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4.2.3 ギア・ボックス
4.2.3.1 中国における内陸河川舶用ギア・ボックスの使用現状
 今回のアンケート調査結果によると、中国内陸河川船舶の75%以上が国産ギア・ボックスを使用している。うち、杭州前進歯輪箱集団有限公司、重慶船用歯輪箱有限公司、南京高速歯輸箱廠、大連船用歯輪箱廠及び杭州発達歯輸箱有限公司が製造しているギアボックスの使用率が高い。
 最近3ヵ年の造船所の新造船の搭載状況から見ると、南京高速歯輪箱廠の製品は設計院があまり推薦しなくなってきている。重慶船用歯輪箱有限公司と杭州発達歯輪箱有限公司の製品の使用率も近年だんだん低下している。一方、杭州「前進」ブランドのギア・ボックスの使用率は年々上昇してきている。大連舶用歯輪箱廠は近年、大出力のギア・ボックスの設計と生産に力を入れているため、また、今回の調査対象の造船所と航運会社には地理的においても運送の不便があるなどの要因により、最近3ヵ年の内陸河川新造船にはあまり搭載されていないとの結果となった。
 また、今回の調査結果では、近年、内陸河川船舶によく使われている輸入ギア・ボックスはドイツのZF Marine、アメリカのTwin Disc及びドイツReintjsなどがある。
 
表44  中国内陸河川舶用ギア・ボックスのブランド及びその使用状況
ブランドまたは製造メーカー 航運会社(%) 造船所(%) 設計院の推薦(%)
重慶船用歯輪箱有限公司 43.3 30.2 26.7
南京高速歯輪箱廠 17.5 NA NA
「前進」(杭州) 15.7 40.8 44.4
大連舶用歯輪箱廠 10.8 NA NA
「発達」(杭州) 7.2 5.4 4.4
「dong-1」(韓国) 4.9 NA NA
ZYCT560 0.5 NA NA
ZF Marine(ドイツ) NA 9.3 11.1
Reintjs(ドイツ) NA 9.6 0.0
Twin Disc(アメリカ) NA 3.6 13.3
その他 NA 1.1 NA
合計: 100.0 100.0 100.0
出典:アンケート調査(2005年11月〜12月)をもとにMIRUまとめ
注:「NA」はデータがない、またはデータを取得していないことをあらわしている。
 
4.2.3.2 中国内陸河川舶用ギア・ボックスの主要製造メーカー
 今回航運会社、造船所及び設計院へのアンケート結果により、中国における内陸河川舶用ギアボックスの製造メーカーに対する選択率の高い製造メーカーを表45に示す。
 
表45 中国内陸河川舶用ギア・ボックスの主要製造メーカー
主要製造メーカー 調査対象からの評価
重慶船用歯輪箱有限公司 専門生産メーカーで、製品の技術が成熟しており品質がよい。価格が安く、納期がタイムリーである。業界での評判がよい。
杭州前進歯輪箱集団有限公司 製品シリーズがそろい、技術が高く、品質がよい。価格が安い。知名度が高い。信頼性がある。規模が大きく、納期がタイムリーで、アフター・サービスがよい。
大連船用歯輪箱廠 品質がよい。コストパフォーマンスが高い。
杭州発達歯輪箱有限公司 価格が安く、製品の技術がよく、品質の保証がある。
南京高速歯輪箱廠 船主からの要求により選択する。
華南船舶機械廠 技術が高く、調達が便利である
出典:アンケート調査(2005年11月〜12月)をもとにMIRUまとめ
 
