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総務部
 
Q1 お客様の要望について
1. 知的に障害のある人が生涯にわたり、幸せな生活を送るために我々はどう支援していかねばならないかである。
 別の言い方でいえば「労働力率」(就労している人/働く希望を持っている人×100)の引上げ、職員に課せられた最大の課題(テーマ)である。
障害者のノーマライゼーションを考える時、働くことを希望する人たちの働く場所をどう確保するか(雇用の確保)が、次の展開を考えるとき必要となる。健常者の高齢化と同様に障碍者の年齢も「高齢化」が進み、親なき後の生活の糧を確保する手立てをどう具現化するのか、われわれ職員の果すべき役割は極めて大きい。
 極限すれば、障碍者の「生殺与奪」のキーワードは職員に預けられている。
ここ十年、一般企業のリストラによって障碍者の就業構造は大きく変化し、働く場の確保が難しい。
 障害基礎年金はあるにしても、働いて収入を得ないと憲法にいうところの「健康的にして文化的な生活の維持」が困難である。
 大手企業は「特例子会社」を設立して障碍者雇用を行なっているが、福井県では特例子会社は存在せず、一般企業の雇用に頼っているの実情である。その障碍者雇用も産業の空洞化と構造的変化によるなどで、当法人の雇用支援が頼りとされている。
 この福祉工場の存在と依存度が高まりつつある中で、雇用の確保に見合った事業の開発が不可欠であり、しかも一定期間採算の取れる事業でなければ、雇用の維持はできない。事業の開発こそが、職員の能力発揮の場であることは自明の理であり、これの実現が当法人の今後の命運を左右すると言っても過言ではない。
 
2. 障碍者本人の意見を聞くと保護者との意見の食い違いが見受けられます。保護者の気持ちは親亡き後の不安を抱き、チャレンジよりも安泰を望み、本人は自分を試してみたいという気持ちが強いと感じます。
 重度の障碍を持った方や、保護者側からは安心した生活確保の不安を抱くのは当り前のことと思いますが、私は本人の意見を充分に尊重したいと思います。
 親との別れは必ず訪れます。従って、安心した生活は自分自身で確保しなければなりません。本人のチャレンジ精神を無にすることなく、確保に対する不足部分をサポートできれば、自ずと安心した生活を充分に送れると考えます。
 
3. 3S丸岡の開設に向けて、毎月数名の人が訓練しています。社員になろうとみな一生懸命作業している姿を見ると、本当に応援したくなります。今後も声かけしていきたいと思っています。
 
4. 私は仕事上、直接障碍者のある人と接する事が少ないですが、日常会話の話の中でGHに行きたいと言う事を耳にします。障碍者自身も自立したいという気持ちが強いと改めて気付かされました。また、訓練生の中でも社員になるから頑張るという事を聞く度に障碍者の意欲が伝わりました。
 
Q2 改善したいことについて
1. 私は、経理・総務部門の全体的底上げをはかる役割を担う立場にある。限られた時間の中でこの方向に沿って職員のレベル引き上げは、一朝一夕に実現しない深題である。
 一般的な社会常識を列挙すれば、(1)法治国家の国民としての法令順守義務(コンプライアンス)、(2)資本主義国家の国民として、社会・経済の基礎的知識の習得、(3)業務に習熟するための最低条件は、その業務に必要な各種知識・技術(スキル)を習得する過程を経なければならない。
おこがましいが、私は過去に習得した知識と、経験をいかして、職員の経理・総務部門のレベルアップに寄与したいと思っている。
 その関係資格の取得を通信講座の受講や法人内外研修等、OJT手法による引き上げが最短の道と考える。
 経理面では「数字」「法律」に強い施設長・職員の育成が必要。現状は、上記条件を満たせる施設長・職員は極めて少ない。私見であるが、関係資格の取得は本部サイトから、積極的に受験させることが必要と判断される。(私の経験から、自分自身の過程(プロセス)での努力が、自分自身に客観的レベルで判断でき、「自信」を与える。)
 
2. 仕事量が多い際に業務が手薄になることです。従って、総務部より発送の通達文書等が遅れるなどの重大ミスをおかしています。
 最近も役員会の通達文書が遅れて迷惑をかけてしまいました。スケジュールどおりしなくてはいけないのに「明日で・・・」という気持ちがおきてしまう点を改善したい。
 
3. 私は皆様の給与計算をしています。各施設の勤怠データは、昨年の11月からCNET福祉の方で、日々のタッチパネルから自動作成出来るシステムを開発してもらい、集計作業しなくても勤怠データが作成出来るようになりました。
 このシステムを利用して2ヶ月が経ち、使用していくうちに幾つかの不備な点が出てきて、その都度改善してもらいました。今後も、正確に作成できるようにお願いしていきたいと思います。各施設の事務担当者が、給与計算が楽になるように要望していきたい。
 
