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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


4 研究実験について
(1)障害物競走及び荒天用ボートの研究
 当競走会は将来斬新な競走の在り方を企図して障害物跳越の競走と、相当な波高(五〇糎以上)の水面に於ても安全な競走が可能な装備器材の研究を並打して開始しました。
 障害物競走は器材も一応完成し選手も登録選手の中より五十名を選抜して訓練を実施し相当回数の模擬競走も行い競走可能にまで運びましたが諸般の都合により競走参加の日の目を見ることが出来なかったが、海事思想普及行事には最高のスターレースとして観衆を楽しませたものであります。
(2)荒天用ボートは主として若松競走場で使用
 この企画は若松競走場の夏期に多い偏東強風時に競走中止のことが屡発生するため、これを解消しファンの期持に応えねばならぬとして研究に着手した次第ですが、研究を進めて行くうちに艇体に浮力帯を装着することによりG・Mの高さが増大したので荒天を待ち実験に移り波高五〇糎迄ならば絶対に転覆しない確信を得たので模擬競走数十回実施、改良に改良を加え競走参加の承認を得て実用の運びとなりました。現状水面に至る迄数年間出場して強風下しぶきを上げながら“デーン”として走る独特の姿は安定感とユーモアを感じさせるものがありました。
 観客の付けたニックネームに“航空母艦”、“朝鮮下駄”等代表的なものもありました。
 その後三十年に実施された玄海横断スピードレースにも本装備をもって実施、波高最高一・五米の海面の競走も出場全艇九隻が完走しました。
(3)二重針大時計と水上標識
 宿命的とも言えるスタート事故は業界の共通な悩みであり当会もこの防止にはあらゆる施策を施しましたがさして顕著な効果もなく苦慮しておりましたが、研究の進展につれ、選手の訓練等により事故成因の最大点は大時計運針の視認誤差と艇位置確認方法に不備ありとの事実が掴めましたので研究目標をこの二点に絞り大時計の秒刻間隔を開いた実物大の模型を製作し「ヤマトモーター」二八型を主機とする本格的な実験に移りました。
 一回転の運針速度を一五秒、二〇秒、三〇秒の三様に変速し、秒刻もそれに合せてスタートを試みましたがスロットル操作と運針注視に最も適合する状態は二〇秒一回転にあることが略確認されましたので県内選手の協力により数次に亘り実験を繰返しました。その結果選手の意見は賛否両論ではありましたが全連に発表しましたところ(現)青木理事、(現)中北部長来福、乗艇実験、続いて芦屋競走場に於て運輸省田中補佐官を始め多数の立会者列席の上、県内選手による模擬競走を福岡競走会実験作業員が担当し順調な経過を以て終了し、後日採用の決定となり、競技規程の改正と同時に大時計の製作に掛り綿密なる試験の上前述の如く設置使用を開始しました。
 使用開始後約半年間の実績は期待の如く進まず最初の一ヵ月は過去よりも事故は増加気味もあり一喜一憂を繰返しましたが六ヵ月頃より下降線を辿り八ヵ月目頃から急角度の事故減少を見るに至り、ホッと胸をなで下したのが当会の偽らぬ心境でありました。
 ここに至って二重針大時計に慣れたものと推測されました。発案者である審判部としては自信を持ってその衝に当ったとは言いながら福岡競走場に於ける使用開始の一節四日間に十八件のフライングを出した時はその不始末に対し顔面蒼白の想いもしましたが、その後フライング多発原因の究明に努めたところ運針確認は容易になったが艇位置確認に不充分の点があることが判明し、艇位置確認の標識に取組んだ次第であります。
水上標識物の研究
 水上標識の設標は六〇秒針の時のままであり不完全な点が発見せられたので次の如く検討諸元を定め実験に移しました。
(1)ボートのスタート速力を十八米秒とする。
