましたね。ケンカばかりしていて、勉強が嫌いな子供を主人公にしたら、PTAなどから批判されるし、読まれないだろうと言われたんですが、僕もその頃は少し人気が出ていたので強引に押し通して出しました。そうしたら、鼻歌交じりで描けるぐらい、楽しかったんですね。それ以来、僕のマンガでは欠点だらけの人間が主人公になって、優等生は敵役で出てくるようになりました。そういう主人公は、描いている僕も楽しいし、読者にもものすごく共感を持って迎えられて、間違いじゃなかったと思っています。
 
 谷川――矢口先生、三平くんは、どちらかというと優等生ですね。
 
 矢口――ちばマンガを見ていると、本当にけたくそ悪いぐらいに面白いし、活力があって、いつも感心するんだけど、残念ながら僕はああいうのは描けない。のたり松太郎というすごく破天荒な、最高のキャラクターをちばさんは生み出して、ああいう人がいたらお友達にはなりたくないなという感じを持ちますが、とても面白い。ああいうキャラクターは僕は描けないですね。僕の場合は、どんどん科学していくような、優等生的なキャラクターになってしまう。それぞれの資質の違いがこういうところに表れるんだと思います。
 
 谷川――坂上さん、今まで何本ぐらい、この番組を作りましたか。
 
 坂上――今年で5年ですから、1年に35本から40本ぐらいとして、およそ200本ぐらいになると思います。
 
 谷川――登場したのは、業種としてはどういう人が多いですか。
 
 坂上――業種としては何でもありですね。どんな人が課外授業をしても構わないと思いますし、近所のパン屋さんや魚屋さんがやってもいいと思いますが、ただし、それは学校の先生が企画してできることなので、テレビならではということ、見たこともない授業を見てみたいという番組の都合上、市井の人でない人にお願いしています。
 
 谷川――もう時間になりました。
 ちば先生と矢口先生の授業はそれぞれ個性があって、好対照といえばそうですが、その中で描かれた先生方の姿勢と子供達の反応から、僕達はいろいろなことを学ぶことが出来るという印象を持ちました。また、坂上さんの2割5分の打率というお話は、とても興味深かったです。
 どうも、ありがとうございました。
 
(了)


前ページ 目次へ





サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
6,024位
(31,548成果物中)

