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Appendix
風洞実験データ
 4隻7種の船の風圧力係数の計測を行った。実験は海上技術安全研究所内の変動風水洞にて実施した。変動風水洞はゲッチンゲン型水平回流式風洞であり、風洞断面は高さ2m、幅3m、最大風速は30m/sである。また、20m/s時の有効断面内(壁から約10cm離れた風洞断面内部)での乱れ強さは最大0.34%である。
 Table A-1に船の主要目を示す。バルクキャリアは満載状態(Bulk-A)、軽荷状態(Bulk-B)、軽荷状態で搭載クレーンの存在しない場合(Bulk-C)の3種の実験を実施した。コンテナ船はコンテナを最大限搭載した満載状態(Container-A)及びコンテナの搭載が無い軽荷状態(Container-B)で実験を行った。その他、Ro-Ro客船(Ro-Ro)、練習船(Training)を対象として実験を実施した。
 模型の大きさは約1.0mから1.2mである。風向角を変更できるターンテーブル上中心に検力計を埋め込み、さらに船体中央部の底面と検力計を固定した。模型による最大風洞閉塞率は3%に満たないため、模型の縮尺に起因した実験値への影響は十分小さいと言える*)。実験は風速約20m/sで実施した。この風速域で風圧力係数が一定値となることを別途確認している。模型全長を基準としたレイノルズ数は105オーダである。
 風圧力係数は本文中で示した定義、座標系に従う。実験結果をFig. A-1に示す。ほぼ一様風速中で実験を実施したが風洞床面に約10cmの境界層が存在しており、その領域では風速の低下が見られる。境界層の影響を除くために平均高さまでの平均動圧qMを使用した。船が左右弦対称の場合は0度から180度まで、非対称の場合は0度から350度まで風向角を10度ごとに変化させ実験を行った。ただし、今回対象とした船の左右非対称性は小さく、Fig. A-1の結果は左右風向の平均値である。
 
*)日本建築センター:建築物風洞実験ガイドブック、1994
 
Table A-1  Principal particulars of experimental models
 
Fig. A-1  Wind force and moment coefficients of seven kinds of ships


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