日本財団 図書館


吟剣詩舞だより
詩吟との出会い
―小学生のときの「学芸会」が遠因に―
千葉県・日高峻嶺
 
詩吟をバックに剣舞を練習
 昭和二十年の七月下旬、郷里の小さな入江で泳いでいた私は、アメリカ・グラマン機の機銃掃射に遭遇した。郷里は三方海に囲まれ、当時「大分の陸の孤島」と呼ばれていたが、豊後水道に面した岬に軍事基地があったため、米軍機は容赦なく襲ってきた。傍若無人なグラマン機は、海抜わずか数十メートルの低空から、海辺に遊ぶ子供を狙って機銃掃射を繰り返したが、当時八歳であった私はその都度海にもぐって難を逃れた。
 それから一年後、終戦を経て徐々に落ち着きを取り戻していた私たちの小学校では、学芸会の練習が始まった。私は教頭の息子さんであった野田君と「剣舞」をやることになった。女性の雲井先生ご指導のもと、白い布で鉢巻きをして放課後毎日のように、竹刀を振るっていたが、その時のバックミュージックが今思えば、なんと「不識庵機山を撃つの図に題す」であった。
 剣舞の練習は一カ月余り続いたが、進駐軍の「武力を連想する行事はまかりならぬ」の通達によって中止となった。しかし「鞭声粛々〜」の吟調はいつまでも心に残った。
 
詩吟で培った知己は貴重な財産
 戦後三十八年を経た昭和五十八年の春、私はそれまで勤めていたA社の九州・延岡支社から東京本社へ転勤となった。柏市に移り住み、いつかは詩吟を学びたいと思っていたが、そのチャンスは以外に身近にあった。
 ある宗教の関係で私たちは、家族ぐるみで週一回、近くの教会に参拝していたが、教会長のお姉さんが三十数人の詩吟会員を擁する篁嶺会の鈴木篁玲先生であった。「入会させて頂きたい」という私の要望に、鈴木先生は「練習風景をご覧になって、その上で決めたら―」と答えられ、一つの教室を紹介された。私は、同年輩の皆さんが目を輝かせて練習している姿に圧倒され、即座に夫婦で入会させて頂いた。以来、これまで十一年。詩吟の上達はままならないが、しかし、鈴木光生の人間性を反映して、会員の皆さんは素晴らしい方々ばかりであり、私は週一回の練習が楽しくて仕方がない。
 柏市には十六の詩吟の会があるが、私の所属する篁嶺会は、市の柏市吟詠剣詩舞協会に加入するとともに、千葉県吟剣詩舞道総連盟の一員でもある。私は県や市の主催する行事には、できるだけ参加するよう努めており、毎年秋、日本武道館で行なわれている全国吟剣詩舞道大会の見学も、ここ数年欠かしたことはない。
 もう一つの大きな楽しみは、中国旅行吟友会が毎年行なっている中国の旅行に参加することである。
 漢詩に出てくる場所を求めてのこの旅行に、私は過去五回参加。西安(長安)を振り出しに、念願だった、二百三高地、旅順港をはじめ三峡下り、白帝城、黄鶴楼、峨眉山、玉門関などを訪れることが出来た。こうした貴重な体験や、詩吟を通じて培われた先生方との交わりは、いま私のかけがえのない財産となっている。
 
岳精流日本吟院
平成十七年度全国吟道大会を開催
横山岳精吟道七十周年記念 岳精流日本吟院全国吟道大会
平成十七年六月十二日
川崎市教育文化会館(大ホール)
 
 横山岳精吟道七十周年記念岳精流日本吟院の「全国吟道大会」が去る六月十二日、川崎市教育文化会館の大ホールにて開催されました。
 
式典で花束の贈呈を受ける横山岳精宗家
 
 当日は好天にめぐまれ、大ホールには、全国の会員、来賓の諸先生、宗家後援会の方々を含めて約二千名が集まり、会場は熱気に包まれました。
 大会行事は午前九時三十分にスタートし、午後四時二十分に終了。大会は厳粛かつ大盛会でした。大盛会となった背景には、次の二点が挙げられます。
 第一点は、ご来賓の諸先生による詩舞、剣舞、吟詠が次々と披露され、会員一同、改めて勉学の刺激をうけたことです。
 第二点は、宗嗣・横山精真監修による構成吟「吟詠で綴る宗家吟道七十年」が好評で、会員は勿論のこと、来賓の諸先生、後援会の方々にも深い感銘を与えたようでした。
 また式典では、財団法人日本吟剣詩舞振興会の河田和良会長をはじめ、四名の来賓の先生からご祝辞をいただきました。
 河田和良会長に続いて、神奈川県吟剣詩舞道総連盟理事長の西形興信先生、横山岳精後援会会長加藤丈夫先生、それにコロムビアミュージックエンタテインメント(株)専属作詩家の丘灯至夫先生(米寿)です。
 そして式典で強く印象に残ったことが二点ありました。第一点は宗家が挨拶され「大会が盛大に開催されたこと」に感謝の意を述べられ、また「来年からは宗嗣が宗家となり、宗家は家元になる」という決意を語られたことです。
 第二点は宗家から「青少年育成基金」が財団副会長の鈴木吟亮先生を通じて、(財)日本吟剣詩舞振興会に贈呈されたことでした。
(岳精流日本吟院総本部 広報部長 福島赳風)
 
