日本財団 図書館


IBCコードの改正に伴う国内法令化
現行規制の概要
(ケミカル船による運送に係る構造設備基準)
1. 適用
 ケミカル船による運送に係る構造・設備規制は、船舶安全法に基づく「危険物船舶運送及び貯蔵規則(危規則)」により行われている。本規制は、IBCコード*の内容を内航ケミカル船についても全面的に適用しており、船の大きさ及び航路に関わらず、液体化学薬品を運送するすべての船舶に適用されている。
 
*:危険化学品のばら積み運送のための船舶の構造及び設備に関する国際規則
 
(1)貨物タンクの位置及び損傷時復原性
(拡大画面:93KB)
 
(2)タンク形式
 貨物タンクについて、独立タンク構造、船体構造一体型タンク等の要求を規定
(3)通気装置等
・通気装置
・環境制御
・電気設備
・計測装置
・ガス検地装置
・消火剤等
・材料
・特別要件
 
(参考)船舶による危険物の運送基準等を定める告示
別表第8の3(液体化学薬品)
(拡大画面:99KB)
 
IBCコード改正の概要
(1)船舶の船型要件の全面見直し
 新評価基準に基づき各物質について再評価した結果、多くの物質について船型要件の適用に関する全面見直しが行われた。
(2)IBCコード適用物質の新たな追加
 新評価基準に基づきこれまでIBCコードの適用外物質を再評価した結果、IBCコード適用物質として新たに157物質が追加された。
(3)構造材料要件の全面改正
 これまでは各貨物毎に具休的な構造材料を例示し、使用又は使用禁止の要件を明記していたところであるが、これが全面的に削除され、造船所及び荷主が船長又は船舶運航者に対し、当該構造材料に係る必要な情報提供を行う責任を負うこととなった。
(4)電気設備要件の全面改正
 これまでは電気設備の危険場所への据え付け等について具体的な内容が明記されていたところであるが、これが全面的に削除され、主管庁の承認により行われることとなった。
(5)制御式貨物タンク通気装置の二重化の要件に関する改正
 500トン未満の船舶に対し、制御式貨物タンク通気装置の二重化の要件が課されることとなった。
 
船型要件の変更
表中の数字は物質数
現行IBCコードにおける船型
タイプ1 タイプ2 タイプ3 要件なし
改正後の船型 タイプ1 12 5 3 0* 20
タイプ2 5 105 109 57* 276
タイプ3 0 2 137 100* 239
要件なし 0 0 0 30 30
17 112 249 187 565
:船型要件強化 273物質
*:運送要件(通風,電気・消防設備等)が新規に適用。
なお、船型要件の技術基準については、従前のとおり。
 
内航ケミカル船への新構造設備基準等の適用に関する検討会の設置
1. 設置目的
 新基準への円滑な移行が図られるよう有識者及び関係業界の意向を踏まえ、適切な導入のあり方を検討することを目的とする。
 
2. 開催時期
・第1回:2005年10月6日
・第2回:2005年12月21日
・第3回:2006年1月18日
・第4回:2006年2月15日
※各検討会の資料については国土交通省のホームページに掲載している。
 
「内航ケミカル船への新構造設備基準等の適用に関する検討会」委員
・元IMO海洋環境部次長
・学識経験者(東京工業大学)
・財団法人理工学振興会
・社団法人日本化学工業協会
・社団法人日本海事検定協会
・社団法人日本植物油協会
・社団法人日本船主協会
・社団法人日本中小型造船工業会
・社団法人日本芳香族工業会
・石油化学工業協会
・全国内航タンカー海運組合
・財団法人日本海事脇会
・日本内航海運組合総連合会
・油糧輸出入協議会


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION