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図5.1.4 WG4の対象範囲
 
 
 運送状況に関する上記規格は、既存の市販アプリケーションで一般化している燃料消費や速度データに関する規格以外のデータ交換が中心となっています。
 
 ISO/TC204/WG4で作成した規格では、以下の規格があります。ここでは、大陸国家におけるクロスボーダー輸送での通関業務への拡張に必要な識別コードを含んでいます。
 
(1)陸運及び交通テレマティクス 車両及び機器の自動識別
ISO/TS 14815 システム仕様
ISO/TS 14816 番号付け及びデータ構造
(2000年規格、国別登録機関が必要、課税当局コード有)
(2005年にISO規格に変更することで可決)
 
(2)車両及び機器の自動識別−複合一貫輸送
ISO/TS 17262 番号付け及びデータ構造
(2003年規格、アクセスコントロール状態、XYZ位置表記、UN/LOCODE適用)
ISO/TS 17263 システムパラメタ
 
 このほかに、船舶の安全航行に関わる規格や航空貨物機器に関わる規格があります。
 
5.1.2.8 防災関連規格
(1)防災関係システムの対象
 ここでは、防災関係規格を整理します。防災関連規格としては、地震等の自然災害そのものに加え、重要な基礎技術となる地理情報システム(ISO/TC211)、火事(消防関連規格)等のほか、原子力発電等のエネルギー、食品等の食料供給、電力・通信・水供給等のライフラインに関連する国際規格等があります。
 防災関係システムの概要は以下のように整理できます。
 
(1)災害を予知・予防するシステム
A 事故関連
(1)交通事故
道路、鉄道、航空、海運
(2)労働災害
B 火災関連
C 自然災害関連
地震、台風、洪水、津波
 
(2)災害の影響を最小限に食い止める
A 交通機関
(1)鉄道・機関車
(2)道路(特に橋梁、トンネル)・自動車
(3)空港・航空機
(4)港湾・船舶
B ライフライン
水道、電力、ガス
C 通信網
有線網、無線網
D パイプライン
E エネルギー供給施設
水力発電、火力発電、原子力発電、石油備蓄施設
F 治山治水施設
砂防ダム、治水ダム、防波堤、遊水池
G 建築物等
高層ビル、アクセスコントロール
大規模集客施設、アミューズメント施設、展示会場
H 食料供給
米穀、水産物、食肉、農地
 
(2)関連規格審議組織
 自然災害の監視システムや緊急避難路、輸送路にとっては地理情報システム(ISO/TC211)の規格が重要になるほか、消防関係等の規格があります。
 ISO/IECのTCリストでは以下のような規格が密接に関連すると考えられます。
 
ISO/TC21 消防器具
ISO/TC33 耐火物
ISO/TC67 石油・石油化学及び天然ガス工業用材料及び装置
ISO/TC81 農薬の名称
ISO/TC85 原子力
ISO/TC92 火災安全
ISO/TC94 個人安全(保護衣及び保護具)
ISO/TC146 大気の質
ISO/TC147 水質
ISO/TC176 品質管理及び品質保証
ISO/TC197 水素技術
ISO/TC223 防災
ISO/TC224 飲料水供給及び下水施設サービスに関する標準化
IEC/SC31 防爆電気機器
IEC/SC44 機械類の安全性(電気的側面)
IEC/SC45 原子力計測
IEC/SC76 レーザ機器の安全性
IEC/SC79 警報システム
IEC/SC106 人体ばく露に関する電界、磁界、電磁場の評価法
IEC/SC108 オーディオ・ビデオ、情報技術、通信技術分野における電子機器の安全性
 
(3)リスクマネジメント規格
 今後下記のようなリスク管理手法の適用が検討されると見込まれます。
(1)ISO/IEC Guide 73:2002
Risk management -- Vocabulary -- Guidelines for use in standards
リスクマネジメント-用語-規格において使用するための指針
(2)IEC 62198 Ed. 1.0:2001(b)
Project risk management - Application guidelines
プロジェクトリスク管理−適用の手引


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