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奥越事業所
 
Q1 お客様の要望について
1. 奥越福祉圏域の中で、当所の役割は大きいが、一般企業への送り出し実績は少ない。ジョブコーチの役割と仕組みづくりが課題である。
 
2. 夢をあきらめるなと言われ思い続けてきたが、保護者から「子供に変な夢をみせるな」「2級ヘルパーなんかになれる訳がない」と言われる。「人の役に立つ仕事をしたい」との夢を持つAさんの年賀状「しごと一しょにがんばろう」とある。このメッセージを大切にしたい。
 
3. 職員が「施設職員」という殻・考え方を破って、外に目を向けなければと思う。また、障碍を持つ人自身も社会に出て欲しい。「あたり前の生活をさりげなく」とても簡単なことで難しい。
 
4. 障碍者の生活環境は皆違う。自分の給料と年金だけで生活している人に自立支援法が理解されていない。懸命に働く姿を見ると、少しでも多く給料を渡したい。作業のしやすい環境を作りたいが、全員の希望に添うことは難しく自分の力のなさを感じる。
 
5. 企業内授産で、利用者・社員の5名と作業をしている。仕事の量や部品の関係で全員が行けない日がある。企業から催促されると、メンバーを選択してしまう。企業に毎日行って作業したいが作業にムラがある。
 「企業に行けないのなら来ない」と訴える人。仲の良い友達のいる事業所を希望する人。気持ちは人に、頭は企業の要望が優先する。自分の課題に気付いた。
 
6. 「早番がしたい」と言うAさん。意欲もあり、いつも懸命に仕事のことを考えている。職員と同じ早番・遅番を交互にしたが、食事管理が上手くいかない。GHの暮らしを希望するが、その暮らしにはお金がいる。思うようにはいかない。
 利用者と話す中で、忙しさにかまけて曖昧に聴き、一方的に解釈してしまうことがある。心に余裕を持ち、一人一人の言葉を受け止めて、信頼関係を築いていきたい。
 
Q2 改善したいことについて
1. 創設以来、独立採算で営業してきたが、奨励金を除くと福祉工場の事業経営は赤字。これは管理者の責任で、今まで以上の適正な経営マネジメントを勉強していきたい。
 
2. 特定職員の入れ替わりが激しい。理由に「自分の力を認めてもらえない」。時間的な拘束は少ないが、時給720円は決して高くない。営業員で障碍のある人を上手に育て支えている。この人達の能力を評価し、時給の改善をお願いしたい。
 
3. 必要な連絡・報告を常に滞りなくして、余計な労力と無駄をなくしたい。
 
4. パーツ部門の利用者・社員が多すぎて、問題行動の人・自分の周りにいる人には目がいくが、静かな人には今日は『ああ何も見ていなかった。』と自己嫌悪に陥る。自分の心に余裕を持って、皆と接する環境にしたいと思う。
 
5. 同じスーパー豆富は豆富の職員が、餅は餅の職員が配達している。配達と作業の分担ができたら、職員の人数が少なくてすみ、新たに時間が生まれて新商品開発や利用者・社員の指導が今まで以上にできると感じています。もっと全体を通して考えられるような意識改革が必要と感じます。
 
6. 毎日、床の汚れを水洗いしたいのですが、棚や機械を移動させなければいけないため、月2回ほどしかできません。毎日整理整頓の時間と、掃き掃除の時間を作ろうと思います。年末正月には、餅・豆富部門の特定職員さんには、大変協力していただき、時間外の作業も多く何らかの配慮があると良いと思いました。
 
7. 自分自身の不安・課題は多く、上司に相談すれば完全に理解できないうちに話しが終わったりする。自分ではこうしたほうが良いのではと思ってもうまく表現が出来ず、また知識も足りず実現しません。自分の主張をしっかりし、相手の主張を理解し提案を先送りにしないようにする必要があると思います。
 
8. 人員の入れ替えはあまり良くありません。豆富での製造は、一朝一夕で覚えられるものではないと思いますし、スーパーへの配達なども担当者と時間をかけて要望も聞いてもらえるような関係を築いていかなければなりません。入れ替えの理由は異動・寿退社などもありますが、特定職員の退職は人間関係・賃金・就労時間などの理由からです。賃金などは自分ではどうにもできませんが、人間関係の面では、仕事がしやすい環境にしたいと、考えています。
 
