すぎのこ (101)
2006 1/1
財団法人 すぎのこ文化振興財団
E-mail:support@suginoko.org
事務局:
〒171-0022 東京都豊島区南池袋4-19-6 TEL.03-3984-2396 FAX.03-3984-2264
飯能研修センター:
〒357-0063 埼玉県飯能市飯能325-2 TEL.042-971-4121 FAX.042-971-4155
嬬恋研修センター:
〒377-1611 群馬県吾妻郡嬬恋村干俣 TEL.0279-96-1015 FAX.0279-96-1662
中国支部:
TEL.0829-28-2472
文化芸術振興プラン始動!
理事長 小澤幸雄
明けましておめでとうございます。皆様とすぎのこにとってこの一年が輝かしい一年となりますよう祈念致します!
昨年は戦後60年と言う節目にあたり、いろいろな記念事業があちこちで開かれましたが、二度と戦争を起こさない、起こさせない世界を実現させるには、一人一人が平和への信念を持って行動しなければいけないし、そういう子ども達を育てて行かなければならない、と改めて考えさせられた一年でした。
戦後、破壊と疲弊の中から不死鳥のように蘇り、先進諸国に肩を並べる迄に至った日本の活力には、諸外国も驚嘆の眼差しで見てきたことでしょう。しかし、その発展の影に、私たちは古来より受け継いできた人や物への優しさや思いやり、精神的な逞しさやしなやかさ、といった日本人本来の心を忘れ失いつつあるように思われてなりません。万物を神と畏れ敬い、人にも自然にも優しかった日本の心を取り戻し、平和を希求するアジアや世界のリーダーとして21世紀を担うに足る人材の育成が今こそ緊急の課題と感じます。
すぎのこは昨年創立41周年を迎え、新たな出発の年として「文化芸術振興プラン」を立て、準備と活動に一年かけてきました。
そのプランの中身は、
1. 創立以来40年間、どんな山間・離島・僻地・小規模施設の子ども達にもナマの舞台を届けようとの思いから続けてきた幼稚園・保育園での全国巡回公演を、もう一歩前進させ「全国巡回公演プロジェクト」を組織し、日本各地の支援協力体制を築き、観劇予算のない施設での観劇会も開催可能にするため、第2期「どの子にもナマの舞台の感動を!キャンペーン」を展開していく。
2. 自然環境の崩壊と、人の心の荒廃は相関関係にあり、その根は同じで、相手の立場を考えず自分さえよければそれで良しとする、身勝手な心と行動の産物で、それは同一歩調で悪化の一途を辿っていると考えます。そこで「民話・伝説伝承プロジェクト」を組織し、日本人の心を培ってきた各地に伝わる民話・伝説を、地域の人達の手によって、地域の子ども達に伝承する「民話で育む、日本のこころ!キャンペーン」を展開していく。
3. すぎのこは理想の子ども像を「わんぱく」と考えます。腕白は、中国も韓国も、日本でも本来の意味は悪童とか悪ガキとなり良いイメージはありませんが、すぎのこではわんぱくを「健康で、好奇心旺盛な、行動力溢れる、創意に満ちた、心の優しい子」と定義しています。わんぱく達を、自然との関わりの中で育む「わんぱく育成プロジェクト」を組織し、自然の中で、他人との共同生活を通してわんぱく精神と命の尊さを学ぶ「生命と自然を尊ぶこころ!キャンペーン」を展開していく。
4. 平成13年12月「文化芸術振興基本法」が公布施行され、平成14年12月には「文化芸術の振興に関する基本的な方針」が打ち出され、平成15年度から国や自治体での取り組みが本格化し、地域に根ざした文化芸術の創造が求められていますが、行財政改革の煽りか、地域住民の求めになかなか応じられていないのが現状のようです。地域の文化芸術に関心を持つ人達、地域の文化芸術に参加している人達、地域の文化芸術を指導支援している人達のネットワークを組織する「文化芸術振興ネットプロジェクト」を組織し「地域を活かす文化芸術支援の輪!キャンペーン」を展開して、これら四つのプロジェクトの相乗効果を目指していく。
この文化芸術振興プランは、当然過去40年間の諸活動の成果のもとに立案されましたが、当財団が平成15年度に行った「地域文化芸術に関する調査(地域の民話伝説に関する幼児教育関係者へのアンケート調査)」の結果、地域の民話・伝説を「知っている人」が59%、「知りたい人」が88%、「伝承する必要を感じる人」が86%と言うことを知った事が大きなきっかけともなりました。
核家族、少子化の中で甘やかされ、心身ともにひ弱で自分勝手な考え行動をとりがちな子ども達の、逞しくしなやかな感性を育むため、これらのプロジェクトやキャンペーンに皆様の知恵とお力を是非ともお貸し願います。
民話で育む、日本のこころ
民話・伝説伝承プロジェクト
いよいよはじまります!
昨年より本紙面でたびたびご紹介しておりました、民話で育む、日本のこころ「民話・伝説伝承プロジェクト」事業ですが、本年4月からの本格稼働に向けて、現在、準備を進めているところです。
この企画は、地域の文化・芸術を、「影絵紙芝居」という方法を用いて、地域の人たちから地域の子どもたちへ伝承していただくために立案されました。
影絵紙芝居作りの指導中の上田順一先生
具体的には、上田順一先生監修の「影絵の作り方セミナー」を開催し、地域の教育関係者の方々にそのノウハウを学んでいただき、地域に伝わる民話・伝説を「影絵紙芝居」作品として仕上げ、子どもたちに観せ、伝えていただこうという活動展開です。
初年度となる今年は、4月以降、全国12都道府県での開催を目指しています。
興味がおありの方、セミナーの開催を希望される方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報ください。喜んで伺わせていただきます。
また、みなさまの関係の方々にも、ご紹介、ご案内等のご協力をいただければ幸いです。
どうぞ宜しくお願いします。
影絵紙芝居セミナーのご案内
このセミナーでは、子どもたちの保育に役立つばかりではなく、受講していただくみなさま自身にとっても楽しく稔りある内容をお届けします。
お楽しみ会やお別れ会などの行事のほか、壁面などにも活用いただけます。
【講習内容】影絵紙芝居の作り方
【講習時間】2〜3時間
【講習費用】30,000円
【材料費】ひとり700円
|