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梶原岐阜県知事
 
パネリストの先生
 
フォーラム本編
マンガフォーラム第2回「うちの学校ではマンガが正課」
 
 谷川――本日は3つの高等学校からおいでいただきました。3校のうち2校を岐阜県からお願いしたのは、多少縁があるのと、後ほど梶原岐阜県知事がおいでになりますが、岐阜県は「マンガ立県」という事を主張されていて、その中で先駆的役割を多治見西高校と岐阜県立土岐紅陵高校が果たしているからです。多治見西高校は今年度から、美術の授業の中にマンガのコースを入れたので、そのお話を伺いたいと思います。土岐紅陵高校は、総合学科の学校として知られていますが、今年度から新たに、マンガという科目を設置しました。東京都立東京芸術高等学校は、高知県で行われているまんが甲子園で毎年優秀な成績を修めているので、その辺りの背景などをお話いただきたいと思います。
 多治見西高校の堀先生からお願い致します。
 
【普通科芸術選択、美術の中で「マンガ」を選択】
 ――本校は、岐阜県に16校ある私立高等学校の中でマンガを取り上げているという事で、ここに出てまいりましたが、本日のテーマのように正課になっている訳ではありません。
 本校は、明治41年に私の祖母である、堀きさが洋裁・和裁を教える学校として設立しました。戦後、新しい学校制度の下で菫女子高等学校と校名を変更し、新たにスタートしました。その時代の地域のニーズに応じて、商業科をつくり、普通科をつくり、さらに音楽科を設けました。昭和47年に多治見西高等学校と校名変更し、51年に普通科に進学を目的とする蛍雪コースを設け、これを男女共学としました。私学としては実績を残さなければならない面もあり、このコースのみは勉強勉強という形をとっていて、現在は卒業生の約半数が国公立大学に合格しています。そして、実業系も、普通系も、芸術系もある、いわゆる総合学校という形になっていて、約80%の生徒が専門学校以上の学校へ進学していきます。
 さて、今回のフォーラムの本題であるマンガですが、本校では、平成12年度はモンキーパンチ氏、13年度は里中満智子先生においでいただいて、マンガについての講演をしていただきました。そうした中で、梶原岐阜県知事がマンガとIT教育の両面を進めたいという事で、多治見市在住の県会議員から、本校でマンガコースを開設出来ないかというお話がございました。学校として検討しましたが、コースとして設定しますと、私学としては定員や経営問題などが絡んで、人数が集まるかどうかという問題になってしまいます。
 そこで、まずはマンガを取り込もうという事で、14年度に普通科普通コースの芸術選択の美術の中で一般的な美術とマンガを選択出来るようにしてスタートしたところ、新入生76名中9名がマンガを選択しました。
 授業を担当する先生は、大垣女子短期大学マンガコースの講師の方に来ていただいています。週2時間、2単位の科目です。授業内容は、自己紹介から始まり、デッサン(顔・体)、人物以外を描く「オリジナルモンスター」、1点透視図・2点透視図「マイホーム」という流れで進められます。生徒たちが自己紹介とデッサンで描いたものを何点か持って来ましたのでご覧ください。
 
タイトル:愛子
 
タイトル:タチカニ
 
タイトル:碧妖湖
 
 今後の授業予定としては、1コママンガ、2コママンガ、4コママンガを学ぶ中で、創造力をつけていくという形で授業を進める事になっているようです。以上です。
 
 谷川――本日は八潮南高校の生徒さんが10人近くみえています。今、作品を投影した時に高校生たちは楽しそうに見ていましたので、ちょっと意見を聞いてみたいと思います。
 
 生徒1――下書きのところから上手く描けていて、うちのマンガ部にもああいうふうに描く子もいるし、描かない子もいます。とても上手くて、いい勉強になる学校だと思います。活動的で非常に素晴らしいです。
 
 谷川――ありがとう。堀先生にちょっと確認しておきます。普通科には普通コース、国英コース、蛍雪コースがあって、その普通コースでやっているわけですね。
 
 ――普通コースは、公立高校にある一般的な普通科と同じカリキュラムの授業内容です。国英コース、蛍雪コースは進学のためのカリキュラムを組んでいて、芸術関係の科目は普通コースの半分に減らしています。
 
 谷川――次に土岐紅陵高等学校の纐纈先生にお願いします。


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