日本財団 図書館


企画展
描かれた神戸物語
―源平合戦から港街(みなとまち)・異人館まで―
平成17年4月29日[金・祝]−6月19日[日]
主催/神戸市立博物館・(財)日本海事広報協会・(社)神戸海事広報協会
 
ごあいさつ
 海と山の自然に恵まれ、また地理的に畿内の西の出入口にあたる神戸の地は、古代から和歌の歌枕や古典文学に登場し、源平の史跡をはじめ多くの名所が生まれました。江戸時代にはいると、神戸を往来する人々の数は増加し、実際にその風光に魅せられた人たちの共感の中から、和歌や文学をはなれた新しい名所も描かれるようになります。
 開港以降、異国情緒あふれた港都の賑わいは人々の注目を集め、神戸のイメージを決定づけることになります。とくに芸術家の眼を通してとらえられた神戸の風景画には、名所だけではなく、成長する近代都市のさまざまな側面が表現されています。
 本展では、神戸を舞台とした物語や神戸を描いた作品など約160点の資料をとおして、神戸のイメージがどのように形成されてきたのかを紹介し、神戸の魅力を震災10年にあわせて発信します。神戸のイメージを語るのに、本展の資料だけで十分とは考えていませんが、他の都市とは異なった特徴ある神戸の魅力をお楽しみいただけるものと思っています。
 最後になりましたが、貴重な資料をこころよくご出品賜りました皆様に深く感謝申しあげますとともに、多大なご協力をいただきました方々に厚くお礼申しあげます。
平成17年4月29日
主催者
 
 
凡例
1. 本図録は平成17年4月29日(金、祝)から6月19日(日)まで、神戸市立博物館で開催する企画展『震災10年 神戸からの発信 描かれた神戸物語―源平合戦から港街・異人館まで―』の展示解説図録である。
2. 図版番号は出品資料の番号と共通するが、展示の順序とは必ずしも一致しない。
3. 会期中に一部展示替えするため、図録に所収のものでも展示されていないことがある。
4. 寸法は原則として縦×横で表示したが、資料の形状に応じて注記した。単位はセンチメートルである。※は、神戸市立博物館の所蔵をあらわす。
5. 各章のリード文は、Iは問屋、IIは成澤、IIIは金井が担当した。
6. 資料の解説は、次のとおり学芸員が分担した。
金井紀子 No.69、80〜157
高久智広 No.67、68
問屋真一 No.1〜3、6〜9、12〜28、31〜36、41〜47、49
成澤勝嗣 No.4、5、10、11、29、30、37〜40、48、50〜66、70〜73、78、79
松林宏典 No.74〜77
 
お願い
 本展覧会に展示されている資料の中には、江戸時代の社会における被差別身分の呼称や、それを付した地名などが記載されています。これらの被差別身分は、権力者によって編成されたものであり、社会が忌避する役割を負担させられていました。
 私どもは、江戸時代における不当な差別の歴史を正確に伝え、理解を深めるためには、これらの事実を隠蔽することは的確でないとの判断から展示をおこなっています。それは一日も早く差別が解消されることを願い、その時代の社会全体の仕組みを明らかにしたうえで、一歩、一歩、問題の解決を考えていくことが大切だと考えたからです。
 観覧の皆様におかれては、この趣旨をお酌み取りいただき、江戸時代の身分制社会、さらには近代・現代における人権問題の重要性についてご理解いただけるよう願っています。
主催者
 
ご協力いただいた方々と機関(五十音順・敬称略)
 
芦屋市立美術博物館
伊勢上仁子
上尾忠生
嘉納邦子
株式会社みなと銀行
川西祐三郎
川端皓孔
神原敏行
北村信雄
神戸市議会
神戸市相楽園
神戸地下街株式会社
神戸ファッション美術館
神戸市立小磯記念美術館
小松伸哉
澤村嘉子
菖蒲新策
品川キヨ
須磨寺(貫主 小池弘三)
大仁 勇
多田晶子
田中文雄
辻 智美
井義行
中条康友
中尾堅一郎
中尾隆夫
中島利一郎
中山岩太の会
中山 聖
西尾義昭
西村久美子
西村静子
昇 律子
白鶴美術館
林 和子
林 真理
兵庫県立美術館
平田恵美子
平田時雄
桝井二郎
圓井謙三郎
三木祥司
元川博之
薮本公三
横山幾子


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