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3.4. IMO、EU Directive及び国内法で要求される項目
3.4.1 IMO
 IMOで要求される項目は、海上安全委員会(MSC: Maritime Safety Committee)の2004年12月14日付けMSC/Circ.1130の付属書に記述されています。
 詳細は資料―2参照のこと。
 
3.4.2 EU Directive
 2004年3月31日付け「船舶と港湾施設の保安向上に関する欧州議会と評議会による規則(Regulation(EC) No.725/2004)」の付属書I第9規則に規定されています。詳細は資料―3参照のこと。
 参考までに、ベルギーのアントワープ港で使用されている申請フォーム(blank)資料3-1及び記入実例を資料3-2として添付致します。
 
3.4.3 国内法
 2004年7月1日に施行された「国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律施行規則(平成16年4月23日国土交通省令第59号)」の第75条において要求される情報が規定されています。
 詳細は資料―4参照のこと。参考までに、申請書(ブランクフォーム)を資料4-1及びWeb-Entryの入力画面を資料―4-2として添付致します。
 
3.4.4 IMO、EU Directive及び国内法で要求される項目一覧表
 資料―5でIMO、EU Directive及び国内法で要求される項目の一覧表を作成致しました。
 
3.5. 課題
3.5.1. 更なる各国必要項目の調査
 今回は、IMO、EUそして日本の3地域のみの要求される項目を比較したものであり、更に海上における保安強化の契機となった2001年9月11日の同時多発テロの当事国である米国における必要項目の確認が必要であろうと思われます。
 
3.5.2. 必要項目の一元化
 資料―3.4. 表で比較したように、IMO、EU、日本においてさえ必要とされる項目が統一されていないのが現状です。改正SOLAS条約の成立を受け、国内法の成立の過程で各地域・国内事情が反映されたものと推察するものですが、船舶の入出港手続と同様に地域・国で必要とされる項目に差異があることは、申請者である民間機関に大きな負担を強いるものであり、今後IMOを中心にして如何にしてFALフォーム同様に統一フォーム化を開発するのかが手続簡素化のキーワードとなるものと確信するものであります。
 
3.5.3. わが国における情報電子化方法について
 現在、EUメンバー国の一部の港湾においては、既にISPSコードで求められている必要項目を電子的に入手するためにユーザマニュアル(UN/EDIFACTメッセージであるBERMAN(Berth Management Message)を使用)を開発し、民間から電子的に入手できるシステムを構築・稼動させています。一方、IMO Facility Committee(手続簡素化委員会)では2005年7月に開催された第32回会合で「e-Business sub-group」を発足し、下記二つのミッションを同sub-groupに与えました。
・FAL Compendiumドキュメントの見直し
IMO FAL新フォームに準拠したFAL Compendiumドキュメントの開発
・ISPSコードで必要とされる項目を電子的に入手するためのユーザマニュアルの開発
 上述の「e-Business sub-group」のChairmanをわが国が引き受け、国内知見者と現在上記の作業を鋭意行っており、2006年7月に開催される第33回IMO FAL会議に素案が提案される予定です。
 港湾施設の効率的な運営及び保安面を考慮すれば、船舶の当該港の入港前に関係諸官庁(税関、港湾管理者、港長等)が事前に入港関連情報を入手しようとすることは必然的なことであると思われます。然るに、2005年11月にIMO FAL対応の名目で稼動した港湾EDIシステムでは、電子申請としては「Web入力」しか提供されておらず、早急にUN/EDIFACTメッセージを使用して申請が出来る環境整備が必要と思われます。その際、Web入力と同様に一つのUN/EDIFACTメッセージで電子的申請が出来ることが申請者にとっては肝要であります。幸いにして、e-Business sub-groupのchairmanをわが国が引き受けたのは上述の環境整備には好都合と思われ、「e-Business sub-group」や「IMO FAL Committee」への貢献を通じて、それに対応する成果物を十二分に活用出来るものと確信する次第です。
 
資料―1 改正SOLAS条約施行に伴う保安概要
(国土交通省ホームページより引用)
 
国際航海船舶及び国際港湾施設における保安措置


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