4. 経理関係の改善は、給与関係の「職員の自主管理時間」についてです。
 職員には1人1人仕事の責任として自主管理時間が設けられています。この自主管理時間を超えると職員自らが当然のように残業時間を申告してきます。
 自分で自主管理時間を管理していれば、残業時間が発生することは無くなるのではないでしょうか。また、管理する中で振替日を取るという改善策もあります。しかし、現状は平気で残業手当を申告してきた者だけに手当が支給されていることは不公平に思います。職員には、仕事の時間を自分で管理する義務があり、自主管理時間を設けてあるのに、残業手当を申告した者には手当を支給する事では自主管理の意味もなくなり、至急改善するべきだと思います。
 
Q3 Cネットふくいの方向性について
(1)法人の「将来についての」
(1)期待
1. 障碍者自身の自立希望に応えられる法人であるべきだと思います。
 GHを増やし、1人でも多くの障碍者が地域で安心して生活できるように支援していくことが重要だと思い、期待しています。
 
(2)希望
1. 月3回は見学者が来られます。話を聞いていると「厚生労働省の○○さんの紹介で」や「先進的業務展開を参考に」などと言って来られています。有頂天になってはいけないと思いますが、正直、自分の勤めている法人がモデルとなっていることを思うと嬉しく感じます。
 
(3)不安
1. 財務面での不安について一言触れたい。障害者自立支援法の成立によって、支援費及び福祉工場運営補助金の削減が平成18年10月1日より実施されるとの情報を得ているが、財務面での資金収支を懸念しているところである。
 平成16年度の支援費収入(利用料収入)は約6億3千万円、福祉工場運営補助金収入は約2億5百万円、合計は約8億3千5百万円である。
 削減率6ヶ月の影響は相当な減収となることも考えられる。過去3ヵ年の資金収支はプラスであったが、来期は大幅な資金収支不足、来々期は更に倍増するとの話が伝わってくる。
 経費削減も福利厚生費用等の負担増などで限度があることから、結局は人件費に手をつけざるを得ない。
 いろいろと考えられが、極端に「常勤職員は施設長だけ」といった変更では、職員の「不安」は払拭できない。そうかといって「階層・年齢層に搾って賃金の引き下げ」をやらないと、人件費の圧迫から逃れることはできない。
 例えば民間企業を参考に考えると、(1)60歳以上の理事を含む常勤職員は人件費の10%削減、(2)50歳〜55歳をピークとした賃金体系の構築、(3)65歳以上の職員(理事を除く)の再雇用制度の見直しなどで、人件費の削減を可能にできるが決定的なものはない。
 当法人の賃金体系は、現状は生活給中心の年功序列体系であり、これを革命的に変化させることは困難である。
 その理由の一つは、将来の不安を理由に、せっかくここまで育て上げた人材が大量に退職する事態の憂慮である。「人材」は福祉事業の財産と考えるからだ。ただ人財の育成事業として、(4)施設長の公募制を考えることも一計である。
 但し、極端な成果主義は、その正当な評価が問われ、成果主義を取り入れた一般企業のアンケートにおいては、「評価基準があいまいで問題」との回答が68%を占めるなど、「公募」=「成果」主義に手をあげる職員はいないことが考えられる。これらは、一つの考えかたであり、ほかの考えも聞いてみたい。
 
2. 以前、松永専務とお話をした際に「そろそろ引退するかなぁ・・・」と言われた事があります。そのときは本当に不安を抱きました。もうしかれないとの気持ちと将来が見えなくなるのでは?と感じています。
 
3. 新しい施設・グループホームが5つ、今後も更に計画されています。本部の事務担当者は、いくら施設が増えても同じ日程で作業していかないといけないのに、私達の仕事に支障を与える人もいるため、スムーズに作業が出来ません。今後更に施設が増えていくなかで、間違いなく仕事をこなせて行けるか不安です。
 
(2)事業の「取り組みについての」
(2)期待
1. 私の祖母は家庭の事情もあり、老人ホームに入所させています。しかし、入所出来るまでには1年近くもかかり、家族が看病疲れで大変苦労した事がありました。そこで、老人ホームのような施設も、是非考えて欲しいと思います。
 
(3)不安
1. 今年度から3S丸岡の学校給食業務が開始されます。障碍者の働く場として注目され期待を抱く反面、不安に思う事もあります。
 それは、自分が中学校の時の給食が美味しく毎日が楽しみだった記憶があり、それと同様に3S丸岡の給食に対して同じ気持ちを抱いてくれるかという心配です。クックチル調理は同時に何百人の給食が作れ、効率的で重要視されていますが、試食させて頂いた時に、効率化だけではなく別な課題もあると思いました。


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