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VI “住之江”発展の道をゆく 大スタンドの改築も進む
 住之江競艇場は、昭和四十二年三月二日、箕面市主催で「鳳凰賞レース」を開催。これを機に、さらにファンサービスの改善を図り
●二〇〇円投票券の発売
●第一払戻所の窓口増設
●第二払戻所の新設
●南スタンドの一部さらに増設
●スタンド下に両替所開設
――その結果は、売上げの向上となって反映してくる。同じ年の八月には
●特別席発売窓口で一、〇〇〇円券を発売
●第四投票所を新設、二〇〇円券を扱う
●第四払戻所を新設
 社会の動き、レースの充実、さらにこれらのサービスとは、効果的に働きあって、また新記録となってあらわれる。
 この年の秋、十一月十六日から十九日までの四日間の成績は、五一二、三七五、四〇〇円。一日平均一二八、〇九三、八五〇円の売上げとなり、十二月一日から四日までの四日間は、六四六、三三五、三〇〇円、一日平均売上げは一六一、五八三、八二五円。――一億六千万円を越したのである。
 十四年前、狭山で初開催した時の一日平均三、五三四、二〇〇円とくらべると実に五十倍近い売上げである。
 全国二十四ヵ所の競艇場の売上げ順位も、昭和三十八年度は七月、十月、三十九年一月と平和島に、三十九年度は四、五、六、七、八月と、これも平和島に一位をゆずっているが、この年の九月以降は、他競艇場がビッグレースを開催した三回をのぞいて、連続第一位の記録を保持しつづけている。
 正に、日本競艇界の王者である。
 
 そこで、王者は王者らしく、昭和四十二年の暮には、(仮設)東岸に第五、第六投票所と第五、第六払戻所を開設、昭和四十三年一月十一日には、西岸北スタンドを鉄筋コンクリート四階建て、二万五千人収容の近代建築とするための改築工事にかかったのである。
 この完成にひきつづいて、この夏、さらに南スタンドの第二期工事にかかる予定である。これが完成すると、収容人員五万名の文字通り世界一のプロ競艇場となる。
 昭和二十七年九月の狭山初開催以来、赤字つづき、苦難つづきの前期をたたかいぬき、四十二年末までにあげた純益は五十三億五千万円。これは府下(大阪市を含めて)四番目の大都市豊中の四十一年度一般会計歳出決算額に近い数字である。
 この純益は、すべて組合を組織する十六市に配分されて教育費、土木費その他に有効に使われている。
 かくて、住之江競艇場は内外の装いも新たに、ギャンブルという言葉のもつ投げやりな暗さとは別に、明るい健康的なレクリエーションの場として、ファンとともに歩みつづけるだろう。また、それを願って事業は進められている。
 
年表
狭山・住之江競艇十五年の歩み
付―年度別売上と入場人員
 
昭和27年
8月11日 大阪府下の十六市、組合を設立許可を受ける
9月 〈堺市管理・大塚正市長〉
9月5日 狭山池で競艇初開催。赤字を出す
昭和29年
3月 〈泉大津市管理・安井伊三郎市長〉
9月26日 台風のためレース中止
昭和30年
8月21日 旱魃のため池の水が欠乏、十一月二十六日までレースを中止
昭和31年
4月10日 狭山競走場での競艇を打切る
6月19日 二十四日まで住之江競走場で初開催
昭和32年
1月31日 指定席を新設。この頃、売上げ上昇を図るためファン投票による模擬レースなどを実施
昭和34年
8月 〈八尾市管理・脇田幾松市長〉
昭和36年
5月1日 四月二十八日からの四日間開催、節間売上の新記録出る
5月7日 一日売上、新記録
6月25日 六月二十一日からの五日間開催、節間売上の全国新記録となる。この頃より開催ごとに売上げの記録更新がつづく
8月1日 初のビッグレース「第八回全日本モーターボート選手権大会」を主催、売上げさらに向上
昭和37年
6月4日 一日売上記録を更新
昭和38年
3月3日 一日売上記録を更新
4月1日 連勝複式投票法を採用
7月 〈豊中市管理・藤戸翼市長〉
9月1日 特別席を増改築し席数倍加
10月4日 第三投票所の一部に払戻所を併設
10月31日 「第十回全日本モーターボート選手権大会」を開催
昭和39年
2月17日 第七レースで選手の落水事故があり、無人ボートは暴走して観客席に激突、ファン一名が負傷
7月10日 午前八時頃、第一投票所焼失、原因は精薄者の放火
10月31日 第二投票所新設
12月3日 第一投票所新設
12月17日 本部・特別席の新装完了、特別席の席料を改定
昭和40年
6月 〈布施市管理・辰巳佐太郎市長〉
昭和42年
2月 〈吹田市管理・村田静夫市長〉
2月1日 布施市・河内市・枚岡市の三市が合併、東大阪市となる
3月2日 「鳳凰賞レース」(箕面市主催)を機に、二百円投票券を採用、第一払戻所の窓口増設、第二払戻所の増設、南スタンドの増改築、両替所の開設などを行ない、ファンサービスの向上を図る
7月 〈吹田市管理・山本治雄市長〉
8月31日 特別席発売窓口の二百円券を千円券に変更。第四投票所(二百円券窓口)を新設。第四払戻所を新設
11月16日 十一月十九日までの四日間開催に、平常レースの売上新記録が出る
12月1日 十二月四日までの四日間開催、平常レースの売上記録を更新
12月29日 東岸に、第五・第六投票所、第五・第六払戻所を開設
昭和43年
1月11日 北スタンド改築の第一期工事に着手(八月中旬、北スタンド改築完了の上、第二期工事として南スタンド改築に着手する予定)
 
年度別売上と入場人員
年度 入場人員 売上金

27

169,617

196,418,600
28 177,222 441,870,700
29 117,349 261,054,800
30 42,275 135,911,700
31 117,667 463,428,900
32 211,084 551,909,900
33 221,482 613,447,800
34 241,426 768,327,500
35 364,103 1,256,930,800
36 483,246 2,192,226,600
37 619,736 3,042,675,200
38 741,328 3,460,462,600
39 859,258 4,628,008,900
40 990,909 6,096,168,500
41 1,293,587 9,724,070,200
42 1,510,851 13,367,139,200
8,161,140 47,200,051,900
 


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