(2)視認、確認点を〇秒前二秒・五秒とする。
(3)(2)に対する設標をスタートライン前四〇米、及び九五米の地点とした。
 (4)設標は竹竿を着色して立て陸岸寄りには標識板を取り付けた。更に同位置見通し線には高圧空気を水中より噴出せしめ加えて空中にワイヤーを張り見易い物を吊下する。
 前記の実験により一応の成果を得たので一部は即時実施に移し、高圧空気の噴出は効果少く、空中線方式はスタートライン以外は設標資材脆弱のため後日展張とした。吊下物質で最も効果のあったものはピーチボールであったが風による影響が大きく実験のみに止めました。
 その後各地で研究されたものを総合現在の統一となったものであります。
 前述二点が実用される迄の過程には全連の終始変らざる理解があって遂に完成されたものであります。
(5)海難防止等の実施
水難救助奉仕隊の演練
 既に海難救助隊の編成も終りボート、モーターその他の救難器材も完備し総て待機の姿勢にありましたので本編成による河川氾濫に対する救助対策を研究の上適時分掌的訓練を行って居りましたが綜合訓練実施可能の状態となりましたので、昭和三十六年夏筑後川流域に相当の降雨がありかなりの増水を見ましたので機を逸せず救援訓練に出動しました。
 実施当日筑紫次郎は濁流で水勢も強く稍懸念される面もありましたが救助艇三隻ゴムボート二隻を実動、溺者十名を想定し、上流より飛込ませ、救助作業の演練を行いました。訓練課目は器材輸送、通信連絡、救助、救急等十時間に及ぶ訓練に人身、器材の事故皆無の成績で終了し救難に関する貴重な体験を得ることが出来ました。
 又昭和四十年七月福岡県災害防止演習(福岡県知事総指揮)には当競走会及び芦屋町の両水難救助奉仕隊合同の上参加、モーターボート救助艇の特性を遺憾なく発揮し演習参加員千名以上、外に見学者数千名に対し吾々業界がこの方面の社会福祉にも貢献していることを強く印象づけたのであります。
(6)情報協会員(予想業者)の講習会
 予想業者十八名の第一回講習会を競走会と施行者共同で芦屋競走場に於て実施しました。目的はファンに対しモーターボートの見方を正しく理解してもらうためのもので、講習の内容は選手養成の基本に準じ抜粋講義及び実技の訓練を行いました。この折は厳冬でありましたが元気に講習目的を達し終了しました。又その後も毎年補足講習会を開き知識、技能の向上と精神の鍛錬に努め今日に至っております。
講習項目
(1)諸法令の解説 (2)機関工学、滑走理論
(3)モーターボートの取扱整備法の実習
(4)乗艇訓練 (5)精神訓話、体育
(6)出場選手管理状態の体験(合宿)
 以上当競走会十六年間の歩みを集約的に記しましたが、最後に一言付記しますと、開設当初より十有星霜を経て施設を始め総ての面に於て改善に次ぐ改善が行われ往時を遥かに凌ぐものがあり、その間関係者の顔も年に新たになりましたが只今なお歴として遺され継承されているものは先輩のこの事業に対する不屈の愛護精神であります。
 今でも芦屋競走場に競走終了後流される音楽があります。それは「蛍の光」続いて「アンニー・ローリー」の二曲であります。
 又若松競走場の五色の吹流し、これは開催を祝って掲揚されたものが今日に及んで開催日には必ずスタンド側に毎日掲げられているものであります。
 更に福岡競走場の五本の大柳(現在の駐車場側)が開設当初、大人の背丈程の苗木が競走場の成長と共に今では大木となって繁茂し業界の繁栄を象徴するものの如く天に向かって屹立(きつりつ)しているのであります。
 
初代会長及び現会長  木曾 重義
自昭和二十七年九月
至昭和三十七年九月
自昭和四十一年五月
至 現在
 
二代会長  永島 武雄
自昭和三十七年九月
至昭和四十年三月


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