言志堂紫水流野田紫水宗家叙勲祝賀会
平成十七年六月十三日
菊池市菊池グランドホテル大広間
 
 野田紫水宗家は四月一日、多年の教育功労に依り瑞宝雙光章を受章、六月十三日、百名の門下生と来賓が集まって祝賀会が盛大に開催されました。祝賀会は内田祥水発起人代表の主旨挨拶から始まり、記念品贈呈や花束贈呈、菊池市教育長木下氏(代理)熊本県総連理事長益中鵬山氏、教え子代表竹田氏等の功績を称えての祝辞があり、宗家作「叙勲慶祝」を大合吟、「祝賀詞」を会員が舞って祝賀会はクライマックスに入り、引き続き祝宴に入って祝賀会は夕暮に及びました。
 謝辞の中で、紫水宗家は「私が今日あるのは母の謝恩の教育、学校、社会に於ける先生、先輩の愛と社会に生きる哲学の教え、そして中学済々黌一年の時、荒木貞夫中将に詩吟をすすめられ皇風会に入会して吟詠を終生続けたおかげです。済々黌時代宮様の御前吟詠、横浜八聖殿全国吟詠大会の出吟、JOGK熊本放送局からの吟詠放送等、中学生時代から吟詠が私の人間性と命を守り育ててくれました」と感涙の言葉を述べられました。宗家は既に米寿、猶お矍鑠として指導の第一線にあり、漢詩作詩講座、吟詠講座等々。会員は宗家と在ることを誇りとし、爽やかな思いで会場を後にしました。
(言志堂紫水流本部庶務係)
 
叙勲受章記念祝賀会
 
財団法人 日本吟剣詩舞振興会関連行事予定表
(平成17年9月追加)
時間 大会名 開催場所 責任者
4日(日) 9時30分〜
16時30分
平成17年度 第34回泰洲流吟剣詩舞道大会 四日市市文化会館 第2ホール 山路泰洲
23日(祝) 9時00分〜
17時00分
平成17年度 第27回港区吟剣詩舞道大会 麻布区民センター 橋場隆吟
25日(日) 9時00分〜
19時30分
伝統と躍進 第52回清吟堂吟友会吟剣詩舞道大会 松山市民会館 大ホール 野中清峰
25日(日) 9時00分〜
19時00分
第51回神奈川県吟剣詩舞道総連盟発表大会 茅ヶ崎市民文化会館 西形興信
25日(日) 9時00分〜
20時00分
愛国詩吟総連盟 第60回 第1部(一般の部)吟士権者決定詩吟大会) 尼崎市総合文化センター 辻本實峰
 
