4・2・3 ケーブルの支持及び固定
布設されたケーブルは、振動や衝撃によって電路から飛び出さないように電路金物にバンドで固定する。バンドは十分な強さを有し、ケーブルの被膜を損傷することなく固定できること。
ケーブルの支持間隔はケーブルの外径及び種類により異なり、その値は表4・8による値を超えてはならない。
表4・8 ケーブルの固定間隔(JGの場合)*8
ケーブルの外径 (mm) |
帯金の間隔(mm) |
がい装のない場合 |
がい装のある場合 |
13以下のもの |
250 |
300 |
13をこえ20以下のもの |
300 |
350 |
20をこえ30以下のもの |
350 |
400 |
30をこえるもの |
400 |
450 |
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図4・29に主電路及び枝電路におけるケーブル固定方法の例を示す。
電路幅は、ケーブル幅に対して+50mm程度とること。また、ケーブル重ね高さは、50〜70mm以下を標準とする。
図4・29 ケーブルの固定
(1)概要
ケーブルの端末処理は、大別すると機器導入後の線さばき部の処理と、端末結線処理に分けられる。
(1)ケーブル端末の防湿処理が完全に行われないと、ケーブルの絶縁抵抗の低下を招き、船舶の就航後に予期せぬ事故のもとになる。
(2)端末の結線は、振動、衝撃などによって断線を生じないように注意深い作業が必要である。
また、レーダーなどの電子機器類は、誤結線のまま通電すると機器の破損を招くので慎重に行わなければならない。
機器の端末結線は、一般的には圧着端子による結線や、同軸ケーブル用各種コネクタ類の取付け工事の場合が多く、特殊な工事材料は、機器装備用品としてメーカーの支給によるのが普通である。コネクタ類の取付け法や端末結線については、メーカーの装備工事用図面に従って確実に行うことが必要である。
(2)線さばき部の処理
(1)線さばき部の処理材料は、一般的には粘着ビニルテープ、熱収縮性ビニルチューブが用いられる。
(2)2心以上のケーブルは、シースを除去した根元から線心端までの介在物を念入りに除去する。
(3)絶縁ゴム(又はプチルゴム)上の布テープ類は絶縁低下の原因となるおそれがあるので、絶縁体の先端から10mm又は根元まではぎ取って、粘着ビニルテープでテーピングする。プラスチックテープの場合は、除去やテーピングの必要は無い。
(4)線端処理に使用するテープの巻付けは、原則として半重ね巻き2回以上とし、最終端部は巻き戻り防止のため、余分に1〜2回重ね巻きする。(図4・30参照)
図4・30 線端処理のテープの巻付け
(5)多心線の場合は、機器への接続端子配列に従って若干のゆとりをもたせて切断後に、端子配列の順に麻糸などでレーシングする。
予備線は、最遠距離の端子に接続できる長さに切断してから、一括してしばっておく。(図4・31参照)
図4・31 多心線における線端処理
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