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 図3-8は、異常潮位時における振幅変化の比率と位相変化をCase1とCase2について示したものである。振幅変化の比率は[区間B/区間A]の形で、位相変化の比較は[区間B位相−区間A位相]の形で示した。振幅変化の比率は、両実験ケースとも大阪湾から明石にかけて小さく、播磨灘の海域で大きくなっている。特に明石における値は小さく、また位相変化も大きい。この傾向は、Case1よりもCase2の方が大きい。
 
図3-7 調和解析より得られたConst.項値の分布
 
図3-8  異常潮位時における振幅変化の比率と位相変化の比較(Case1とCase2との比較)
 
 次に、Case3の振幅変化の比率と位相変化を図3-9に示す。図には、比較のためにCase1の値も示しておく。Case3の振幅変化の比率分布をみると、播磨灘の海域で大きくなっている。しかし、Case1の明石でみられた振幅比率の減少はCase3ではみられない。位相については、播磨灘、備讃瀬戸の海域で少し位相遅れの変化がみられる。
 
図3-9  異常潮位時における振幅変化の比率と位相変化の比較(Case1とCase3との比較)
 
 最後に、瀬戸内海大型水理模型の潮汐の再現性について述べておく。
 図3-10は、水理模型と原型との潮汐を比較したものである。Case1の区間Aの値を使って示した。原型の値は、海上保安庁水路部が発行している「日本沿岸 潮汐調和定数表」(書籍742号、平成4年2月)から得た。水理模型の値をみると、潮汐の振幅の大きさや位相のずれとも原型の値に殆ど等しく、潮汐の再現性が極めて高いことが分かる。
 
図3-10  模型と原型との潮汐比較
(再現性、Case1の区間A)


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