学生短編ビデオの部の入賞作品
全国の学生から募集した海に関わる短編ビデオ作品の表彰式は、本編の表彰式に先立ち同じく9月4日、幕張メッセ国際会議場で行われた。
会場には作品を応募した学生が全国から多数集まり、固唾を飲みながら入賞作品の発表を待った。
今回は、本格的に募集を開始してから締め切りまでの期間が極めて短く、映画祭事務局では作品が集まるのかどうかやきもきする日が続いたが、締め切り当日になって20数本の作品がまとめて届き、その不安は一気に解消した。結果、応募作品は北海道から九州まで合わせて41本に達した。
グランプリ
日本財団賞
奨励賞
表彰式でのヴィオラ演奏
平野 真敏氏
審査結果
◆学生短編ビデオ部門 グランプリ
京都市立芸術大学・田中 英行「Acoustic」
◆学生短編ビデオ部門 日本財団賞
東京工芸大学映画研究部・牛込 崇智「きえないあお」
◆学生短編ビデオ部門 奨励賞
バンタン映画映像学院・相羽 誠聡「愛すべきもの」
札幌デジタル専門学校・坂本 奈々「空の色は海の蒼」
東京芸術大学・大原 健「海岸線へ」
◆学生短編ビデオ部門 幕張メッセ賞
福岡大学映画研究部・小田 幸一郎「薄くて青い世界」
◆学生短編ビデオ部門 サッポロビール賞
東京情報大学伊藤敏朗ゼミ・金沢 剛「僕の夏休み」
◆学生短編ビデオ部門 JT賞
大阪大学映画研究部・原田 冬馬「愚鈍たち」
◆学生短編ビデオ部門 ちばテレビ賞
別府大学映画研究部・首藤 真実「金魚は海で」
審査委員長 岡田 裕
多数の応募作品の中から最終審査に残った六本の映画の最終審査会は八月三十一日、赤坂プリンスホテルの一室で、厳正且つ和やかに行われました。
審査委員は五名、角谷優(映画プロデューサー)、嶋津弘章(文藝春秋・編集者)、滝田洋二郎(映画監督)、馬英華(中国弁護士)と私(映画祭総合プロデューサー)です。審査会の冒頭で各委員の推薦作品を聞いたところ、意外に票が割れたのにはちょっと驚きました。多少過激で現代に対する批評精神の強い中国の二作品(「海鮮」「緑の帽子」)、宗教と人種の狭間での恋愛を描いたタイのスペクタクル時代劇(「タルームプック・迫り来る嵐」)、女子高生時代のひと夏の想い出をメルヘン調に描いた台湾の作品(「あの夏の日の浪声」)、メコンの河口近くで水牛と人間が圧倒的な自然と共存しながら生きる姿を描いたベトナムの叙情詩(「バッファロー・ボーイ」)、そして観光案内人の主人公の青年を通して現代風俗をホームドラマ風に描いたフィリピン作品(「もう一度」)と、各作品毎にジャンルが分かれており、それが審査委員を当惑させたんだと思います。結局、討議の結果、グランプリにミン・グエンヴォー監督の「バッファロー・ボーイ」を、審査員特別賞にリサ・チェン監督の「あの夏の日の浪声」を全員の納得で選び出しました。
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