千葉市登戸海岸での貝採りの様子を描いています。背景に人家や和船が見えます。

山麓に小湊山誕生寺が描かれ、沖合は鯛の浦（妙の浦）と呼ばれました。

海女を題材にしていますが、当時の海女の暮らしというよりも御殿のお女中の遊びのように描かれています。鮑取りは、浮世絵の嬌艶画（きょうえんが）の題材の一つでした。

八丁櫓（八本の櫓）で出漁しようとするカツオの一本釣りの船で、江戸時代以降使用が盛んになりました。カツオ釣りには、生き餌のイワシを使いました。昇亭 北寿は、空を大きくとった構図の風景画が得意でした。

イワシ漁の大漁で賑わう銚子の様子が描かれ、漁師は万祝を着ています。万祝は漁師の晴れ着といえるものです。