（4）販売先

　販売は、国内向けが殆どであり、2004年に生産したディーゼルエンジンはすべて国内で販売された。しかしながら、2004年9月以降、前後してブラジル、韓国、アメリカ、ベトナムなど幾つかの国と10台の低速の舶用ディーゼルエンジンの輸出契約を締結して、2005年8月に初めて1台の低速舶用ディーゼルエンジンをベトナムに輸出した。なお、同社はすでに輸出入を自社で行う権利を有しているが、今後も国内向けをメインとする方針は変わらない。

　同社の顧客は現在、中国船舶重工集団公司と中国船舶工業集団公司の傘下の造船企業、民間造船所がメインである。中国船舶重工集団公司傘下企業への販売は遼寧地区を主として、2004年度は会社の総売上げの60%を占めた。中国船舶工業集団公司傘下企業への販売は広東、上海地区を主として、2004年度は会社の総売上げの30%を占めた。民間造船企業は江蘇地区が主であり、2004年は会社の総売上げの10%を占めた。

　

　

　同社の販売方式は直接販売である。現在同社の製品はすべて同社の販売部が造船所と作り上げる単一の販売のルートで実施する。

　同社の販売チームは15人いる。

　

　以下は主要な造船所ユーザーリスト：

　

（5）代金決済等

　

　なお、同社は自社の運送船を保有しておらず、全て専門の運輸会社に委託して製品を水上輸送している。

　

（6）今後の事業計画

　同社は「第9次5ヵ年計画」期間中に技術導入を行い、約1億元を投資して当時としては国内最大級の近代的ディーゼルエンジンの組み立て工場建屋を完成させた。「第10次5ヵ年計画」期間中、国の「国債資金による技術改造プロジェクト」（総投資総額は3.5億元を計画）の対象として、工場のディーゼルエンジン生産能力を拡大、80万馬力に引き上げるとともに、VLCCと大型コンテナ船の主機関を製造する能力を備えた。また、韓国の韓国重工業株式会社と「大連韓重船機工程有限公司」を共同出資で設立、大型主要部品を生産する。同社の年間生産能力は今後も増加し、2010年までに150万馬力〜300万馬力にする計画である。

　

（今後、三年間のディーゼルエンジンの生産・販売計画）

　

（1）主な製品

　現在、同社はMAN-B&W中速ディーゼルエンジンの生産及び販売に従事している。

　2004年の売上収入は234百万人民元（＝35.1億円）、販売利益総額は9.5百万人民元（＝1.4億円）であった。

　主な製品は6/24シリーズ、21/31シリーズ、23/30シリーズ、28/32シリーズ、27/38シリーズ、32/40シリーズ全6シリーズのディーゼルエンジン、これらの製品は船舶の主、補助エンジンとして使われている。それらの製品の2004年度の販売額は同社の総販売額の95%を占めている。

　他の製品はディーゼルエンジンの部品である、販売額は総販売額の5%を占めている。

　

　下表は同社各類製品の2004年度主要な経営データ：

　

（2）生産設備

　

（3）資機材の調達

（主な調達区域）

　原材料の仕入れは70%が国内である。

　国外の主な原材料仕入れ内容は連接棒、ピストンリング、燃料加圧装置、高油圧ポンプ、仕入れ先はヨーロッパに集中している。

　国内の仕入れ内容は鋼材、ディーゼルエンジンの部品等で、仕入れ先は江蘇、上海、湖北地区に集中している。

　

（主な資機材調達先）

　

（4）販売先

　同社の99%の製品は殆どが国内向けの販売で、ごく一部を海外（ベトナム）に販売している。同社は自営の輸出入権を持っているが、輸出量を増やす計画はまだ無い。

　現在、同社の国内の販売エリアを分類すると、華東地区、華北地区、華南地区及び西南地区の四つの地区であり、各エリアの販売比率はほぼ一致している。華東地区は上海、浙江、江蘇が主で、華北地区では遼寧、山東、西南地区では湖北、重慶、華南地区は広東、福建が主である。

　

　

　販売方法：現在100%直接販売になっている。同社の製品は全て販売部が直接造船会社（75%）、船主（18%）及び貿易会社（7%）等と取引している。同社の販売員は約20人である。

　

　同社の主な顧客は以下のとおりである。

　

（5）代金決済等

　分割払いであり、通常は契約した際、総額の30%を支払う。検収合格後、総額の40%〜50%までを支払い、納品の際、残金を支払う。もし、客が必要であれば3%から5%までの残金は補修担保金として、1年の保証期間満了後に支払うことも出来る。

　

　運輸能力：同社は運送車両を持っていない、製品の運送は全て物流会社に委託している。製品の運送は全て陸上運送で、鎮江の複数の輸送会社に委託している。送料は本体価格とは別に個々の客が負担する。

　

（6）今後の事業計画

　同社は2000年に大規模な設備投資を行っており、総投資額8,800万元余りで新たな生産ラインを設けた。3,200m²は数値制御（NC）加工センター、2,428m²は組立試験場である。設備投資後、会社の機械加工水準は高まり、生産量も年々増えつつある。2004年度のディーゼルエンジンの生産量は207台、2005年度は237台に達した。2006年は260台の見込みであり、2010年に400台を目標としている。

　

　

（1）主な製品

　現在、同社はディーゼルエンジンの生産と販売に従事している。

　2004年の売上収入は3,974百万人民元（＝596.1億円）、販売利益総額は273百万人民元（＝40.9億円）であった。

　同社の製品ディーゼルエンジンを用途によって区分すると工事用機械、車両、船舶、発電所及びその他用ディーゼルエンジンの5種類。そのうち、工事用ディーゼルエンジンの販売額が一番多く、2004年度の総販売額の42%を占めている、船舶用のディーゼルエンジンの販売額は総額の16%になっている。その他の用途としては農業用などである。

　

　下表は同社の2004年度　船舶用製品生産・販売データである。

　

（2）生産設備

　

（3）資機材の調達

（主な調達区域）

　同社の原材料仕入れは85.7%が国内からである。国外仕入れエリアは英国が主であり、主な仕入れ品目は燃料加圧装置である。

　国内の原材料仕入れはディーゼルエンジンフレーム及び部品である。

　

（主な資機材調達先）

　

（4）販売先

　同社の船舶用ディーゼルエンジンは95%が国内販売である。国内の主要な販売エリアは華東地区であり、総販売の55.5%を占めている。華東地区は浙江、江蘇、山東を主としている。その他、華北、東北及び西北地区では天津、遼寧が主で、華南地区では広東が主で、華中、西南地区はで湖北、重慶が主である。

　

　販売方法：80%は代理店、20%は直接販売になっている。直接販売は会社本部が直接客先と単一の販売経路で販売を実施している。代理店販売は会社本部が直轄の各地の代理店を通して販売する。現在、同社の客先は造船会社と船主二種類で、それぞれの占有率は70%と30%。企業現有販売人員は100人である。

　

　同社の主な顧客は下表のとおりである。

　

　企業代理店のリスト：代理店の数は多く、以下は主な代理店である。

　

　同社の製品は量産品であり、顧客がラインナップの中から選び注文する。一般の客は本社及び代理店で、大口取引と特殊製品関係は本社で対応している。

　

（5）代金決済等

　支払い方法は分割払いである。契約時に総額の20%を支払い、残金は製品検収後、納品の際に支払う。

　なお、同社は運送車両を有しておらず、購入した製品は客が自分で運搬又は運送会社に委託する。

　

（6）今後の事業計画

　現時点で、工場の拡張計画はない。

　

　今後三年間の舶用ディーゼルエンジンの生産販売規模の見込み：