附属書1別添
安全なコンテナー貨物のためのシール規律プログラム
導入
安全関係を特定する重要性
コンテナー詰めされた貨物の安全な動きに関わる業者間の関係についての明瞭さ及びコンセンサスは、それらの関係の一貫した適用と取締りと相まって、それら全ての者に対して複数のベネフィットを提供する。そのベネフィットは以下を含む。
・貨物の世界貿易を悪用するテロ行為に対する安全性の改善
・テロ行為への反応としての貿易の混乱と停止によって引き起こされる経済苦境のリスク低減
・直接損益や保険のような間接コストの結果的な減少に加え、貨物の盗難や転用に対する安全性の改善
・麻薬や武器といった物品や者の不正な運送に対する安全性の改善
・“闇市場”や“グレーマーケット”貿易物品の不正な動きに対する安全性の改善
・関税ほ脱の危険性低減
・現在又は将来の物品運送者の国際的な貿易システムにおける信用性の向上
・検査回数の低減化(国境停止時間の低減化)や簡素化された手続きの適用のような、円滑化の利益
保管チェーンにおける責任
A. 分野横断的な責任
コンテナー詰めされた貨物のライフサイクルを通じて適用される責任と原則がある。強調するべきは、コンテナーの所有や管理の変化の際における業者間の関係である。その強調によって、安全で確実にコンテナーを荷詰めしシールする運送者の基本的な責任が低減されることはなく、またそれをあいまいにするべきではない。コンテナーの所有者は、コンテナーが彼らに委託されている間は、停止中であれ中継地点であれ、中継地点間を移動中であれ、それぞれ、安全確保の責任を負っている。税関と安全確保のスクリーニング目的のために政府に提出する必要のあるデータを持つ者はみな責任を負っている。それらの責任は以下を含む。
・物品を改ざん、盗難、傷害から保護すること。
・安全確保のスクリーニング目的のために適時適当な方法で政府機関に適切な情報を提供すること。
・物品にかかる情報を改ざんや不法なアクセスから保護すること。この責任は物品の管理中やその前後に等しく適用される。
安全確保シールは一連の管理において不可欠な部分である。適切な格付けと安全確保シールの適用については以下に述べられている。安全確保シールは、貨物を積載したコンテナーの管理が変わるごとに受取る者によって検査されるべきである。シールの検査は改ざんの兆候をチェックする視覚検査、貨物書類とシールのID番号との比較、適切な文書における検査を求めるものである。シールがなくなっていたり、改ざんの兆候が見られたり、貨物文書と違うID番号である場合は、なんらかの行動が必要である。
受取る者は、コンテナーを提出する者や運送者の注意をその差違に向けなければならない。受け取る者は、貨物文書の差違につき留意しなければならない。受取る者は税関又は監視取締機関に、国内法規に基づいて通知するべきである。そのような通知要求が存在しない場合には、受取る者は、コンテナーを提出する者とのコミュニケーションの間、そしてそのような差異が解決され得るまで、コンテナーの管理を拒否しなければならない。差異が解決されると、受取る者は安全確保シールをコンテナーに取付け、新シール番号を含む詳細事項について全ての関連する貨物書類に特記しなければならない。
安全確保シールは法的理由のために変更され得る。例示として、輸出規則のコンプライアンス検証のための輸出地税関、安全な遮断や積込の補強を確保する運送者、貨物申告の確認をする輸入地税関、その他の規則や犯則事犯に関係する監視取締職員による検査を含む。
公共又は民間職員が貨物の検査のために安全確保シールを取り除いた場合、以下に特記された要件を満たす方法で代替物を取付け、新しいシール番号を含む行動の詳細事項を貨物書類に特記する。
B. 荷詰地
荷送人/運送者はコンテナーの安全な積込みと、貨物の正確で完全な記述に責任がある。荷送人はまた、荷詰めの過程が終了した地点ですぐに貨物安全確保シールを取付け、貨物のためにシール番号を含んだ文書を準備する責任がある。
貨物安全確保シールはISO/PAS 17712における高安全メカニカルシールの定義に合致するべきである。シールは伝統的なコンテナー扉のハンドルにあるシール取付け場所が脆弱さによって不正に改ざんされることを回避する方法でコンテナーに対して適用されるべきである。このために受け入れ可能な方法としては、外部ドア施錠カムの回転を防ぐ代替的なシール取付け場所や、扉施錠バーを横切るケーブルシールのような、同等の改ざん証明手段の使用があげられる。