4.2.3.3 内陸河川舶用ギア・ボックスの選択要素
 専門家の話によると、舶用ギア・ボックスの選択要素は、まず、船型及びその用途から船舶の必要な出力を推定し、メインエンジンの規格、出力及びその回転スピードなどの技術パラメーターを決定し、次にプロペラの規格、回転スピードなどの技術パラメーターを決定、最後に、メインエンジン及びプロペラの変速比である。
 今回のアンケート調査では、メインエンジン及びプロペラの変速比を決定した上で、ギアボックスの品質、価格、技術、アフターサービスなど選択要素の重要度を調べることとした。以下表46を見ると分かるように、航運会社と造船所が内陸河川舶用ギア・ボックスを選択する時、まったく同じ考え方で、(1)品質、(2)価格、(3)技術、(4)メインエンジン及びプロペラとの取り付け合わせ、(5)アフター・サービス、(6)仕入れの便利の順となっている。うち、約60%の航運会社はギア・ボックスの品質を選定の主要要素と考え、約40%の造船所はギア・ボックスの品質を選定の主要要素と考えている。
 設計院はギア・ボックスを推薦する時に、最適化の設計及び機関室スペースの有効利用のため、メインエンジン及びプロペラとの取り付けあわせの具合を重要視とし、選定要素の1位となっている。つぎは価格、品質、技術を、同じ重要度としている。
 そのほかに、造船所はギア・ボックスのブランド、納期などを選定要素として考えている。
 
表46  中国における航運会社、造船所、設計院の内陸河川舶用ギアボックス選定要素の順位
調査対象 選択要素の順位
航運会社 (1)品質(2)価格(3)技術(4)メインエンジン及びプロペラとの取り付け合わせ(5)アフター・サービス(6)仕入れの便利
造船廠 (1)品質(2)価格(3)技術(4)メインエンジン及びプロペラとの取り付け合わせ(5)アフター・サービス
設計院(推薦) (1)メインエンジン及びプロペラとの取り付け合わせ(2)価格、品質、技術(3)アフター・サービス
出典:アンケート調査(2005年11月〜12月)をもとにMIRUまとめ
 
4.2.4 発電機
4.2.4.1 中国内陸河川舶用発電機の使用現状
 今回の造船所への調査結果によると、最近3ヵ年の造船所の内陸河川新造船の中に、約66.5%の船舶は国産の発電機を使用している。よく使われている国産発電機の第5位の製造メーカーは、江西清華三波電機有限公司(28.5%)、蘭州電機有限責任公司(21.5%)、無錫新時代交流発電機公司(17.2%)、上海市ディーゼルエンジン股有限公司(10.5%)、山東省坊ディーゼルエンジン廠(8.9%)である。残りの33.5%の船舶は輸入発電機を使用している。輸入発電機の使用順位はアメリカのカミンズ(Cummins)、日本の大洋電機のTAIYO、ドイツのドゥーツ(Deutz)、アメリカのMarathon、フィンランドのABBとなっている。
 
4.2.4.2 中国内陸河川舶用発電機の主要製造メーカー
 
表47 中国内陸河川舶用発電機の主要製造メーカー
主要製造メーカー 造船所(%) 調査対象からの評価
江西清華三波電機有限公司 28.5 品質と技術は良好で、価格は低い。
蘭州電機有限責任公司 21.7 品質と技術は良好で、納期がタイムリーで、業界での評判がよい。通常メインエンジンとセットで調達される。
無錫新時代交流発電機公司 17.2 品質、アフター・サービスは良好である。
上海市ディーゼルエンジン股有限公司 10.5 製品のコストパフォーマンスが高く、品質の信頼性がある。通常メインエンジンとセットで調達される。
山東省坊ディーゼルエンジン廠 8.9 製品のコストパフォーマンスが高く、品質の信頼性があり、価格が安い。通常メインエンジンとセットで調達される。
上海市馬拉松革新電気有限公司(アメリカMarathon社の中国での合弁会社) 4.5 アメリカMarathon社からの技術を導入しているため、技術上において優勢である。通常メインエンジンとセットで調達される。
重慶康明斯発電機有限公司(アメリカCummins社の中国での合弁会社) 4.3 品質と技術は良好であるが、価格が高い。通常メインエンジンとセットで調達される。
山東省坊雷力発電設備有限公司 1.5 通常メインエンジンとセットで調達される。
その他 3.0
合計: 100.0
出典:アンケート調査(2005年11月〜12月)をもとにMIRUまとめ
 
