取材――株式会社サークオン
*おことわり=連載「吟剣詩舞こんなこと知ってる?」は、誌面の都合により今月号は休載いたします。
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水六訓
一、あらゆる生物に生命力を与えるは水なり。
一、常に自己の進路を求めてやまざるは水なり。
一、如何なる障害をも克服する勇猛心と、よく方円の器に従う和合性とを兼ね備えるは水なり。
一、自から清く他の汚れを洗い清濁併せ容るの量あるは水なり。
一、動力となり光となり、生産と生活に無限の奉仕を行い何等報いを求めざるは水なり。
一、大洋を充し、発しては蒸気となり、雲となり、雨となり、雪と変じ、霰と化してもその性を失わざるは水なり。
水を心とすることが平和と健康と長寿の妙薬であります。
笹川良一
明日への提言
世(よ)はなべて のどけき春(はる)の 風(かぜ)さえも 身(み)にしみじみと 昔(むかし)をぞ思ふ(おもふ)
河田和良
幕末の名君として知られる福井藩十六代藩主松平春嶽(まつだいらしゅんがく)の和歌です。十一月三日(文化の日)、福井県武生市(たけふし)のサンドーム福井で開かれる第二十回国民文化祭・ふくい二〇〇五「全国吟詠剣詩舞道祭」の第二部本部企画構成吟「日本の改革」―松平春嶽の藩政改革と維新の計―の冒頭で朗詠させていただきます。
国民文化祭は、今年二十回という節目の年を福井県で迎えましたが、財団の春の平成十七年度全国名流吟剣詩舞道大会(略称は名流大会)は、五月五日(こどもの日)に、九州は火の国、熊本市で三十四回目の大会を開催しました。
ところで、福井県の福井市と熊本市は、平成六年十一月に姉妹都市の提携を結んでいますが、北陸と九州、水の国と火の国、一見、何の結び付きもないように見える両市ですが、歴史的には極めて深いかかわりを持っていました。
幕末の福井藩主・松平春嶽の正室に熊本藩主・細川斉護(ほそかわなりもり)の三女勇姫(いさひめ)が迎えられていました。この縁から、当時、熊本藩で不遇をかこっていた大思想家・横井小楠(よこいしょうなん)を福井藩の政治顧問として招聘することができたのです。
また、福井藩士であった松平正直(まつだいらまさなお)が、後に熊本県知事になったことや、福井藩士で幕末の思想家として知られる橋本左内(はしもとない)を世に紹介したのが、熊本県出身のジヤーナリストで漢詩家の徳富蘇峰(とみとくそほう)であったり、両市の縁はたいへん深かったと聞いています。
今年五月に熊本県で開催された名流大会の企画構成番組では、思想家・横井小楠が諸国を行脚する中、福井藩主・松平春嶽に見出され、遂には、福井藩の藩政改革、日本の改革に活躍の場が与えられたという内容の「経国安民(けいこくあんみん)の大業(たいぎょう)」―横井小楠、維新の旅―と題した番組をご披露しました。
そこで、この度の福井県では、激動の慕末維新期にあって、日本のリーダーとしての資質を備えていた松平春嶽の人材登用の慧眼とその活躍を綴った「日本の改革」―松平春嶽の藩政改革と維新の計―と題したリレー企画番組をご披露することにしました。
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