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(3)端末結線処理
 端末結線は、一般的には圧着端子がよく用いられている。そのほかには、銅管端子やソルダレス端子又ははんだ付けタイプの端子などが用いられる場合もある。
(a)圧着端子の取付け(例)
 導体絶縁ゴムを除去する長さは使用する圧着端子の種類によって相違するが、原則として端子を取付けた後に心線導体が約1mm程度接続側に出る長さとすること。この場合、心線導体を損傷しないように注意する必要がある。(図4・32参照)
(注)
1. 圧着端子の圧着工具は、端子メーカーの指定のものを使用すること。端子はケーブルの心線導体の太さに適合したものを使用すること。
2. 番号スリーブは、機器結線部の端子番号と一致させる。多心ケーブルの場合で、保護テープに番号が付記されているものを機器結線部の端子番号と一致させて結線する場合は、番号付きスリーブを用いなくてもよい。
3. 圧着が完了したら、端子が容易に抜けたりしないことを確認のこと。特に心線導体が細いケーブルに圧着端子を圧着する場合には、十分注意すること。必要により、心線導体を2重に折り返してから、圧着端子に圧着してもよい。
 
図4・32 圧着端子の取付け
 
(b)裸圧着端子の取付け(例)
 裸圧着端子を使用する場合は、圧着した金属部分には熱収縮ビニルチューブや粘着ビニルテープを用いて絶縁と防湿の処理を行うこと。
 更に防水処理が必要な場合は、シール剤処理も行うこと。(図4・33参照)
 
図4・33 裸圧着端子の取付け(例)
 
(c)はんだ端子の取付け・・・図4・34による。
 
図4・34 はんだ端子の取付け(例)
 
(d)結線線端処理の色分け
 ビニルチューブやビニルテープの色分けは下記の通りとする。
(i)直流の場合
正極(P):赤
中性極(O):黒
負極(N):青
(注)はんだはJIS Z 3282による55sn、50sn又は45snを用いること。
(ii)交流の場合
第1相(R、U):赤
第2相(S、V):白
第3相(T、W):青
R、S、Tは負荷側
U、V、Wは電源側
(e)特殊ケーブルの端末処理は、メーカーの指示に従うこと。
(4)高周波同軸コネクタの取付け(図4・35参照)
 使用される高周波同軸コネクタ類はメーカーの支給品で、その取付け方法は、メーカーの装備工事用図面等に記載されているのが一般的である。
 
図4・35 高周波同軸コネクタの取付け(例)
 
(a)参考例(CO2形コネクタ、BNCプラグのオス型の場合)
 ケーブル外被を7mmだけ切り取る。このとき、編組を傷つけないこと。編組を解きほぐし、誘電体を先端から3mmだけ切り取る。
 解きほぐした編組の先端をつぼめ、締め付け金具、座金、ガスケット、クランプの順にケーブルに挿入する。
 編組をクランプ上に折返し、切りそろえてケーブル中心導体に予備はんだ付けを行い、中心コンタクトのはんだ付けをする。このとき、中心コンタクトは誘電体とすき間のないようにし、また、熱によって誘電体を溶かさないように注意する。
 以上のように組付けたケーブルをコネクタ本体の中に差込み、締付け金具で固定する。
(b)同軸コネクタを取付けるときの注意
(1)外被と誘電体を切断する長さは、コネクタの種類によって相違する。編組や中心導体を傷つけないように注意する。
(2)中心コンタクトのはんだ付けは、コンタクトの外周にはんだを付け過ぎると本体に入らなくなる。このとき、熱によって誘電体を溶かさないように注意すること。
(3)コネクタを取付けてから、中心コネクタが編組と短絡していないことをテスタで点検すること。
(4)がい装ケーブルの場合は、コネクタの手前でがい装を切断して、端末結束及びがい装に接地用のリード線をはんだ付けして引き出す。
(c)その他の電子機器用コネクタ類の取付け(例)
 機器によっては、ケーブル端末にいわゆる「接栓」を取付けて機器側の接栓座と結合するような場合がある。
 接栓の種類にも丸形や角形、オス形とメス形等の各種がある。
 接栓の取付け上の一般的な注意事項は、以下の通りである。
(1)ケーブル外被と導体絶縁物を切断する長さ(A及びB寸法)は、使用する接栓に適合させる。
(2)ケーブル導体は、ていねいに予備はんだ付けをしておいてから、絶縁スリーブを通してコンタクトにはんだ付けする。
(3)ケーブル心線番号、又は、色分けとコンタクトの番号は、図面指示どおり結線し、誤配線のないように注意する。
(4)接栓のキャップにケーブルクランプのあるものは、確実にケーブル外被を保持して締付けること。(図4・36参照)
 
図4・36 同軸コネクタ取付け(例)







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