第一回鳳凰賞競走の開催
昭和四〇年には競艇界に初の内閣総理大臣賞が授与されたのを契機として、連合会はあらたに斯界の最高行事として、鳳凰賞競走を制定した。
その第一回の開催を平和島競艇場において、本市が施行する栄誉と責任を担い、新しい運営方針の設定について関係者は慎重を期し、その開催は年度末まで延びたが、三月一〇日より六日間を開催し、売上及び入場者ともに新記録をつくったことは、ファンに馴染みのない本競走が、関係者の愛する競艇への情熱によって培われ、鳳凰賞競走が将来有望なプロスポーツとして発展すべき数々の話題を呼んだことは斯界発展のため大きな成果であった。
また、本競走の開会式には海上自衛隊、東京音楽隊、陸上自衛隊大宮通信補給所鼓笛隊、東京水上消防艇、財団法人日本カヌー協会、大学バンド連盟、学校法人東京声楽専門学校の協力を得て、世紀の祭典ともいうべき協力団体二五〇名からなる演出は、豪華にして、しかも権威と格式を具備したもので、当日演奏された鳳凰賞ファンファーレ、鳳凰讃歌のコーラスは新たに作曲されたものであり、総理大臣賞にふさわしい公営競技の最高峰を行く式典となり、海事思想の普及昂揚に大いに貢献した。
昭和四一年は施設改善が各レース場で活発に行なわれ、当競艇場も公営競技の健全娯楽場としての品位を保つため施設会社は投票所の全面改築に踏切る意欲を示し、総工費二億五千万円を投じ、工期一ヵ年を要して近代化された投票所の建設を施行した。
平和島競艇場も開設当時(昭和二九年)は競艇界で、日本一競走場として自負もし、また全国的にも認められていたが、その後、全国の施設は見違えるような改善施策が行なわれ、今や旧態然とした改革では追いついていけない躍進競艇界の現状となった。
時代の流れと共に自動車の需要増加と平和島周辺の高速道路の開通にともなう交通網は、高度に発達し、これらの受入態勢としての駐車場問題、年々増加するファン人口に対するスタンドの拡張等、すべての公営事業の発展は健全娯楽場としての施設の完備であり、施設の充実が伸び行く公営事業の原動力となってきた今日、施設会社の本事業に対する建設的な意欲に期待するものである。
昔の投票所
今の投票所
競走事業収益金の地方財政への寄与
本市の競走事業収益金の使途については、大半が教育面での校舎建設費であり、財源に乏しい当市では学校新増築用地買収、給食施設、庁舎建設、都市計画街路、公園事業費、社会教育、市民文化、児童福祉等の重要な財源を競艇収益金にまたねばならないのが実情であり、更に今後各種事業の増加にともない、競艇事業収益の地方財政に貢献する面は重大であり、当市が競艇事業を施行して以来、今日まで公共事業に投資された収益金の主なるものは次のとおりである。
昭和三〇年度 第六小学校の増築事業に三九・五%を充当
昭和三一年度 第四中学校、第七小学校の増築事業に三三・六%を充当
昭和三二年度 第九小学校の新築、第六小学校の増築、第二・第四中学校の増築等に三七・一%を充当
昭和三三年度 市庁舎の建設事業に対し三三・二%を充当
昭和三四年度 市庁舎の建設、第六・第八小学校の増築第三中学校の新築等に四四%を充当
昭和三五年度 赤松高等学校の建設、第二小学校の改築第五小学校の増築、第一・第三中学校の増築、公営住宅の建設等に七〇%を充当
昭和三六年度 第五中学校の新築、第一〇小学校の新築第二小学校の改築、市営住宅の新築、南保育所の新築等に五九・九%を充当
昭和三七年度 市民会館の建設、第五中学校の増築、第七小学校の増築、第四小学校の改築、市営住宅の新築等に六〇%を充当
競艇事業の進歩発展にともない、本年度以降その収益は急激に上昇し、ついに五億円を突破するところとなり、当市の事業費の占める割合は昭和三八年度から昭和四二年度まで、その収益金の使途の主なるものは次の事業費に充当されており、五ヵ年間の投資額の平均は五六・二%となっている。
昭和三八年度 第二・第三・第四・第五中学校技術家庭科教室の新設、第一中学校の改築、第二中学校体育館の新築、第六・第八小学校の増築、市民会館の建設、東部・西部出張所の改築、北保育所の新築等
