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3. 3次元数値計算
3.1 数値計算手法
 数値計算は、温度成層中に放流される放流水の3次元挙動を推定できるものを用い、温度成層がある場合について行った。使用する3次元の基礎方程式は、(3)式の連続の式、(4)(5)(6)式のNavier-Stokes方程式、そして(7)式の熱拡散方程式、(8)式の濃度拡散方程式である。なお、流体の温度差は流体の物性値には影響せずに、浮力項のみに働くとするブジネスク近似を用いた。
 
 
 ここでt: 時間、x、y、z: 長さ方向、幅方向、深さ方向、u、v、w: x、y、z方向の流速、ρ: 流体密度、v: 流体の動粘性係数、g: 重力加速度、θ: 流体温度、θ0: 基準温度、β0: 温度θ0の時の流体の体膨張係数、k: 流体の熱伝導係数、Cp: 流体の比熱、C: 放流水の濃度、D: 放流水の拡散係数である。これらの方程式を無次元化および差分近似し計算を行った。差分は、対流項で3次精度風上差分(UTOPIAスキーム)を、拡散項に2次精度中心差分を、非定常項はオイラー陽解法を用いた。計算領域は、実験の対称性を考慮して、Fig. 8に示す領域とした。座標は、水面での実験模型中心位置を原点に、長さ方向にx、幅方向にy、水深方向にzとした。計算格子は、圧力、温度、濃度などを格子中央で定義し、中央から半格子ずらした点で速度を定義するスタッガード格子を用いた。また、計算結果の格子依存性を別途検討しており、格子を細分化した計算結果を比較し、収束解が得られた格子数を用いた。Fig. 9に示すように、x方向に26格子、y方向に8格子、z方向に93格子、計19344格子の不等間隔格子を計算領域に配置した。計算はHSMAC(Highly Simplified Marker-and-Cell)法20)を用いて行った。計算時間間隔は0.1sで、全体の計算時間は実験時間と同じ5分間とした。
 
Fig. 8 Calculation area and coordinate systems
 
Fig. 9 Staggered grids for this numerical calculations
(19344 cells, x, y, z = 26, 8, 93)


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