子ガメの迷走
明るい夜の海岸
ウミガメを取り巻く環境は、近年大きく変化しています。そんな中、「夜の海岸では子ガメが海に向かわない」という問題がおきています。
普通、子ガメはタ暮れから朝にかけての暗いうちに地中から這い出し海に向かって歩き出します。この時、海の方向を海上からの僅かな光(主に紫外線)で判断します。
上の図は、当団体で行った調査記録です。生まれたての子ガメを砂浜の中央で離し懐中電灯などはいっさい使わず13匹の子ガメを追跡した結果です。海へたどり着いたのは1匹のみ、残りの大半は明るい街に向かい、植物帯の茂みに絡まれ動けなくなりました。
この調査では、人工光により子ガメが海の方向を判断できなくなることの他、より紫外線の強い光に向かう傾向が明らかになりました。
自然ふ化の結果
現地ふ化における調査も行いました。舞阪のコアジサシ保護区内に産卵したウミガメの卵をふ化場へ移動せず現地でのふ化状況を調査しました。
ふ化当日、現地を調べたところふ化し這い出したものの約95%の子ガメが陸側に向かい、海へ入れた子ガメは僅かに5%でした。
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