昭和三九年度 第三・第四・第五中学校の体育館新築、第一中学校の改築、第三小学校の増築、市民会館の建設、現業事務所の新築、下水道の敷設等
昭和四〇年度 市民会館の建設(四ヵ年間にわたって建設基金創設、本年度において完成)、第二・第三・第四・第五・第六小学校体育館の新築、第六中学校新築、第三・第五・第六・第七・第八・第九・第一〇小学校増築、図書館郷土館の建設、下水道の敷設等
昭和四一年度 市民健康センターの建設、第七・第八・第九・第一〇小学校体育館の新築、武蔵台小学校の新築、図書館郷土館の建設、下水道の敷設等
昭和四二年度 市民健康センターの建設、住吉小学校の新築、同体育館の新築、第四小学校の改築第七中学校の新築、同体育館の新築、福祉会館、振興会館の建設、下水道の敷設等
特別レースのパンフレット
年度別・特別競走の成績と足跡
年度別 |
競走の種類 |
節間売上高 |
節間入場者数 |
摘要 |
昭和 |
|
円 |
人 |
開催日 |
30 |
初開催 |
31,684,700 |
12,520 |
9.20〜25 |
31 |
開設2周年記念 |
25,371,000 |
10,179 |
5.20〜23(4日制) |
32 |
第3回関東地区選手権 |
52,130,500 |
15,549 |
4.26〜5.1 |
〃 |
開設3周年記念 |
62,648,100 |
17,169 |
6.26〜7.1 |
33 |
開設4周年記念 |
50,798,000 |
13,104 |
7.25〜30 |
34 |
第5回全国地区対抗 |
90,036,600 |
19,531 |
4.30〜5.5
売上及び入場者の新記録樹立 |
〃 |
開設5周年記念 |
70,526,000 |
13,420 |
7.21〜26 |
35 |
第6回全日本モーターボート記念 |
83,176,000 |
17,764 |
5.3〜8 |
〃 |
開設6周年記念 |
86,773,800 |
15,902 |
7.26〜31 |
36 |
第7回全国地区対抗 |
135,758,700 |
23,535 |
5.12〜18 但し初日は強風により4レースで中止順延 |
36 |
開設7周年記念 |
155,274,100 |
26,958 |
7.14〜19 地区対抗に引続き連続記録更新 |
37 |
第8回関東地区選手権 |
163,700,600 |
24,642 |
5.17〜22 売上記録更新 |
〃 |
開設8周年記念 |
206,712,300 |
33,414 |
7.11〜16
売上及び入場者の記録更新 |
〃 |
第9回全日本モーターボート選手権 |
216,906,300 |
36,383 |
11.1〜6
売上及び入場者の記録更新 |
38 |
開設9周年記念 |
214,114,700 |
29,661 |
6.27〜7.2 |
〃 |
施設改善記念 |
216,303,000 |
29,906 |
11.7〜12 |
39 |
第11回全日本モーターボート選手権 |
469,608,100 |
56,254 |
7.15〜20
売上及び入場者の新記録樹立 |
〃 |
開設10周年記念 |
319,244,000 |
31,903 |
12.24〜29 |
40 |
開設11周年記念 |
407,916,500 |
43,040 |
7.15〜20 |
〃 |
第1回鳳凰賞 |
592,261,700 |
60,688 |
3.10〜15
売上及び入場者の新記録樹立 |
41 |
開設12周年記念 |
573,851,900 |
53,665 |
1.26〜31 |
42 |
第13回全国地区対抗 |
758,952,900 |
68,103 |
8.10〜15
売上及び入場者の新記録樹立 |
〃 |
開設13周年記念 |
503,021,600 |
45,982 |
11.9〜14 |
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