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一、吟剣詩舞道憲章の精神
財団会長 河田和良
吟剣詩舞道憲章
 詩歌は人の心の表現であり、すぐれた詩歌は人類文化の遺産である。われわれの先達は、この詩歌を吟じ、その吟により舞うことを考え、芸としての向上進歩を目ざして精進努力を重ね、吟詠・剣舞・詩舞というわが国独自の高雅な芸道を育てあげた。
 吟剣詩舞道は礼と節を、その心とする。詩歌に親しんで情操を高め、日本民族の心を探究しながら自己の陶冶を志向するこの芸道こそ、わが国の精神文化の高揚に不可欠のものである。
 われわれは、この価値ある吟剣詩舞道を受け継いだことに大きな誇りをもつと同時に、各人の研鑚と相互の努力によってますます斯道を隆盛に導く責任を果たさなければならない。しかも、その実践は、この芸道の心、すなわち礼と節の上にたたなければならない。その軌範として、この憲章を制定する。
昭和五十年一月十一日
財団法人 日本吟剣詩舞振興会
会長 笹川良一 ほか 役員一同
 
一、基本姿勢
 吟剣詩舞道を行なう者は、礼と節とを行動の軌範とし、日々、芸の研鑚と品性の陶冶に努める。
二、指導者の心構え
 吟剣詩舞道を指導する者は、みずから師たるにふさわしい人格、識見を備え、指導全般にあたっては権威をもって望む。
三、師に対する心構え
 吟剣詩舞道を学ぶ者は子弟の礼節をわきまえ、秩序を堅持する。
四、分家・独立
 吟剣詩舞道を行なう者が分家・独立する場合は、その組織を代表する者の許しを得る。
五、他流との関係
 吟剣詩舞道を行なう者は他流の名誉を傷つけ、秩序を乱すような言動は厳に慎しむ。
六、吟剣詩舞道の普及向上
 吟剣詩舞道を行なう者は、大衆性と芸術性とを併せもつ斯道の今日像を正しく伝え、特に青少年層における吟剣詩舞道の普及向上に努める。
七、吟剣詩舞道の目標と相互の協力
 吟剣詩舞道を行なう者は、相互に協調、互譲の精神をもって斯道の普及振興に協力し、本会の認める姉妹団体とも動物有機体的団結をもって日本の伝統に基づく国家社会の正しい発展に寄与する。
 
二、財団の組織運営と指導者の役割
財団専務理事 工藤龍堂
1、財団法人日本吟剣詩舞振興会(以下「財団」と略称)の概要
(1)財団の性格・・・文部科学大臣許可の公益法人(文化庁所管)。吟剣詩舞の向上振興を図り、日本文化の高揚に寄与することを目的とする全国組織である。
(2)財団の創立・・・昭和四十三年(一九六八)十月二十一日設立許可。
(3)財団の規模・・・平成十七年三月三十一日現在、基本財産は十億五千万円、正味財産は十六億四千四百万円(基本財産、普及事業基金五億一千八百万円、青少年育成基金三千九百万円及び事業費平衡基金二千万円を含む)である。→【基本財産(内六億九千万円)及び普及基金(内五億円)は日本財団基金助成金】
(4)財団の組織・・・財団本部(会長・常任理事会・理事会・評議員会・事務局)。自主運営組織として地区連絡協議会(七組織)と財団公認総連盟(五十一団体)がある。
(5)財団の予算・・・平成十七年度の財団本部予算総額は二億六千万円である。
(6)財団の事業・・・吟剣詩舞道界の組織化、吟剣詩舞人口の増加、吟剣詩舞の芸術的向上のための各種事業を実施。
 
2、財団の基本姿勢と事業活動
(1)吟剣詩舞道の心を守る・・・吟剣詩舞道憲章の制定と啓蒙
(2)吟剣詩舞道人口の増加・・・全国の組織化促進と協力援助
(3)吟剣詩舞道の芸の向上・・・芸術的向上のための各種事業
3、吟剣詩舞振興のための実際活動
(1)一般事業・・・組織化促進(地区連協代表者会議開催)、協力援助(公認総連盟協力援助、全国高等学校総合文化祭協力援助【青少年育成基金】、国民文化祭協力援助、青少年育成事業協力援助【青少年育成基金】)、研究会開催(吟詠及び剣詩舞専門委員会開催)、功労者表彰(吟剣詩舞大賞表彰など)
(2)普及事業・・・海外普及(海外普及のための吟剣詩舞道代表団派遣)、広報活動(財団ホームページの設置と運用)→【普及事業基金】
(3)振興事業・・・発表会開催(名流大会、武道館大会)、吟詠教本発行(漢詩集解説書、アクセント付漢詩集)、会報発行(月刊「吟剣詩舞」)、教材頒布(吟詠集及び伴奏集テープ・CD)→【収益事業】
(4)助成事業・・・コンクール開催(吟詠、剣詩舞、少壮、群舞各コンクール)、講習会開催(夏季大学、剣詩舞大学、少壮研修会)、衛星放送(レジャーチャンネルテレビ番組「吟剣詩舞の世界」)→【日本財団助成金】
 
三、審査規定の解説とコンクール審査の実態
財団副会長 鈴木吟亮
講義資料=別冊「吟詠コンクール審査規定(平成十四年度改定版)」及び「前会長笹川鎮江先生講義録(抜粋)」


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