9. 福祉工場は収益無くして雇用や給料の保障は出来ません。しかし収益にこだわると、福祉工場本来の障碍をもつ人たちが生き生きと働く場所では無くなります。誰の為の仕事か、もう一度、社員も職員も考える必要を感じます。
 
Q3 Cネットふくいの方向性について
(1)法人の「将来について」
(1)期待
1. 当法人は、よいことはすぐに認めていただけるなどの前向きな姿勢に期待する。
 
(2)希望
1. QCが発表のための発表にならないように、法人全体で職員同士の意見をかわす機会が少ない。その機会を増やした方がまとまりがでて良い気がします。
 
2. 職場には、精神的に不安定な方も多いので、福祉や精神障碍に対する専門的知識がまだまだ足りない。ジョブコーチ研修だけでなく、カウンセリング研修も採り入れて、心のケアがきちんとできる法人になっていってほしい。
 
(3)不安
1. 私たちは本当に地に足が着いているのだろうか? 大きな流れの中で、大切な物を見失わず活動しているのだろうか? 法人として大きく成長した今、不安になる。また、事業の多様化に私たち職員がついていけるのか、という不安がある。特に、自立支援法が改正された後の、C・ネットがどう変わるのか、不安です。法人のはっきりした方向性とビジョンを示し、どうすれば良いのかも伝えてもらいたいです。
 
(2)事業の「取り組みについて」
(1)提案
1. 福祉工場・授産施設の運営には企業的意識に基づいた事業展開が必要と思う。
 お客様からの受注、自主製品の製造販売、その一つ一つの現場を職員は「一つの会社(店)を経営している」意識のもとで動かないと事業の成長は期待できないと思う。私も企業経験がないため、法人で研修会の中にその内容も盛り込んで欲しい。
 
2. 職探しは、障碍者の受け入れ企業と仕事探しから始めなくてはならない。電話をかける。訪問する。話を聴いてもらう。障碍を持つ人の出来る仕事も考えていかなくてはならない。その実績が必要だと思います。
 
3. 高齢で働くことが困難になった利用者の移行場所がほしい。早期療育、児童デイと一生涯を通じて支援を地域の中で見守もれる体制が必要と思います。
 
4. 販売会・イベントに全ての事業所の商品販売を任せられてもうまく説明できず、C・ネットブランドの統一商品の必要を感じました。
 
(3)その他(ご自由に)
1. 入社時にはラジオ体操をすることの意味・意義を教え込まれた。今でもラジオ体操は仕事に向かうための基本姿勢と思って毎朝行っている。そういった「基本」を大切にし、どれだけ年を重ねてもいつも素直な心で、たくさんのことを学び、吸収していく姿勢は忘れないでいきたい。そして、正直者が馬鹿をみることのない法人としたい。
 
2. これからの福祉は今まで以上に大変になりそうだし、その分職員に求められるものも多くなり、考えたくないけど考えていかなければいけないことをこの冬季宿題をすることにより改めて再確認しました。
 
3. 昨年、障碍者雇用の番組がNHKでありました。あの番組を見ていて驚いたのは、企業の方が障碍者にも、健常者と同じ要求をし、それを支援員がささえ、障碍のある方も自分の得意分野を生かしイキイキと仕事をされていたことです。
 障碍のある方が一日の作業分を終え、次の日の分まで作業に取り組んでいるその顔はすばらしいと思いました。今、就労を目指して支援していますが、就労の厳しさ・企業側が何を求めているかについて、私自身も障碍者の働いている企業に行きぜひ体験実習してみたいと感じました。
 
4. 「Cネットふくい」に飛び込んで約2ケ月半、1階事務所で数字とお客様対応とに追われていた矢先の2階事務所への机の移動。それは私にとって職場内で広域的なものへと広がった。職員でない私は少し離れた目で職場を見、又あるところでは甘えているところがある。本部の室長や課長にも毎月檄を飛ばされており、お叱りを受けるのも事実である。入社し驚いたのが事業の取組みに対し対応が迅速だということだ。良いと思われる事には忠実で熱心、そして何よりも民主的だなと感じている。
 前職では机上の空論ばかりで前に進まなかったが、ここは改善が必要とあらば即座に対応する。私達が追いつかないほど早い。福祉について何もわからないが、これから制度が多様に変化していく中いろいろ勉強させていただき、時には私を励ましてくれる皆と明るく楽しく働き易い職場の構築、そして豊かな生活環境へと広げていきたい。


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