財団法人 日本吟剣詩舞振興会関連行事予定表(平成17年10月)
時間 大会名 開催場所 責任者
2日(日) 10時00分〜 吟亮流吟風会創立75周年記念祝賀会 東京マリオットホテル錦糸町東武 福井吟行
2日(日) 12時00分〜
16時00分
第15回県民文化祭参加 第38回青森県吟剣詩舞道五戸大会 五戸町立公民館 寺嶋城靖
2日(日) 9時00分〜
20時00分
愛国詩吟総連盟 第60回 第2部(指導者の部)吟士権者決定詩吟大会 高槻現代劇場 辻本實峰
2日(日) 9時30分〜 平成17年度 福島県芸術祭主催事業 福島県吟剣詩舞道第39回大会 原町市民文化会館 西山岳聚
9日(日) 19時30分〜
16時25分
淡窓伝光霊流宗家三回忌追悼
日本詩道会 全国吟剣詩舞道大会
iichiko総合文化センターグランシアター
(旧県立総合文化センター)
深田發子
福永瀧霊
9日(日) 9時30分〜
17時00分
北海道北部総連盟 吟詠剣詩舞大会 旭川市公会堂 西口琴玲
9日(日) 9時00分〜
18時00分
天真流半田吟詠会創立42周年吟剣詩舞大会 半田市亀崎公民館 伊東真詔
10日(祝) 10時00分〜
18時00分
天洲流吟詠会 第48回吟と舞の集い 国立オリンピック記念青少年総合センター 寺山天洲
15日(土) 12時00分〜
16時30分
吟剣詩舞演心会 富士・富士宮支部大会 富士市民文化会館 中屋喜子
16日(日) 9時30分〜
18時00分
第51回北陸三県詩吟剣詩舞道大会 七尾サンライズプラザ中ホール 前濱錦城
16日(日) 9時00分〜
17時00分
第39回中四国剣詩舞道大会 愛媛県民文化会館サブホール 渡部南柳
16日(日) 9時00分〜
18時00分
全国朗吟文化協会 創立45周年記念(吟と舞 秋の集い) 東京九段会館 小倉契秀
23日(日) 9時30分〜
16時00分
第29回県民芸術祭参加 第42回群馬県吟剣詩舞道大会 前橋市市民文化会館 大ホール 金井心將
23日(日) 9時00分〜
17時00分
聖風流創立35周年記念吟剣詩舞道大会 大阪市勤労文化会館もちのきホール 浅田聖風
23日(日) 10時00分〜
17時00分
熊本県吟剣詩舞道総連盟結成30周年記念
三賢堂、八聖殿顕彰 吟剣詩舞道大会
熊本市民会館 大ホール 益中鵬山
23日(日) 10時00分〜
17時00分
神燈流剣詩舞道大会(流祖鹿野神燈師、鹿野神洞師追悼) 千代田区公会堂 山下神燈
23日(日) 12時30分〜
16時30分
第32回「吟と舞」福島県大会 郡山市民文化センター 榊原静慧
30日(日) 8時45分〜
17時00分
平成17年度 第21回愛媛県吟剣詩舞選手権大会 松山市総合コミュニティセンター
キャメリアホール
岡田翠松
30日(日) 9時30分〜
17時00分
不朽流吟詠会創流85周年 第55回記念大会 豊橋市公会堂 大伊達不朽
30日(日) 11時00分〜
15時00分
吟道賀城流創立50周年記念祝賀会 都ホテル大阪(浪速の間) 白井琴城
30日(日) 10時00分〜
17時00分
財団公認 岡山県吟剣詩舞道創立50周年記念大会 倉敷市民会館 大本旭章
30日(日) 13時00分〜
17時00分
第34回全国少壮吟詠家審査コンクール北海道地区大会 リフレサッポロ 北海道地区連協
 
九月NHK教育テレビ
吟詠放送
「吟詠・秋風を聞く」
●放送日時
九月十七日(土)
午後二時三十五分〜同二時五十分
●吟題と出演者
一、和歌・あききぬと (藤原敏行)
あききぬと
めにはさやかに
見えね(みえね)ども 風(かぜ)のをとにぞ
おどろかれぬる(繰返し)
〈吟〉河田 神泉
二、秋思 (張 籍)
〈吟〉清水 照鵬
三、新涼書を読む (菊池 三渓)
〈吟〉林 鳳俊
四、山間の秋夜 (真 山民)
〈吟〉河田 
五、登高 (杜 甫)
〈吟〉海老澤宏升
   清水 錦洲
   前山 紫峰
 
九月NHKラジオ
FM吟詠放送
「邦楽のひととき」
●放送日時
九月十五日(木)午前十一時〇〇分〜同三〇分
●再放送
九月十六日(金)午前五時二〇分〜同五〇分
●吟題と出演者
一、和歌・夕されば (源 経信)
夕(ゆう)されば 門田(かどた)の稲葉(いなば)
おとづれて 蘆(あし)のまろ屋(や)に
秋風(あきかぜ)ぞ吹く(ふく)(繰返し)
秋思 (許 渾)
〈吟〉北川哲水
二、和歌・不知火の (吉井 勇)
不知火(しらぬい)の 筑紫(つくし)の海(うみ)の
遠鳴(とおなり)も なつかしければ
はるばると来つ(きつ)(繰返し)
阿蘇山 (安達漢城)
〈吟〉伊東昂峰
三、西教寺を訪う (広瀬淡窓)
鹿児島客中の作 (亀井南冥)
〈吟〉若原 峰洲
四、月夜禁垣外を歩す (柴野栗山)
西宮秋怨 (王 昌齢)
〈吟〉大森英風
五、夜受降城に上って
笛を聞く (李 益)
客中の作 (李 白)
〈吟〉松葉水勲
六、秋思の詩 (菅原道真)
〈吟〉山岡翆山


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