4.2.5 舶用電動機及びポンプ
 船舶に搭載される電動機、ポンプは数が多く、舶用ポンプは、用途や能力に基づいて搭載が決められる。例えばバラストポンプ、オイルポンプ、船室清掃ポンプなどがある。中国においては、船舶に搭載される電動機とポンプの数は設計院が船主の要求に基づいて決める。設計院は電動機及びポンプのブランドを推薦することができ、また、設計図で出力など主要技術パラメーターを明確にし、造船所は調達時の参考としている。造船所は電動機とポンプの価格、品質、技術など要素を綜合的に考えた上で、船級社に認可された電動機とポンプの設計図を船主に見せる。造船所は船主の選定により電動機及びポンプの調達を行なう。
 
注:予備調査の結果によると、航運会社は内陸河川舶用発電機、電動機及びポンプこの3種類の製品への関心度が低いため、内陸河川舶用発電機、電動機及びポンプこの3種類の製品に関するアンケート調査は造船所及び設計院だけに対し実施した。
 
4.2.5.1 中国内陸河川舶用電動機の使用状況及び主要製造メーカー
 今回の造船所へのアンケート調査結果によると、最近3ヵ年の造船所の内陸河川新造船の約90%は国産電動機を搭載している。うち江蘇省海星電機集団公司の製造した電動機が最もよく使われ、全体の33.0%を占めている。つぎは坊凱達電機有限責任公司製の電動機で、全体の27.0%を占めている。第3位は南昌ディーゼルエンジン有限責任公司であり、全体の18.1%を占めている。以下、蘭州電機有限責任公司、福建省東電機製造有限公司、広西梧州常運電機製造有限公司、徳州恒力電機有限責任公司の順となっている。
 最近3ヵ年の造船所の内陸河川新造船の約10%は輸入電動機を搭載している。うち、フィンランドのABB、日本の西芝は最も使われている。オランダのROTORの使用量は少ない。
 もう一つ、今回の調査で分かったことは、電動機の購入は、舶用ポンプと発電機と一緒に決まることが多いということである。舶用ポンプまたは発電機を国産のものを選択した場合、電動機も国産のものを選択されることが多い。
 また、設計院へのアンケート調査結果によると、近年、設計院が推薦した内陸河川舶用電動機の最も多い製造メーカーは、中国船舶電站設備公司、蘭州電機有限責任公司、広東省掲陽市電機廠、江蘇省海星電機集団公司、徳州恒力電機有限責任公司などであり、最も多い輸入ブランドはオランダのROTOR、フィンランドのABB、日本の西芝などである。
 
表48 中国における内陸河川舶用電動機の主要製造メーカー
主要製造メーカー 造船所(%) 調査対象からの評価
江蘇省海星電機集団公司 33.0 品質がよい。よく船主に指定され、多種の発電機との取り付け合わせがよい。
坊凱達電機有限責任公司 27.0 品質がよい。よく船主に指定される。
南昌ディーゼルエンジン有限責任公司 18.1 その他の舶用機器との取り付け合わせがよい。
蘭州電機有限責任公司 6.2 品質がよく、価格が安い。
福建省東電機製造有限公司 4.7 アフター・サービスがよい。
広西梧州常運電機製造有限公司 4.7 調達が便利である。
徳州恒力電機有限責任公司 2.4 技術、品質、価格、アフター・サービスがよい。
広東省掲陽市電機廠 1.5 価格が安く、アフター・サービスがよい。
江蘇省遠東電機製造有限公司 1.5 価格が安く、アフター・サービスがよい。
南陽防爆集団有限公司 0.9 専門性が強く、爆発防止の電機はほとんど南陽防爆集団有限公司製のものを選択する。
合計: 100.0
出典:アンケート調査(2005年11月〜12月)をもとにMIRUまとめ
 
