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すぎのこ (99)
2005 7/1
財団法人 すぎのこ文化振興財団
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事務局:
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中国支部:
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消費社会がもたらすものは
理事長 小澤幸雄
 
 昨年の暮れから今年の正月にかけて、海外の友人知人からクリスマスカードや年賀状をたくさん頂きました。その中に私の中国のお姉さんとも尊敬している「羅英先生」からのグリーティングカードも有りました。その封筒は、何かの裏紙を加工した封筒でした。羅英先生は、日中国交正常化以降の日中児童演劇交流をした日本人ならば知る人ぞ知る方で、日本に例えるならば文部科学省の少年児童芸術局長とでも言うべき地位にいた方です。長年務めたその官職を定年退職後、中国少年文化芸術基金会を立ち上げ副会長に付き、現在は「全国少年児童芸術委員会副主任」をされている方でもあります。それほど高い地位の方が、二十年以上前「使い捨ては美徳」ともてはやされた日本の高度経済成長下のような現中国において、質素なものの見方考え方行動をとられていることに大変感心させられました。
 二十年以上前に、日本の幼児教育者から同じ経験をさせられたことを思い出しました。それは当法人の理事(今は顧問)として長くすぎのこを支えて下さっている道灌山学園(東京都荒川区)の理事長(元道灌山幼稚園の園長)高橋系吾先生からでした。先生はご子息をドイツに学ばせる中で、ドイツ人の無駄のない質素倹約の生活の中から生み出される、モノを大切にする心と創造性を常に説かれ、ご自身も使用済みの封筒を裏返して使い、新聞に入ってくるたくさんのチラシを利用して幼稚園の教材などを手作りされていました。今にして思えば、二昔以上も前から、自然環境と心の問題に警鐘を鳴らし、幼児期からの啓蒙活動に率先して取り組まれて来た大変尊敬する先駆者でした。
 このような大先輩の行動を目にして感心してはいるものの、自分自身はなかなか行動には移せない、「だからこそ感動させられるのだ!」と理由にならない理由を勝手につけ、他人事のように思ってしまう自分がそこにいて反省しきりである。
 私は、黒・赤・シャープペンシル付きの三色ボールペンが仕事上お気にいりで何時も愛用している。昨年末、三色ボールペンの指で握るプラスチック部分が何かの拍子でヒビ入り動かず使えなくなってしまった。以前なら廃棄してしまうのだが、最近は勿体なくてなかなか捨てられない。プラスチック部分を取り替えれば「生き返る」と考え、池袋のデパートで修理を依頼した。受付嬢は、修理が出来るか出来ないか調べるためあちこち走り回り、電話で問い合わせをしてくれた結果、「ここでは修理が出来ないため、工場に送るので三週間程度時間がかかります」とのことだった。「この場で新品のボールペンの握り部分と交換しておいて、後日取り寄せた部品と交換すれば良いものを・・・」と思い、たかがボールペンごときに「三週間」もかかると言う言葉に半ばあきれながらも、再生がなんたるかを体験する意味でも「修理」に挑戦することにした。念のために修理代を聞いたところ「修理代は工場でなければ分からないので、修理する前に料金をお知らせし、指示を受けてから修理を致します」とのことだった。私にとって三色ボールペンなしに三週間過ごす事は不可能なため、同じボールペンをその場で一本新調した。
 年が明け三週間くらい経った頃、工場から直接電話がかかってきて「修理に千円かかります」とのことだった。定価三千円のボールペンではあるが、千円で「息を吹き返す」ならばボールペンも喜んでくれると思い修理を依頼することにした。それから一週間くらいして、修理の成ったボールペンが帰って来た。愛着あるボールペンのお帰りに気をよくして、新調したボールペンには当分お休みしていただき、また使い始めたが三日も経たない内に今度は修理した付け根の部分から「く」の字に曲がってしまい、誠に使い勝手の悪いことになってしまった。早速くだんのデパートに持って行き再度修理を依頼したところ、今度は一週間くらいで修理が終わり、修理代は「無料」とのことだった。その後も時折「く」の字にひねくれてしまうが、今のところ、なだめすかして使わせてもらっている。
 
民話で育む、日本のこころ「民話伝説伝承プロジェクト」
影絵紙芝居セミナーのご案内
ぜひお取り組みください。
 
 すぎのこでは、これまで、「どの児童(こ)にもナマの舞台の感動を!」をスローガンに、全国の幼稚園・保育園を主とする人形劇巡回公演を展開してきましたが、さらに活動を推し進めるために、創立41年に当たる本年度から、《地域に根ざした、ゆたかな心を育む文化芸術の創造を!「すぎのこ文化芸術振興プラン」》を策定し、その活動のひとつ、《民話で育む、日本のこころ「民話伝説伝承プロジェクト」》として、このセミナーを企画しました
 このセミナーでは、子どもたちの保育に役立つばかりではなく、受講していただく先生方自身にとっても、楽しく稔りあるプログラムをお届けします
 
 
※全国巡回公演は、2005年4月1日現在、延べ公演数66,690回を数え、およそ650万人の子どもたちに夢を届けてきました
 
 影絵は、製作に時間が掛かり、大がかりな器材が必要だと思われがちですが、このセミナーでは、子どもたちにも簡単に作れる影絵紙芝居の作り方と、その活用法や演じ方を講習いたします
 
 
 
【内容】Step 1コース:影絵紙芝居の作り方講座
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【講座時間】両コースとも2〜3時間
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