陸上運送業者は荷物を回収する。運送業者は文書を受領し、シールを検査し、文書の状態を確認し、荷物と共に出発する。
C. 中間ターミナル
もしコンテナーの移動が中間ターミナルを通過する場合、陸上運送業者はコンテナーの管理をターミナルオペレーターに引き渡す。ターミナルオペレーターは文書を受領し、シールを検査し、文書の状態を確認する。通常、ターミナルオペレーターは受領書(ステータスレポート)の電子通知を貨物のその他の民間の関係者に送信する。ターミナルオペレーターは陸上、鉄道、はしけによる次の動きのためにコンテナーを準備又は設置する。同様の確認と文書の過程が中間ターミナルからのコンテナーの回収や出発時に行われる。
D. 積込み海上ターミナル
積込み海上ターミナルに到着すると、陸上運送業者はターミナルオペレーターにコンテナーの管理を引き渡す。ターミナルオペレーターは文書を受領し通常、受領書(ステータスレポート)の電子通知を貨物のその他の民間関係者に送信する。ターミナルオペレーターは海上船舶にコンテナーを積載するよう準備又は設置する。
運送者又は運送者の代理人としての海上ターミナルは、シールの状態を検査し、それに従って指摘する;これは海上ターミナルゲート又はターミナルへ入場の後、コンテナーが船舶に積み込まれる前に行われることになる。輸出国の公共機関は輸出文書を検査し必要な輸出管理を実施し、安全証明書を発行する。事前情報を求める税関当局はそれを受領し、検査し、コンテナーの積込みを許可するか(明白、もしくは暗黙に)又は更なる検査を含むスクリーニングの間、積込みの出来ないコンテナーに対しては、“積込み禁止”のメッセージを発行する。
輸出申告やスクリーニング要件のある国のために、運送者は、輸出のために貨物を積込む前に、関係要求事項と共に荷主がまとめた文書を要求するべきである。(しかしながら、荷主/荷送人が、全ての一般的な文書、その他の関連する輸出要求事項に対するコンプライアンスに責任を負っている。)可能な場合には、海上運送者はそのマニフェスト情報を必要とする輸入地税関に提供しなければならない。“積込み禁止”メッセージが出された貨物は更なるスクリーニングの間、船舶に積込まれるべきでない。
E. 積替えターミナル
積替えターミナルオペレーターはコンテナーの積込みと積卸しの間にシールを検査する。この要求は「船舶及び港湾施設の保安に関する国際規則」(国際海事機関によって作成されたISPSコード)に沿った安全計画を有する積替えターミナルに対しては免除されることもあり得る。
F. 積卸し海上ターミナル
受取る者/荷受人は、通常、通関業者が積卸し海上ターミナルにおいて貨物が円滑に通関を行えるように手配する。一般的に、このことは貨物所有者が到着の事前に通関業者に対して文書を提供することを要求する。
海上運送者は要求によって、事前電子貨物マニフェスト情報をターミナルオペレーターと輸入地税関に提供する。税関は積卸しの直後もしくはその後に異なるレベルの検査を実施するためにコンテナーを選定する。税関は貨物そのものに加えてシールと関係文書を検査し得る。もしコンテナーが通関のために税関管理下で別の場所に移動する場合、積卸し地税関は税関シールをコンテナーに取付け、順次文書を引き継がなくてはならない。
受取る者/荷受人又は通関業者は税関に支払うべき税金を支払い、積荷の引渡しの手配をする。海上ターミナルから出発のために貨物を収集したところで、陸上運送業者はシールの状態に留意の上検査し、ターミナルオペレーターから文書を受領する。
G. 中間ターミナル
輸入地税関の中間ターミナルにおける過程は輸出国における中間ターミナルの場合と同様である。
H. 積卸地
コンテナーを受領したところで、荷受人はシールを検査し書類上の矛盾点がないか留意する。荷受人はコンテナーを荷卸し、文書に照らして積荷の状態を確認する。不足や損傷、甚大な不一致がある場合は、クレーム又は保険目的で指摘され、文書は監査と検査の対象となる。もし麻薬、禁制品、密航者又は疑わしい物品に関わる異常がある場合は、荷受地の税関又は別の取締り機関に報告しなければならない。
|