4.2.5.2 中国内陸河川舶用ポンプの使用状況及び主要製造メーカー
 今回の造船所へのアンケート調査結果によると、最近3ヵ年の内陸河川新造船の約80%は中国国産の舶用ポンプを搭載している。うち江蘇省振華ポンプ業製造有限公司の舶用ポンプは全体の51.2%を占め、第1位となっている。つぎは広東省広寧船用ウォーターポンプ製造有限公司であり、全体の16.8%を占めている。第3位は佛山順達船舶工程有限公司であり、全体の15.1%を占めている。大連富仕船用ポンプ業製造有限公司、上海市第一ウォーターポンプ廠及び中国船舶電站設備公司などの舶用ポンプは、設計院からの推薦はあるものの、造船所からの購入量は少ない。
 また、輸入舶用ポンプの使用状況を見ると、日本のTEIKOKUとTAIKO、ドイツKSBとALLWEILER及びオランダのJOHNSONなどが、最もよく使われている輸入製品となっている。
 
表49 中国における内陸河川舶用ポンプの主要製造メーカー
主要製造メーカー 造船所(%) 調査対象からの評価
江蘇省振華ポンプ業製造有限公司 51.9 品質の保証があり、技術がよく、価格が低く、アフター・サービスがよく、ブランドの信頼性がよい。
広東省広寧船用ウォータポンプ製造有限公司 16.8 専門メーカーであり、品質がよく、アフター・サービスがよく、コストパフォーマンスが高く、業界において知名度が高い。
佛山順達船舶工程有限公司 15.1 製品の品質がよく、価格が適切である。
泰興市泰慶液圧件廠 6.7 品質がよく、価格が安く、アフター・サービスがよい。
天津市工業ポンプ総廠 5.1 日本から技術を導入し、製品の品質がよく、知名度が高い。
河北省泊頭市歯輪総廠 3.4 ポンプの専門メーカーであり、品質の保証がある。
四川三台ポンプ業有限公司 0.7 価格が安く、アフター・サービスがよく、交換が便利である。
江蘇省塩城市遠洋ウォーターポンプ廠 0.3 価格が安く、アフター・サービスがよく、交換が便利である。
合計: 100.0
出典:アンケート調査(2005年11月〜12月)をもとにMIRUまとめ
 
4.2.5.3 中国内陸河川舶用電動機、発電機及びポンプの選定要素
 舶用電動機、発電機、ポンプの三大舶用製品の選定は、船主からの特別指定(通常、発電機は船主から指定され、電動機とポンプは指定されない)またはその他の設備とセットして購入された場合を除いて、一般的には、造船所のほうが設計院の推薦のもとで、船級社の認可された舶用電動機、発電機、ポンプ設計図を船主に提出し、船主の承認を得て購入する。このような選定の過程においては、造船所が主導な役割を果たしている。
 今回のアンケート調査結果によると、発電機と電動機を購入する時、造船所の選定要素の考慮順位は一致しており、「品質→価格→技術→アフター・サービス」である。舶用ポンプを購入する時、造船所の選定要素の考慮順位は「価格→品質→技術→アフター・サービス」である。
 一方、設計院が舶用電動機と舶用ポンプを推薦する時、選定要素の考慮順位は一致しており、「品質→価格→技術→アフター・サービス」である。発電機を推薦する時、選定要素の考慮順位は「品質→技術→価格→アフター・サービス」となっている。総じて、品質をまず第一と考えている。
 そのほかに、造船所は舶用電動機、発電機、ポンプの三大舶用製品を購入する時、品質、技術、価格、アフター・サービスを考える以外に、取り付け合わせの状況、船主の需要、納期などの要素も考慮している。設計院は設計船舶の船型の要求に基づいて推薦を行ない、その他の要素にはあまり重きを置かない傾向がある。
 
4.2.6 日本製、韓国製、ヨーロッパ製及び中国製の内陸河川舶用機器の綜合評価
 今回のアンケート調査では、造船所と設計院に対し、日本製、韓国製、ヨーロッパ製及び中国製の内陸河川舶用機器への価格、技術と品質、アフター・サービスに関する綜合評価、且つ調達時または推薦時の選定順序について質問し、これらの考え方を明らかにした。
 
