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(3)ホイップ空中線の取付け要領
 下記に従って装備する。図4・69に空中線部にプリアンプが付属されていない場合の受信用の取付け例を示す。
 なお、用途としてはMF/HF送信用(10mホイップ等)、ファックス受信用(2.6mホイップ等)、受信用(6mホイップ等)、ナブテックス受信用(2.6mホイップ等)等に使用される。
(1)空中線素子が垂直となるように取り付ける。
(2)空中線取付支柱を設け、これに取付金具を用いて固定する。
 取付金具は亜鉛めっきの銅製またはSUS製とする。
(3)空中線と取付金具の接触部には振動緩衝材を挿入する。(t=2mm程度のゴム板等)
(4)ホイップ空中線の垂直部が動揺しても他の構造物や空中線等に接触しない位置とする。(長いもので2〜3mの振幅を有することがある)
(5)接続箱は、金属製とし空中線の直近の保守に便利な位置に取付ける。ケーブルの導入は、防水グランドによるものとし、下部より行う。
(6)箱体に接地端子を設け、平角銅板で船体構造物に接地する。ワイヤータイプで行うと、錆などで長期間の使用に耐えなくなる。図4・69c参照。なお、接地端子部はさび、塗装などをよく落として接続する。
 また、接地端子部には、防錆としてシリコン等で覆うとよい。
(7)引込み線は、がい装にビニール防食を施した同軸ケーブルとし、接続部の近くで、ループをつくり、長さに余裕を持たせておく。
(8)引込み線の船内への引込みは、貫通金物を用い、防水に十分留意する。
(9)ホイップ空中線の取付けにあたっては、碍子の手入れ及び修理が容易に行えるように考慮すること。
(10)ホイップ空中線を引込むにあたっては、送信用空中線の場合には、裸硬銅線又はポリエチレン被覆硬銅線の先端に銅管端子を接続したものをホイップ空中線基部に接続するなどの方法により、受信用空中線の場合には、同軸ケーブルとケーブルコネクタを使用するか、裸硬銅線で受信空中線接続箱に接続するなどの方法によること。いずれの場合にも、フィーダの重量や張力がホイップ空中線とフィーダとの接続部に直接加わらないようにするため、フィーダは接続部の近くで他の構造物に固定した上、十分に余裕を持たせてホイップ空中線の基部に接続すること。
(11)ホイップ空中線が2本以上の素子を接続したもので構成されている場合には、素子と素子の接続を完全に行い、接続部の防水、防食のため必ず防水テーピングを施すこと。
 
図4・69 ホイップ空中線の装備例
 
(4)垂直ダイボール空中線の装備要領
 下記に従って装備する。
 なお、用途としては、VHF無線電話等に使用される。
(1)空中線素子が垂直となるように取り付ける。
(2)幅射の妨げとなる大きな構造物からは、少なくとも垂直方向に2m以上、水平方向で6m以上離して装備する。
(3)同軸ケーブルのコネクタ部分は、防水処理を施行すること。
(4)取付けは、2箇所で行い、振動緩衝材を挿入する。
(5)引込み線の船内への引込みは、貫通金物を用い防水に十分留意する。
(6)同軸ケーブルは空中線のインピーダンスに整合したものを使用し、その布設長さはできるだけ短くすること。なお、ケーブルは空中線の近くでいったん構造物に固定してから空中線に接続し、ケーブルの重量が直接空中線に加わらないようにしなければならない。
(5)プリアンプ付空中線の装備要領
 下記に従って装備する(図4・70)ナブテックス受信用空中線の装備例を示す。
 なお用途としては、その他GPS受信用、インマルサットC、ファクシミリ受信用等に使用される。
(1)空中線素子が垂直となるように取付ける。
(2)プリアンプ付空中線の場合には、取付け部が円筒状で直径が大きいため、上記(3)・(4)で記載した取付け金具では取付け困難なため、バンドを使用することが多い。この場合、あまり締め付けると空中線を破損することになるので注意する。
(3)支柱と空中線との間に、空中線保護のためスペーサを設ける。
 
図4・70 プリアンプ付空中線装備例
 
(4)接地線を船体構造に接地する。この場合、接地線はできるだけ短くとる。また、接地端子部は錆、塗料などをよく落として接続する。なお、接地端子部には、防錆としてシリコン等で覆うとよい。
(6)空中線各接続部の防水処理要領
 プリアンプ等が内蔵されている空中線ユニット部と空中線との間の接続部、空中線と給電線との間をコネクタによって接続するもの、ホイップ空中線のように空中線素子を何段にも接続する場合の空中線間の接続部、空中線先端部等に、雨水や海水が侵入すると、電食の発生や伝送損失の増加の原因となる。このため、接続部には下記の要領で防水処理を行う。(図4・71参照)
 
図4・71 空中線部の防水処理例
 
(1)自己融着テープ(スミテープ、エフコテープ等)を、テープ巾の半分を被せるようにして2回程度巻く。巻いた後、ケーブルやコネクタ等によく粘着するよう指で押さえる。
(2)自己融着テープの上に、さらにビニールテープをテープ巾の半分を被せるようにして3回程度巻く。この時、ビニールテープが伸びるような力で引っ張って巻いてはいけない。テープを巻くときは、よく粘着するよう指で押さえながら行うとよい。







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