2. アンケートとその結果
音楽療法に関するアンケート
[アンケート回答率:70名中41名(59%)(卒業生を含む)]
I. 音楽療法開始前情報
1. 埼玉県立小児医療センターにおいでになる前、音楽療法について聞いた事がありましたか?
[ない 95%]
[ある]と答えられた方は、どちらで
友人が音楽療法をやっていたから(1人)、学校で
2. 埼玉県立小児医療センターで最初に音楽療法と聞いて、どのように思われましたか?自由にご記入ください。
回答:何をするのだろう。とにかくなんでも挑戦してあげたかった。赤ちゃんは、いやがらないで出来るのか。生まれて何も分からない赤ちゃんにどう音楽を使うのか。
II. 音楽療法を受けてみて
1. 音楽療法は楽しかったですか? [はい 95%]
2. 音楽療法の時間は、満足されましたか? [はい 95%]
3. 音楽療法士は、お子さんに親切に対応していましたか? [はい 100%]
4. 音楽療法士は、きちんと皆さんの質問に答えましたか? [はい 98%]
5. 音楽療法は、お子さんのリハビリにつながりましたか? [はい 90%]
6. 音楽療法は、お母さんにとってプラスになりましたか? [はい 98%]
[はい]と答えた方は、どのようなところがプラスになったと思いますか?
他のお母さんと友達になれた。子どもとのコミュニケーションがとりやすくなった。
7. 音楽療法は、お父さんにとってプラスになりましたか?
[無回答 多数]
お父さんが参加されてない家族がいたため。
[はい]と答えた方は、どのようなところがプラスになったと思いますか?
父親同士知り合えることが出来、父親としてのコミュニケーションをとることが出来た。
8. ご兄弟のいらした方へ・・・音楽療法は、ご兄弟にとってプラスになりましたか?
[無回答 多数]
[はい]と答えた方は、どのようなところがプラスになったと思いますか?
9. これからも音楽療法を続けたいと思いましたか?
[はい 90%]
その理由−
近いから。このような場所がほかにないから。子どもが楽しいそうだから。自宅では出来ないから。子どもにとってプラスになると想うから。
III. 「難聴ベビー外来」 終了後の体制について
1. 埼玉県立小児医療センター「難聴ベビー外来」終了後、どこの療育機関に通っていますか?
名称:大宮聾学校、皆光園、ひまわり学園、埼玉県立小児医療センター言語聴覚訓練、坂戸聾学校、草加光生園、栃木県立聾学校
2. そこでは、音楽療法がおこなわれていますか?
[音楽療法ではないが音楽を使った活動]
3. 「難聴、ベビー外来」の音楽療法は、一年間で終了しましたが、どのように感じましたか?
もっと続けたかった・・・[29%]
ちょうどよい期間だった・・・[48%]
分からない・・・[23%]
その理由−
31名の回答:卒業していない人がいたため。
高度難聴と診断された人は分からないが多かった。もっとたくさんの経験をさせてあげたい。
4. 今後、音楽療法が病院以外で行われるとしたら、参加したいですか?
[はい 53%]
34名回答:病院で行われることが一番望ましい。
[はい]と答えた方のみお答えください。
5. 1回のセッションが、2500円〜3000円であれば受けたいと思う。
[はい 3%]
6. 音楽療法を受けるとしたら、どのくらいの移動時間であれば、通える範囲だとお考えになりますか?
30分〜1時間以内
7. 今後、難聴児における音楽療法の推進に、ご協力をお願いする。
回答者の半分は協力
8. 最近のお子様の状況を教えてください。
医療の発達とともに早期の発見が可能になった「難聴」ですが、その後の早期療育体制については、まだまだ追求した調査と研究=何が、難聴児とその家族に重要なのか?を考えさせられる講演会となりました
対象児の聴力の変化は、57名中19例(内正常化6例)は改善、9例は悪化、29例は無変化という報告を医師(埼玉県立小児医療センター耳鼻咽喉科科長−坂田英明医師、安達のどか医師)から受けた。
各セッション終了後に行うアンケートでは、音楽療法に参加することで、対象児の変化と共に両親の心境の変化が現れていることが伺えた。両親、特に母親にとって子供を出産直後行われる「新生児聴覚スクリーニング」後精密検査において、難聴と診断された場合、充実した療育態勢が確立されていることは大前提である。少しずつであるが、この度のアンケート調査で、その体制が整いつつあるように感じた。音楽療法の位置づけは大変難しい現状を抱えているが、音楽療法における子供の変化と共にご両親の心の変化は貴重な資料とさせていただきたい。
・継続的な音楽療法の位置づけの確立をはかりたい。
・音の振動を感じることで、音を認識させ、発達に則した刺激を充分に受けながら、多くの快体験を体験してもらいたい。
・母子間のコミュニケーション援助を引き続き、大切にしていきたい。
・対象児の笑顔を引き出し、母親に幸せな気分を感じさせ、母親が笑顔でいると赤ちゃんは落ち着くという連鎖反応を有効に導き出しながら、母子共にリラックスした楽しい時間となるよう援助していきたい。
・卒業後も継続をしたいという家庭へ音楽療法の活動に参加できる様、病院側の理解を深め、出来るだけ長期に参加できるよう活動を広げ援助していきたい。
・継続が難しい場合でも、家庭において『聴覚障害児のためのビデオ』の活用し、療育音楽を続けてもらい、電子メール・FAXによる相談受付等も行い、出来る限りフォローアップに心がけたい。
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