●価格面での評価
 メインエンジン、プロペラ、ギアボックス、発電機の四つの舶用製品を調達する時、まず中国国内製造メーカーの製品を考える。つぎはヨーロッパ製の製品、3番目は日本製で、最後は韓国製のものである。
 電動機を調達する時の、選定順位は「中国→欧州→韓国→日本」である。
 舶用ポンプを調達する時の、選定順位は「中国→日本→欧州→韓国」である。
 
●技術と品質面での評価
 メインエンジンの選定順位は「欧州→日本→韓国→中国」である。
 プロペラ、ギア・ボックス、電動機の三大舶用製品を調達する時、選定順位は「欧州→日本→中国→韓国」である。
 発電機を調達する時、まずヨーロッパ製の製品を選択し、つぎは韓国製の製品であり、そして日本と中国の順となっている。
 舶用ポンプの場合は、「欧州→中国→日本→韓国」である。
 
●アフター・サービスに関する評価
 今回調査対象の造船所と設計院は中国の舶用機器製造メーカーのアフターサービスが最もよいと評価している。ヨーロッパの舶用機器製造メーカーは第2位と評価されている。つぎは日本と韓国の順となっている。発電機だけが、日本の舶用機器製造メーカーのアフターサービスは中国の舶用機器製造メーカーと同じで並列で第1位と評価され、つぎはヨーロッパ、韓国の順となっている。
 
●輸入舶用機器の中国市場における評価
 今回のアンケート調査結果から輸入舶用機器と国産舶用機器の中国市場でのメリットとデメリットを以下のように分析できる。
 まず、輸入舶用機器は品質が優れて、技術が高く、使用寿命が長く、認証書類がそろい、セールスマンの専門知識が強いなどのメリットを持っているが、機器及び関連部品の価格が高く、一般に納期も長く、納期遅れのケースも生じるなど、製造メーカーのサービス体制が不十分であるなどのデメリットもある。
 
4.2.7 中国内陸河川標準化船型の開発における舶用機器の選定要素
 設計部門が中国内陸河川標準化船型の開発を行う時、基準船型の「安全・環境保護性9、技術先端性10、経済実用性11」のバランスをとる必要がある。船舶設計機構及び航運会社はその三つの要素に対し関心の重要点がそれぞれ違っており、設計部門は「技術先端性」を重視しがちであるが、航運会社は「経済実用性」をまず第1位に考える。また、航路、経営企業、用途が異なれば、船舶の技術先端性の中身も違ってくる。したがって、基準船型の設計と開発においては、設計部門は船舶の安全と環境保護性を確保しつつ、船舶の経済実用性も重要な要素として、企業の使用環境等を十分に調べるべきである。
 
基準船型の開発要点:
・市場の需要に応じてシリーズ化する。
・航路条件の改善に適応する。
・種類が異なる基準船型同士であっても、組合せて水門を通過することができる。
 
 揚子江の基準船型で言うと、現在の基準船型の設計は主要スペックの決定に留まっている。設計部門は基準船型の主要スペックのもとで、ユーザーの需要により船舶の技術設計と工事設計を完成する。最終的に完成した船型設計は基準船型の共通要件を満たし、機能上において個々のユーザーニーズも満たす。
 中国内陸河川標準化船舶の電気機械の選定、船室の配置、内装イメージなどは船舶の設計と開発において個々のオーナーの嗜好もあるため、基準船型の設計開発にあたって航運会社が選択することができるように多種な方案を提出すべきである。そのため、今回のアンケート調査では、設計院、航運会社及び造船所に対し中国内陸河川標準化船舶の電気機械の選定要素の順位を質問した。アンケート調査の結果によると、設計院、航運会社及び造船所は、内陸河川標準化船型開発における舶用機器の選定順位は「経済実用性→品質信頼性→技術先進性→安全環境保護性」であると認識している。
 
9 安全環境保護性は主に船舶の強さ、安定性、廃棄オイル・汚水の排出などパラメーターのことである。
10 技術先端性は主に船舶の速度の速さなど各種類のその他の同種類船舶と比べた時の技術パラメーターのことである。
11 経済実用性は主に企業の船舶への投資、運営コスト、投資額の回収年数など企業の収益をもたらす経済データのことである。


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