成果物アクセス数
479

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2019年11月9日

関連する他の成果物

1.2001年度『シンポジウム「心に残るこの一冊」』
2.マンガフォーラム「知識教育とイメージ教育の両立」?第1回“マンガで育つ人間力”?
3.マンガフォーラム「知識教育とイメージ教育の両立」?第2回“うちの学校ではマンガが正課”?
4.マンガフォーラム「知識教育とイメージ教育の両立」?第3回“マンガを使った魔法の(チャレンジ)授業”?
5.マンガフォーラム「知識教育とイメージ教育の両立」?第4回“マンガの光と影・害悪、影響も考える”?
6.マンガフォーラム「知識教育とイメージ教育の両立」?第5回“マンガ館の教育的活用・学社融合の要”?
7.マンガフォーラム「知識教育とイメージ教育の両立」?第7回“パソコンでマンガを描こう! 日本の絵筆が世界標準! デジタルコミック展開!”?
8.マンガフォーラム「知識教育とイメージ教育の両立」?第8回“マンガは世界に何をプレゼントできるか?”?
9.マンガ・アニメ造形ビジネス学科設立事業セミナー 第1.2回“マンガ学科のシミュレーション及びモデルケース”
10.マンガ・アニメ造形ビジネス学科設立事業セミナー 第3回“マンガ・アニメグローバル戦略と新ビジネス構想”
11.マンガ・アニメ造形ビジネス学科設立事業セミナー 第6回“マンガ教育論”
12.マンガ・アニメ造形ビジネス学科設立事業セミナー 第7回“新文化外交論”
13.マンガ・アニメ造形ビジネス学科設立事業セミナー 第8回“マンガリーテラシー論”
14.マンガ・アニメ造形ビジネス学科設立事業セミナー 第9回“アニメプロデューサー論”
15.マンガ・アニメ造形ビジネス学科設立事業セミナー 第9回“産業論”
16.マンガ・アニメ造形ビジネス学科設立事業セミナー 第9回“マンガ編集論”
17.マンガ・アニメ造形ビジネス学科設立事業セミナー 第11回“新マンガ時代論・コンテンツ産業論”
18.2003年度「ENTERTAINMAENT GOES POP」
19.マンガ・アニメ造形ビジネス学科設立事業セミナー 第10回“モデル人材論”
20.2005年度キャラクター創造力研究会翻訳
21.2005年度マンガ・アニメ学術的研究会翻訳
22.SYLEF Newsletter No.15,No.16,No.17
23.日本の知的・文化的国際協力に関する総合戦略
24.日越関係発展の方途を探る研究
25.「日ロ関係打開の手法?好手と禁じ手」に関する研究
26.大学初年次における「自己表現・評価トレーニング」の導入に関する緊急提言
27.日本にとっての難民・避難民対策の研究
28.北方4島「ビザなし交流」専門船の建造と活用法に関する提言
29.ベトナム戦争と文学?翻弄される小国
30.延辺朝鮮族自治州と北朝鮮東部経済に対する日本の政策研究
31.中国の海洋政策と日本 ?海運政策への対応?
32.フィリピン日系人支援の方策についての研究 ?両国におけるアンケート調査を通じて?
33.戦略的広報外交のすすめ ?中国のプロパカンダへの対応を中心に?
34.大都市の危機管理体制(町守同心)のあり方に関する研究
35.小国の地政学 ?秘境・ブータンはなぜ滅びないか?
36.港湾?河川における水上交通創出のフィージビリティーモデル研究
37.民からのローカルガバナンス研究 ?地方再生に向けた政策連携の胎動?
38.文化産業を育成する知的財産に関する調査研究
39.団塊世代をはじめとする市民力の活用による作業所ビジネスの活性化方策研究
40.若手コミュニティ・プロデューサーの実態と活用に関する調査研究 ?若者が育ち活躍する地域のパワーを育てるために?
41.トルコの西ユーラシアにおける外交政策と戦略 ?中東の平和構築における日本・トルコの協力関係を模索する?
42.パラオ共和国における廃自動車適正処理の推進と自動車輸入管理システムの確立
43.次期政権に対する外交・安全保障政策に関する緊急提言
44.地域金融と地域づくり
45.南・北朝鮮、同時崩壊か?
46.日本の難民受け入れ過去・現在・未来
47.「日本人のちから」Vol.32(2006年5月)特集「ご破算力」
48.「日本人のちから」Vol.33(2006年6月)特集「評価力」
49.「日本人のちから」Vol.34(2006年7月)特集「対決力」
50.「日本人のちから」Vol.35(2006年8月)特集「家族力」
51.「日本人のちから」Vol.36(2006年9月)特集「牽引力」
52.「日本人のちから」Vol.37(2006年10月)特集「先手力」
53.「日本人のちから」Vol.38(2006年11月)特集「実行力」
54.「日本人のちから」Vol.39(2006年12月)特集「伝達力」
55.「日本人のちから」」Vol.40(2006年最終号)特集「日下公巻頭言集」
56.SYLEF The First Twenty Years
57.Proceedings SYLEF Program Administrators Meeting
58.2005年キャラクター創造力研究会報告書
59.2005年度マンガ・アニメ学術的研究会報告書
60.新規範発見塾 Lecture Memo vol.26
61.新規範発見塾 Lecture Memo vol.27
62.新規範発見塾 Lecture Memo vol.28
63.鎖国前夜の海の物語
64.巨大船沈没す
65.海賊 村上一族 盛衰記
66.北前船奔る 日本海自由経済圏を創った男たち
67.琉球の時代 大交易立国の輝き
68.マラッカ海峡 世界が出会う海の交差点
69.波濤の先を見た男 海の民・ジョン万次郎の旅
70.海駆ける千石船 現代の商品経済は江戸の海で始まった
71.黒潮紀行 POWER of TAIWAN
72.完全密着! 海上保安庁24時
73.消える九十九里浜 死に瀕する日本の渚
74.日本をひとつに 流通革命を起した河村瑞賢
75.国境の島・対馬 海峡の攻防二千年史
76.海上自衛隊24時 インド洋派遣と初の戦時下活動
77.検証!北朝鮮工作船
78.サムライたちの小笠原諸島 幕末の外交決断
79.松陰、ペリー暗殺を謀る 黒船来航150年目の真相
80.もう一つの日本海海戦 -アルゼンチン観戦武官の記録-
81.大陸の発想VS島国の発想
82.参加校募集チラシ 表面
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から