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わたしたちの航海日記
「こわかったマスト登り」
 ぼくが、学校から帰ってきたときのことです。「お母さんなにそれ?」ぼくは、そういいました。お母さんが手にパンフレットをもっていました。お母さんが、「市役所からもらったんだよ」と言ってさっそく中身を見ました。それが「あこがれ」のパンフレットでした。一泊二日のコースに入りました。どうしてすぐにやったかというと、いろいろな人と交流して、学習して、宿泊するという体験をするのが好きだからです。そしてついに六月十八日が来ました。あこがれの船を見てびっくりしたことが三つあります。一つ目は帆がいっぱいはれるからです。約十二枚くらいもはれてよかったです。二つ目はヤマトタケルノミコトがすごく美しかったことです。それを見て、バウ渡りをして、今にもさわりたかったことです。三つ目はこの船で世界一周したことです。ぼくもこの船に乗って世界一周したいです。
 そしてついに船にのりました。自分の部屋に入りました。足場がせまかったので大変でした。そして、帆を張る作業が始まりました。5分前行動で、せっせといきました。メインデッキにはあまり人がいなかったので、一人ごとで時間を食いました。それでみんながきたのでせいれつさせました。ついにロープをひっぱる作業が始まりました。みんなの、「2-6ヒープ」というかけ声をあげて、帆がぐんぐんあがります。それも終わって、まちにまっていたマスト登りが始まりました。ぼくの番が回ってきて、一歩一歩のぼっていきました。半分でもうのぼれませんでした。でも、勇気をもってのぼったらなんとか成功しました。すごくこわかったです。おりる時はそんなこわくなかったのでよかったです。また今度、あこがれの船が能代に来たら絶対に乗りたいです。とても楽しかったです。
 
マスト登り
 
児童の母
 先日は能代港での宿泊コースで大変お世話になりました。お蔭様でひどい船酔いもせず、陸では体験できない事をたくさん出来てとても楽しい船旅の様でした。乗組員の方達も、皆、感じが良く出発前に安心致しました。
 初めて目にした帆船の格好良さ、船でのたくさんの作業や体験、声を掛け合う事の大切さ、環境についての知識、一度やってみたかった釣り、おいしかった食事。次から次へと話してくれました。今回、感想を書くにあたって『800字じゃ全然たりないのに!!』と言いながらなんとかできましたので送ります。この次はいつ能代に来て頂けるのでしょうか・・・?
 今から、勝機も妹(7才なのでのれませんでした)も心待ちにしている状況です。どうか、又、立派な『あこがれ』の姿を見せて下さい。会える日を楽しみにしています。体に気を付けて、皆様元気でお過ごし下さい。本当にありがとうございました。
 
展帆作業
 
「夢を叶えてくれた『あこがれ』」
 地元紙に帆船「あこがれ」のトレーニー募集の広告が載った時、夢が叶うとうれしさで小踊りしました。ヤードに船員が並び、帽子を振っているシーンにあこがれていたからです。一泊二日では少し物足りないかなと思いましたが、地元港への入港ということで、すぐに乗船を申し込みました。船内見学でブリッジにこの船のローリング最高記録が左右に五〇度を越えたことが記録されていました。あらためて「あこがれ」が安全な船であることが分かりました。帆船映画を見ると、マストと船べりに何本ものロープが張り巡らされ、これをどのようにたくさんの水夫で一糸乱れず操船するのか不思議でした。セイル・トレーニングヘの参加で、リーダーやワッチ間で大きな掛け声で作業を確認したり、汗まみれになって一心になってロープを引きました。帆船は、十分に風をはらませる展帆、強風下での畳帆など、安全にスピーディーに作業をするためにチームワークの大事さを改めて知りました。
 マスト登りは、高所恐怖症の私ですが、しっかりロープを握っていさえすれば落ちることはないだろうと思って無我夢中で登りました。でも、逆バンクのところは緊張で手がこわばりました。翌日のヤード渡りは、スターボート側のトップヤードを申し込みました。恐怖で足が震えだしたらどうしようという思いがありましたが、なんとか目的の位置に辿り着き甲板の人々が小さく見えた時は誇らしい気持ちになりました。今はトギャランを登れば良かったなと少し残念な気持ちでいます。
 風や波があまり無く、穏やかな体験航海でしたが、一緒に乗船した子供たちは、マスト登りやヤード渡り、バウ渡りを体験し、きっと大きな自信になったことと思います。
 安全が十分に配慮され、きびきびと動くスタッフにも感心しました。食事も美味しく頂くことが出来ました。船長さんをはじめスタッフの皆さんに心から感謝申し上げます。
 
「風が気持ちいい〜!」


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